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第四百五十四話 暴れん坊女王?







 次は一軒家。

 

 「ヒバリコはいませんか〜!!」


 「だから下水路に関する建物の改装の話です! なんでヒバリコ先生がそんなとこにいるんですか!!」


 「どこにいるのですか〜!」


 「だから私が知りたいと言ってます!!」


 



 次は立ち退きになる世帯がいくつかある集合住宅。

 彼らの中には立ち退きに理解を示さない者もおり、交渉人に不満を伝えようとするつもりだった。

 公証人の到着を彼らは今か今かと待ち構えていた。

 そして遂にその時が来た。

 どんどんっとノックの音の直後ドアのノブが回転する。


 がちゃっ


 「ヒバリコはいないか〜!!」


 「わぁっ!!」


 待ち構えていた不満分子は予想とはるかに違う交渉人? 、の襲撃に一瞬で総崩れとなってしまった。


 「ヒバリコ〜!!」


 「お母様、いけません!!」


 マリーが母を羽交締めにして止めた。

 

 「皆さん、失礼しました。交渉に参りましたマリーアントワネットです。皆様の悪い様にはしませんのでお気軽にお話し下さい」


 「離しなさい! ヒバリコを探します!!」


 「だからいませんって!!」


 結局交渉に入った住人達は交渉とは無関係のテレジアの圧力に押され、比較的物分かりの良い反応を示す事になるのだった。


 



 「では立ち退き料金の支払いも無事終わりまして…………後何かおっしゃりたい事は?」


 マリーの問いに住人達は顔を見合わせ困惑の表情を見せた。

 正直今更不平不満を言う気力はない。

 王妃が直々に出した条件もかなり手厚かったし、何より隣の黒い喪服らしき衣装の女性に圧倒されていたのだ。

 それでも何か言わねばならないと思ったか一人の男が恐る恐る問い掛けた。


 「あの〜王妃様」


 「はい?」


 「お隣の黒い服のお方は王妃様のお母上ですか?」


 「あ…………はい」


 おお〜


 歓声が起きた。

 

 「あれが噂のマリアテレジアか……」


 「凄いなあ〜」


 「あれ喪服か?」


 「王妃様より暴れてたぞ」


 口々に言い合う住人達だが……


 「見 せ 物 で は な い〜!!」


 ぴたっ


 一瞬で声が消え失せた。


 「不愉快です! 帰りますよ!!」


 どすどすと足音立てて立ち去って行くテレジア。


 「全くヒバリコはどこにいる!!」


 マリーは弱り顔で母を見送った後、住人達に向けて謝罪の姿勢を取った。


 「皆さん、母がご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」


 マリーの真摯な態度に住人の一人が恐縮しながら言葉を返した。


 「いや、いいんですが……あなた方親子で…………暴れん坊で?」


 「いえ、それは……」


 これにはマリーも口ごもってしまった。


 「で、ですので決してそんな訳ではないですよ。違います。母と私では…………」


 「はい?」


 「暴れる理由がまるで違いますから」


 おお〜??


 歓声に疑問符が重なる。

 すかさずカークが突っ込んだ。


 「マリー様、何を言ってるんですか?! もういいから早く帰りましょう!」


 「あ、はい。それでは皆さん、失礼致します。お元気で〜」


 笑顔で立ち去って行くマリーと一行達。

 住人達は言葉も無く見送っていた。



 この後テレジアに関する市民の噂に黒衣の暴れん坊(母)というものが加わる事になった。







 こんなつもりで来仏した訳じゃないだろうけど……

 ナマハゲみたいになっています。

 迷走するテレジアはどんな終着点に辿り着くのでしょうか?

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