足曾木婆ーsid宮崎—12
みゃーちゃんと四方山がギャーギャーと言い合いを始める。
完全にみゃーちゃんのほうが悪いのを本人も自覚しているのだが、話がかみ合っていないせいで話の収拾がつかなくなってしまっている。
流石にあれを止められるほどのトークセンスは持ち合わせていない。
しかし、この空間どうやったら外に出られるんだろうか? あの婆が消えればそのまま元のコンビニにでも戻るかと思ったけれどまったくその気配はない。それに肝心の人形の部品がいまだに見つかっていない。
あれがないと私の体の部位がなくなってしまうらしいのだ。
それもニュースで報道されるようなはっきりとした情報ならばもっと早く簡単に受け入れられた。でもソースはすべて友人の話していた微妙な内容だけ、現実にあるのならばもっと真剣に聞いておけばよかった。
あのババアが関係していないとなればあと考えられるのは車椅子の女性だろう。
噂からババアはこの女性の足を探すためにここをさまよっているのだろう。となるとあの女はババアの娘か何かだろうか? もしかすると車椅子の女が部品を持ってるかもしれない。
そう思い、倒れたままびくともしない女の体をまさぐってみた。
「ん?」
触ったところで違和感を感じた。体が異様に硬いのだ。
触ったのが腹部だからもしかしたらコルセットでもつけているのかもしれない。そう思い他の場所を触ってみるがやはり堅かった。
そういえば死後人は筋肉が硬直すると聞いたことがある。もしかしてそれだろうか? 車いすに乗っていたのは体が固まって動けないから。そう考えれば納得がいく。
「・・・」
体を全部探ってみたが、どこにもそれらしいものが見当たらない。いったいどこに?
「そういえば・・・」
ふとベールで隠されている女性の素顔が気になった。現れた時からずっと顔を隠したままだから、まさか顔を怪我しているとかだろうか? もしかしたら片足が無い原因がわかったりするかもしれない。
よせばいいのに私はそのベールをめくって顔を確かめた。
「え?」
それを見た瞬間、一瞬思考が停止した。
あまりにもひどい顔だったとか、だれかの顔に似ていたとかそういうわけではない。ただ、見覚えはあり、体が硬かったことにも納得できた。
その顔は、普段買い物とかをしていればいろんな場所で見かけるような、ものによっては頭すらもないようなそんなもの。
あのババアが大切に守っていたものは、まさかのマネキンだったのだ。
「ミータイナァア」
「え?」
なぜこんなものが? そう思った瞬間マネキンの顔が歪み、あのババアの顔になったのだ。
「あぶない!」
そう聞こえた瞬間、私の体は誰かに突き飛ばされていた。




