第四百七十二話 過去から推測
「形稽古は反復練習を何百回何千回も繰り返し……」
「そんな事をやってたんですか〜!?」
「組み手もより実戦的なものを毎日……」
「そんな危ない事をヒバリコにさせられたのですか!!」
「いえ、先生には感謝しかありません」
「どれだけ心酔してるのですか〜!!」
「練習中に怪我をして城に帰った時にはそれを隠しておいて自室に戻った後に怪我した事にした時もありました」
「許せん!! ヒバリコもあなたも!!」
「武道を学んでたのを悟られない様にする為でした」
「何と卑怯な!!」
「どう言われようとかまいません」
「開き直るな〜!!」
「十歳の時初段を授かりました」
「しょだん?」
「技量のランクです。自分の身を自分で守れる最低限のレベルでした」
「何ですか!」
「その頃から手を出してきた人の腕を捻る事ができる様に……」
「護衛に任せなさい! ヒバリコは何をやってたのですか!?」
「ヒバリコ先生は相手の力量を見極めた上で判断していたので問題ないです」
「問題大有りだ〜!!」
「城の外の様子を見て回ると理不尽な行いがそこここと目に付きます。そういうものと関わってしまった場合はヒバリコ先生が対応しておられました。それを手本に私も段々対応ができる様に……」
「対応って何ですか?!」
「腕を捻った後どう投げるかなど……」
「単なる暴力だろ〜!!」
「民の為に役立てただけです」
「誰の為でも暴力だろ〜!!」
「年毎に段位が上がりフランスに嫁ぐ前には免許皆伝を拝命しました」
「めんきょかいでん?!」
「言わば後継者と認めてもらったと言えます」
「…………何 の 後 継 者 だ〜〜!!」
「武道です」
「王家の娘が武道の後継者になってどうする〜!!」
「…………だからあなたはヒバリコがどのような思惑であなたを教育したか教えてもらってないと言いますが……」
「民を大事に、以外は基本教わった技能はどう使うかは自分で考えなさいと言われましたね」
「自分で考えて人の腕捻って投げてたのですか?!」
「まあ相手が良からぬ人だったら……」
「ふんっ! で、あなたはヒバリコの思惑を知りたいと思わなかったのですか?」
「それは……」
「真意を知りたいと思うでしょう。尋ねた事は?」
「ありますが答えてはくれませんでした」
テレジアの目が鋭く光った。
「…………推測はできないのですか?」
「え? ……」
「今ここで推測してみなさい」
「う〜む…………」
腕を組み考える姿勢に入るマリー。
推測する事自体は拒否するつもりではない様だ。
「そうですね〜。まず……ヒバリコ先生の祖先の国は確か…………」
マリーは組んだ腕を解いて両手の平を合わせた。
「ニッポンとおっしゃってました…………ジパングですね」
色々と過去話。
その末にヒバリコの思惑を推測。
日本の名が出たけどどう関わるのかな?




