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第四百九十三話 首謀者と問答



 




 「先程言った通り私の使ったのは魔術ではなく技術です。魔法などという様な如何わしいものでは、とてもできるものではありません!」


 「嘘だ〜! あんな事魔女じゃなきゃできるか〜!!」


 フィリップの手下の一人が言い返した。

 彼らは雇い主の姿が見えなくなっても与えられた役目を全うしていた。

 

 「いえ、魔女でなくてもできますよ」


 マリーはにっこり微笑んだ。


 「私のように修行を十年二十年と真剣に続ければ、ですけど」


 (な、何言ってるんだ…………?)


 王妃の言葉に理解がついていかないフィリップの手下、のみならず観衆全体も同様の反応だ。

 観衆の反応を見てマリーは首を傾げた。


 「う〜ん、分かってもらえませんかね? ではフィリップさんを呼びますか。カークさん、お願いします!」


 言われてカークはフィリップを担いでマリーの元へ駆けてきた。

 そのフィリップは先程意識を取り戻したところだった。


 「お、おい!! これは何だ?!」


 「マリー様がお呼びだ!」


 「えっ? どういうつもりだ??」


 「うるさい、もうこうなるとマリー様は止められないのだ!」


 「なんだそれは〜!?」


 カークに後ろ手に縛られたフィリップがでんと地面に設置された。


 「はい、紹介します〜。この人が私を最初に魔女と呼んだフィリップさんで〜す!!」


 「な…………?」


 おお〜〜!!


 観衆の真ん前に晒されたフィリップにどよめきの声が浴びせられた。

 フィリップの顔がみるみる青ざめていく。


 (な、なんで俺ここにいるんだ〜?!)


 何故か正座状態になってるフィリップの顔をマリーが笑顔で覗き込んだ。


 「という事でフィリップさん、よろしくお願いします」


 マリーはフィリップの肩に手を置いた。

 彼は立ち上がって逃げようとしたが何故か動けない。

 思わず叫んだ。


 「魔術だ! 魔女だ〜!!」


 しかし観衆の反応はない。

 側から見れば行儀良くに正座しているだけにしか見えなかったのだ。

 

 「フィリップさん、お聞きしますがなんで私が魔女なんて時代遅れな物しないといけないんですか?」


 「うるさい、魔女でなきゃあんな大男を吹っ飛ばしたりできるか!」


 マリーは首を傾げた。


 「私、何か悪い事しました?」


 「なにおぅ〜!?」


 「襲ってくる賊を退けただけです。斧を投げられた時など観衆に当たりそうなので敢えて掴んで方向変えて事なきを得ました。民に危害が加わらない様に使った 技術 です!」


 「やかましい! 何に使おうと魔法は魔法だ!」


 

 観衆は二人のやり取りに注目している。

 魔女コールも消えていた。



 「フィリップさん、魔術と技術の違いをご存知ですか?」


 「何だと?」


 「技術は基本誰にでも学べます。つまり男性にも使える物なのです。魔女は女性にしかなれないでしょう」


 「屁理屈こねるな!」


 「ならば! 私の身に付けた合気が魔術でなく技術であると証明する為にも!!」


 マリーは観衆を見回した。

 一際大きく声が響く。


 「私は私の持つ合気の技術を広く国民に伝える事にします!!」


 おおおお…………


 どよめきが辺り一帯を支配した。






 

 主犯が見つかり公開質疑。

 これはどっちが有利なのか?

 勝利条件よく分からないし。

 合気広めるってここフランスだって!

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