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足曾木婆ーsid宮崎—13

「いったー・・・」


一瞬何が起こったのかわからなかった。物理的に痛む頭を上げると四方山が倒れこむように私に覆いかぶさっていた。それも、私の胸に顔をうずめるような体制で・・・。


思わず四方山を蹴り飛ばす。予想していたよりもはるかに軽いみたいでその体は簡単に浮いた。


「ちょっとあんた何やって・・・」


そう文句を言いかけたところで、彼の頭上に立つ誰かの人影に気が付く。

そいつはみゃ―ちゃんに負けて消えたはずのあのババアだった。服装は、あのマネキンから姿を変えたからか喪服のような黒服であり、片手に何かをつかんでいる。

その何かからは水滴を滴らしており、細いブーツのようなシルエットをしていた。


あれはまさか・・・。


恐る恐る四方山の下半身に目を向ける。

彼の左足がズボンのすそごと失くなっていたのだ。


「な・・んで・・・?」


何で私なんかを庇ったのか、全く理解できず頭のなかが真っ白になった。


パァーン!!


背後から突然破裂音が響く。その音に思考がはっきり

とともにババアが飛び退き、みゃ―ちゃんが駆け寄ってくる。


「宮崎さん、大丈夫!」


「よ、四方山が・・・」


「っ!」


倒れている四方山に気がついたのか険しい顔をすると、再びババアに銃口を向ける。

視線の先にいるババアの隣にはいつの間にかまたあの車椅子のマネキンがたたずんでいる。


ババアは、マネキンに四方山の足を押し付けると


「アワナイ」


そう呟いてマネキンごと姿を消したのだった。


・・・

・・


その直後、日常が戻ってきたように聞きなれたコンビニの入店音が鳴り響き、道路に車が通り抜ける。


「四方山!」


みゃーちゃんは銃をしまいながら倒れて動かない四方山に駆け寄ると脈を図る。

生きていることが確認できたようで、ホットしたように息をつく。

噂みたいに足が奪われても死ななかったようだ。


「四方山、生きてる?」


「太もも痛い・・・」


え、意識あったの?


「案外余裕そうね」


「あと、けられたおなか痛い」


「ごめんなさい・・・」


セクハラされてると思って思わず蹴り飛ばしてしまったやつだ。


「とりあえず、体起こしてくれない?足なくってうまく起き上がれないんだ」


「はいはい・・・って、あんた軽すぎない?」


みゃーちゃんは四方山を軽々と持ち上げ、壁に倒れかけさせる。


四方山の足からはどくどくと絶え間なく血が流れていく。みゃーちゃんは止血のためか紐を取り出すと四方山の足を強く縛る。

心配してかずっと引きこもっていた管狐が顔を出し、心配そうに四方山の足の傷を舐めていた。


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