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第四百九十八話 入室する者、外で待つ者




 

 


 宮殿内に向かったのはマリー、国王。テレジア、そして各々の護衛達。

 そしてメルシー伯、事件現場を部下に任せたビロン。

 ヴォードルイユと警護兵も同行を望んだが大所帯になり過ぎるので国王がやんわり断った。

 これで全部、では無かった。

 ヒバリコの後方を歩く三人の少年少女。

 当然マリーは気に留める。


 「先生、後ろの三人のご紹介を……」


 「はい、紹介のタイミングが中々合いませんでしたので今まで言えませんでしたが……」


 「私の弟弟子、妹弟子とは聞きましたが」


 「弟弟子ぃ〜!?」


 テレジアが反応する。


 「何を企んでいるのですか〜!!」


 「お母様、そんな言い方は。私は姉弟子になれて嬉しいですよ」


 「何を言ってるか〜! こんなの連れてどうする!!」


 「姉弟子の責任に於いて連れます」


 「王妃の責任じゃ無いのか〜!?」


 「姫様」


 ヒバリコが口を挟む。


 「彼らの紹介は後程で構いません。姫様が着替え終わって一息ついてからでも」


 「……分かりました」


 答えながらマリーはちらりと後ろを見た。

 十五歳位の男女と十歳に満たない少女。

 どれも大人しい平民の出で立ちだった。

 

 (楽しみにしておこう……)


 そう思うとマリーは前を向いた。

 

 


 


 宮殿に戻った一行は国王の私室に通された。

 警護の者はドアの前でずらりと並んで立つ事となった。

 彼らの最初の仕事がやって来た。

 ヴォードルイユ、ブザンヴァルの軍人勢、テュルゴー、モルパなどの大臣勢が王妃達の様子を伺いに来たのだ。

 

 「どうだ、王妃様達の状態は?」


 ヴォードルイユの問いに護衛の代表が答えた。


 「至って堅調との事です。なお入室は国王様より硬く禁じられております!」


 「そうか」


 予想はしていたので動揺はしない。

 

 「しばらく部屋からは出ないので来訪者は引き取ってもらえと命令されました」


 「う〜む」


 魔女騒ぎのの後始末は明日以降になりそうだ。

 

 (にしてもフィリップめ、とんだ置き土産を……これは後々尾を引くぞ)


 王妃は死なず、難題が増えてしまっただけ。

 それでもフィリップはその道のプロであり、プロの掟には厳しかった。

 依頼者の名を白状するのはフィリップにとってこの上ない恥だろう。

 だからこそこれまで関係を持ち続けていたとも言える。


 (我が身は大丈夫か……王妃抹殺を社会的抹殺に勝手に変更したのは許せんが)


 とにかく今は引き返すしかない。


 「皆々様によろしく伝えておいてくれ。失礼する」


 彼は踵を返すと来た道を戻っていく。

 モルパとすれ違いざま、小声で言った。

 

 「後で、な……」


 眉を動かすとモルパはヴォードルイユを目で追った。


 「いくぞ、ユルリック」


 「は? 、ははっ!」


 歩き出すモルパにユルリックがそそくさと付いて行った。


 





 マリー達が部屋に入り、残りが護衛。

 来訪者もいろいろいますがなんか企んでるのもいるようで。

 内と外で思惑が動いて何が起こるやら……

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