第四百六十四話 国王にまで……
テレジアは自分が他者からどの様に見られているのかは理解していた。
その自分に対してここまで強く出れる相手をここしばらく見てはいなかった。
いや、一人いた。
(この男がここまで化けられたのも……マリアの仕業か〜!!)
テレジアは王に見られてるにも構わず頭を抱えてしまった。
(夫婦揃って私に歯向かう! 厄介者にも程がある!!)
頭を抱えるテレジアを見下ろしながら国王は問うた。
「まだおっしゃりたい事はありますか?」
「…………あ る に 決 ま っ て る だ ろ が〜!!」
国王は目を見張った。
さすがに今のは声がでかい。
テレジアは一気にまくし立てた。
「元々娘の素行が許されないからわざわざオーストリアから来たのよ! 領土拡大より先に! 国同士の共闘よりも! それがいつの間にかこんなまだるっこい話になってるのは何でよ!? あんた国王でしょ! 我が子の、王妃の、マリアの、マリーの、あの暴れん坊の暴走を止め大人しくさせなさい〜!!」
「却下します」
短い一言で返された。
「なんでだ〜!!」
「国王たる私が容認している」
「それがおかしい!!」
「たとえ母親であっても我が妻の有り方に干渉は許されない!」
「…………手塩に掛けて育て送り出した娘が……隣国で糞の王女などと呼ばれてるとの噂がこちらに伝わり…………しかも噂の出所が娘自身だと聞き及び…………」
テレジアの体が打ち震えていた。
マリーに対しての反応と同じもの。
「それを止めようというのに…………夫 が 放 任 し て ど う す る〜!!」
「これはいけません!」
ドアに耳を当てていたマリーが護衛を手招きした。
「奥の部屋から声が聞こえます!」
会話が聞こえない仕様の部屋にいたのだから相当大きな声だ。
「王妃の責任で入室を認めます!」
と言いながらマリー本人がドアを開けて入って行った。
「ああ、マリー様!」
慌ててカーク達も続いて入っていく。
「国王様!」
ドアを開いたマリーの目に写った光景は…………
「国王〜!!」
「むぐぐぐ……」
立ち上がり卓越しに国王に手を伸ばし掴みかかろうとしているテレジアの姿だった。
「お母様! おやめ〜!!」
叫びと共にマリーは宙を飛んでいた。
とうとう国王にまで手を出すテレジア。
マリーが大切な者の守る為の戦いを。
そんな大袈裟なもんでもないかw




