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第四百九十七話 取り敢えず宮殿へ







 「こら〜ヒバリコ〜!! 私を無視するな〜〜!!」


 テレジアが取り囲む護衛達の輪を楕円に引き伸ばして近付いて来た。

 さすがにヒバリコもテレジアの方に振り向き挨拶の姿勢を取った。

 

 「お久しぶりでございます、女王様」


 「やかましい〜!!」


 「ご挨拶が遅れてしまい大変失礼致しました」


 「あなただけは許しておけん〜!!」


 「久方ぶりにお会いできて光栄でございます」


 「こっちは恨み骨髄だ〜!!」


 「お元気そうで何よりでございます」


 「うるさい! お前のせいで、我が子は、マリアはとんでもない暴れん坊に化け上がってしまった!! この怨み晴らさでおくものか〜!!」


 護衛をかき分けテレジアはヒバリコに掴み掛かろうとする。

 その様子を穏やかに眺めるヒバリコ、どころかマリーも笑顔で見ている。


 「お母様、お元気を取り戻しましたね、うふふふ」


 「やかましい、二人してろくでもなさ過ぎる〜〜!!」


 

 テレジアの背後で一部始終を目撃する羽目になった国王は、母にも娘にもかける言葉を見出せないでいた。


 (これはどうしたらいいのか……襲撃事件の直後なのだが)


 ビロンが近寄り国王に、と言うより皆にも聞こえるように話し出した。


 「国王様、ここは事件の現場です。国王様始め、皆々様は宮殿にお戻りになってお休みになられてはと存じます。後の始末は我が部下達にさせておきますのでお任せを。もし話したい事があれば自室でくつろぎながらがよろしいかと。王妃様も衣服が汚れておりますのでお着替えの必要もありましょうし」


 「うむ! そうしよう!!」


 国王は我が意を得たりとばかりに同調した。

 

 「そうですね。場所を変えて。私も着替える必要がありますね。応接室にでも行ってとことん話しましょう!」


 マリーも賛成した。

 こうなるとテレジアも引くしかない。


 「だったら! その応接室でヒバリコを徹底的に懲罰する!!」


 「お手柔らかに……」


 悠長に応えるヒバリコにテレジアは、今にも襲い掛からんとする身をやっとの事で押さえ込んでいた。

 マリーが流れていた涙を拭うと朗らかに掛け声を放つ。

 

 「では! 行きましょう。みなさんご一緒に!」


 

 



 

 事件の規模はひとまず置いといて、帰って一休み。

 実際休めるかは別にして。

 ある意味事件に負けない騒動になる、かな?

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