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第五百話 ヒバリコとの対面







 そして国王の私室では……

 ヒバリコと弟子三人、そして国王、着替え終わった王妃、女王達が向かい合い立っている。

 ビロンとメルシーも一応立ち会っていた。


 「改めまして。私がマリー様の教育係を務めておりましたヒバリコ・ドージでございます」


 丁重に挨拶の姿勢を取るヒバリコと、後方で同様に挨拶をする少年少女。

 

 「後ろにいるのは私の弟子でございます。左からタカオ、ハトコ、スズメコです」


 タカオと呼ばれた少年は十五、六歳位の金髪の端正な顔立ちで、中肉中背だが引き締まった体をしていた。


 「タカオです。御目通りできて光栄でございます」


 真ん中のハトコも十五、六で明らかに半分程黒人の血が混じっていると思われた。

 やや小柄で肩までの黒い縮れ髪。


 「ハトコでございます。皆様方に、特に王妃様にお会いできて夢のようです」


 右の少女はまだ十に満たない華奢であどけなさが残る、ひ弱そうな子だった。


 「……スズメコです。王妃様に会えて…………嬉しいです!」


 ヒバリコが諭した。


 「これ、ご挨拶は王妃様にだけではありませんよ」


 「あ、ごめんなさい……」


 マリーがすかさず声を掛けた。


 「気にしなくていいですよ。可愛い子ですね、うふふふ」


 言われてスズメコは恥ずかしそうに赤面した。


 「そんな事はどうでもいい! ヒバリコ!!」


 テレジアの剣幕にヒバリコの背後三人がびくつく。


 「あなたには落とし前をつけたい事が山ほどある!!」


 落とし前とはおよそ女王とも思えない言い回しだ。

 国王が慌てて口を挟む。


 「テレジア殿落ち着いて。とにかくみんな卓について話を……」


 「ここで十分! よくも娘を捻じ曲げてくれたな〜!!」


 「お母様!」


 マリーが後方からテレジアの腕を後ろ手に取り押さえつけた。

 

 「ええい離せ!!」


 構わずマリーはヒバリコに問いかけた。


 「先生、母が失礼しました」


 「いえ、姫様、基本に忠実な押さえ方、お見事です」


 「離せ〜!!」


 「それで先生、今までどこにおられたのです?」


 「…………そうですね、お話ししましょう」


 「お願いします。お母様、取り敢えず聞いて下さい」


 「う〜……」


 「私は姫様とお別れしてから今日までオーストリアとフランスの境界付近の片田舎におりました。ラシュタットからアルザス=ロレーヌ地方のはずれ辺りへと移りました。一応フランス領にいました。テレジア様の目の届かない場所の方が良いかと思い……」


 「なんですと〜!?」


 「お母様!…… 続けて下さい」


 「はい、そこで私は人材を育成するつもりでした。いずれ姫様の元に馳せ参じ、お役に立てるよう」


 マリーは後方の三人を見やった。


 「それがあの子達ですか」


 「いえ、実は学習塾のような物を立ち上げようとしたのですが上手くいかず、結局内弟子を取る形で三人だけとなりました。恥ずかしながら、予定より一桁少なくなりました」


 「こら〜!! そんな碌でもない事を考えとったか!!」


 「お母様!……それが今までおいでにならなかった理由ですか」


 「はい。他にも理由はあります」


 「それは?」


 「それは…………」







 ヒバリコと国王達が対面しました。

 何だかえらい事になりそうです。

 テレジアも切れてるし。

 収拾つくのかしら?

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