↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
28/30

雨の日の迎え

珍しく肌寒い曇りの日。予報では一時間後に雨が降るってなってたけど、ちょっとした買い物だし、近いコンビニだからと、雨具を家に置いて出てきた。

 しかし、コンビニで買い物を済ませ、帰ろうと出入り口を見ると、雨が降っていた。しかも強い。

 折りたたみ傘をさそうと鞄の中を漁った……が、傘は見つからなかった。

「嘘……」

 もう少し雨が弱かったら小走りで帰れたけど……。この雨じゃ、

 とりあえずイートインスペースに座り、雨が弱まるのを待った。

 すると、光希から連絡が来た。

『小春ちゃん』

『今どこ?』

『外出中?』

 そうだ、光希に傘を持ってきてもらおう。そう思い、打ち込もうとすると……。

『もしかしてコンビニ?』

『傘忘れて帰れなくなったとか』

『きっと近いからって油断してたんでしょ』

『すぐ行くから待ってて』

 相変わらずすごいなぁ。

「えっと……『わかったよ』っと……」

 小さい頃から、私が迷子になっちゃった時、光希はすぐ私を見つけてくれたっけ。

 しばらくすると、コンビニの入店音が鳴った。

 そこに目をやると、傘を持った光希がいた。

「やっぱりいた。僕の推理当たってたでしょ」

「うん。なんで分かったの?」

 光希はクスリと笑い、

「何年小春ちゃんのこと見てきたと思ってるの? 小春ちゃんが考えることくらい分かるよ」

「幼馴染だから?」

「あのねぇ……」

 光希は苦笑いを浮かべた。

「僕さ、小春ちゃんのこと、恋愛対象として好きって言ったの忘れた?」

 顔が一気に熱くなった気がした。

 そうだ、まだ保留にしてる告白……。

「好きな人のことは知りたいし、覚えたい。四六時中小春ちゃんのこと考えてるんだからさ。小さい頃から見てるから、行動もなんとなく分かるんだ。すごいでしょ」

「すごい……」

「あと……告白の返事、急かすつもりじゃないんだけどさ……早めに答えてくれると嬉しいな」

 そう言った光希の顔は、どこか不安そうだった。

 そうだよね。いつまでも保留になんてできないもんね。いつかは答えを出さなきゃいけない。

 私が思い詰めてることに気づいたのか、光希は笑顔に戻り、

「それじゃあ帰ろっか」

「うん……」

「そんな顔しないでよ。今日本当はご飯のお裾分けしに来たんだ」

 そして私たちは、傘をさして帰るということに。


 相合傘なんて何年ぶりだろう。

 前は距離の近さとか気にしてなかったのに。

 光希が男性になってからもう半年も過ぎてるのに、全然慣れない。

「小春ちゃん、こっち寄って」

「えっ!? うん……」

 すると光希は私の肩を抱き寄せた。

「光希……!?」

「少し肩濡れてる。ごめんね、気づかなくて」

 濡れてるとは言ってもほんの少しだ。それにも気づくなんてすごいな。

 にしても、距離が近い。

 心拍数が速くなってるのが分かる。


 私、やっぱり……。


 チラリと光希の方を見ると、光希の耳が赤くなっていることに気づいた。

「光希の耳赤い」

「えっ、そりゃあ……好きな人と相合傘してるんだから……。こう見えて結構緊張してるんだよ?」

 そんな話をしていたら、自宅に着いた。

「そういえば、ご飯のお裾分けって?」

「今日は肉じゃがだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。