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第四百五十八話 女王王王妃で会食




 


 

 「お食事をご一緒頂けるとは。とても嬉しいです」


 マリーは向かい合って座る母に礼を述べた。

 隣には緊張した面持ちの夫がいる。

 護衛以外はこの三人だけ。


 「良く申し出下さった……しかし急でびっくりしたのですが」


 王の問いに微妙な笑みを浮かべ沈黙するテレジア。

 マリーも沈黙していた。


 (本当に諦めないですね。そこまでしてへばり付いてもヒバリコ先生には会えないのに)


 (早く尻尾を出しなさい! ずっと監視するのも大変なのだから!)


 互いに盗み見る様な視線を投げかけ合う二人に王の視線も泳いでしまっていた。

 取り敢えず目の前の料理を食する事にした。

 意図せずかどうかじゃがいも料理が多かった。

 王はじゃがいもの入ったポタージュをスプーンですくって口に入れた。

 

 (なんだか……味を感じられない)


 二人の様子が気になり過ぎて舌に気が回らないみたいだ。

 一方テレジアは王同様ポタージュをすくって口にした……マリーから視線を外さず。


 「ところでマリー……ヒバリコですが……」


 マリーの顔色が変わった。

 国王そっちのけで師の話をするつもりか。


 「お母様、言ったはずです。ヒバリコ先生にはずっとお会いしていません」


 「彼女はあなたに接触をしてきてないと」


 「はい!」


 「では……手がかりみたいなものは?」


 「!…………」


 突っ込んだ所まで聞いてくる。

 マリーがすぐに返答しなかった事でテレジアは確信した。


 「あるのですね?」


 「目安箱……」


 「ん?」


 「目安箱への投書の中に先生に似た字体の物がありました。本人とは思えなかったですけれど癖というか、私も一時期影響されて似ていた時がありましたので……」


 「それでどうしました?」


 「それっきりです」


 テレジア目つきが鋭くなった。


 「あなたはヒバリコに会いたくないのですか?!」


 「うっ……」


 言葉に詰まるマリーにテレジアは追撃を加える。


 「ならヒバリコを探していて当然でしょう?」


 「それは……」


 「あなたなら自らヒバリコを探すはずです。もうあなたがフランスに来てから七年半経っている。探し出せてもおかしくないでしょうに」


 「いえ!」


 急にマリーが声高になった。


 「ヒバリコ先生が私に会いに来ないのはご自分の意思です。先生と別れた時にいつか再び会う事を誓いました。時が来ればきっと会えると。だからその時が来れば先生は必ず私の前に現れると信じてます」


 一気に話すマリーに対しテレジアはまだ疑惑の目を向けたままだった。


 「あなたにしてはかなり受動的ですね」


 「私だって先生に会いたいです! だけど…………認めてもらえないと会えません」


 「ふむ……認める、ですか。何を基準に…………」


 もしマリーの言う通りならヒバリコはパリにはいない。

 偶然に会うのすら望んでいない事になるから。

 あくまで言う通りの話ならだが。


 (これ以上聞いても無駄か……)




 


 話がヒバリコ中心なのに本人はいない。

 これでは話も進まない?

 果たして無駄話で終わってしまうのでしょうか。

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