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第四百九十六話 やっと抱擁







 「ヒバリコはどこですか〜?!」


 まさかの女王からの質問が飛んだ。


 「あら、お母様」


 見るとテレジアと国王が大勢の護衛に囲まれてビロンの警護管轄範囲に入り込んで来た。


 「マリー!」

 

 「国王様もおいでですか。あちらの方はどうなりましたか」


 「もちろん中止だ! それより君の方はどうなのだ?」


 「至って元気です。観衆にも被害は無かった様です」


 「そうか……」


 安堵の表情となる国王だが……

 マリーは国王の方に歩を進めながら声を上げた。


 「皆様、都合によりましてこの場にての質問は持ち越しとします。またの機会にお答えします。これより乱入した賊の後処理をしますので皆様はお引き取りを願います。警護兵の指示に従いお帰り下さい。本日は御足労ありがとうございました」


 マリーに言われてやっと観衆は警護兵に促され、退場を始めた。

 国王と女王の前まで来たマリーは首を垂れた。


 「私が襲われた為にせっかくの祭事が中止になってしまいました。申し訳ありません」


 「いやそれはいい……」


 「それはいい! ヒバリコはどこです!!」


 マリーは背後を振り見る。

 カークとビスケが控え、そしてこちらにビロンが来るのが見えた。

 

 「ヒバリコ先生は……」


 「こっちです」


 声の方を見ると、去り行く観衆達の後ろ側に隠れる様に立っているヒバリコの姿。


 「ヒ バ リ コ 〜!!」


 テレジアが取り囲む護衛達ごと移動する。

 それらを一瞬で追い抜いてマリーがヒバリコの元へ駆け寄った。

 間近まで来て向かい合った。


 「先生……」


 「姫様」


 「やっと会えた…………」


 早々と涙がこぼれ落ちる。

 この日をどれだけ待ち焦がれてきた事か。

 そんなマリーにヒバリコは手を差し伸べた。


 「募る話はお互いいくらでもありましょう。けれど今は……」

 

 ヒバリコはマリーをぐいっと引き寄せ抱きしめた。


 「先生!」


 「よくぞ……よくぞここまで成長なさいました!! とうに私を超えておられます!」


 「そんな、私など……」


 その時マリーはヒバリコも涙を流しているのを見た。


 「みんな……先生のご指導のおかげです!」


 「姫様の才はずば抜けています。それを世に、民に役立てようと懸命になる事。正しく才を使って頂き感謝この上ありません」


 「それ私の口癖です! 先生が使うなんて……うふふふ」


 「良く言っておられましたよね。ふふ」


 「こら〜ヒバリコ〜!! 私を無視するな〜〜!!」







 ヒバリコとマリーが抱擁して魔女騒ぎは一件落着?

 だけどこの後が大変そう。

 ヒバリコとテレジアがどう接触するのやら。

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