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光希の誕生日

 八月八日、ついに光希の誕生日。

 私の部屋のリビングでやるから、前日からしっかり飾り付けをした。

 プレゼントも、ケーキも買って、ジュースも用意した。後は光希を待つだけ……!


 ソワソワしながら待っていると、約束の時間より早くにインターホンが鳴った。

 玄関の扉を開けると、そこには光希がいた。けど、なんだか怖かった。

 笑顔なのに目が笑ってない。

「光希……いらっしゃい……」

「ねぇ小春ちゃん、僕に隠してること、言って?」

「えっと……その前に、目ぇ瞑って! 私が手で中に誘導するから!」

 光希はしばらく黙っていたが、やがてため息をついた。

「良いよ。その代わり、ちゃんと話してもらうから」

 これ怒ってるやつだ……。

 私はなんとかリビングに誘導し終わった。

「目ぇ開けて良いよ!」

 この飾り付けを見て、光希の機嫌が直ると良いけど……。

「小春ちゃん……これは……」

「誕生日おめでとう、光希!」

「誕生日……? そっか……だから八日……」

 毒気が抜けたような顔をしている光希に、私はプレゼントを手渡した。

「去年分と、今年分の誕生日プレゼント。こっちから開けてみて」

 先に筆記用具の方を渡してから、カフスボタンの方を渡した。

「これ……あの時買ってたやつ……」

「あの時?」

 ショッピングモールでは一人で買い物してたはず……。

「まさか隠れて見てたの!?」

「うん」

 悪びれる様子が全くない。さも当然みたいな顔してる。光希らしいけど。

「じゃあ、このカフスも、僕のこと考えて選んでくれたってことだよね?」

「うん。提案してもらったのを選んだだけだけど……」

「だとしても、小春ちゃんが買うって決めたものでしょう? 高かったんじゃない?」

「少し……でも、光希の誕生日だから」

 すると光希は突然私を抱きしめてきた。

「嬉しい……世界で一番の幸せ者かも」

「言い過ぎだよ……」

「ううん、そんなことない……ありがとう」

「どういたしまして」

 どうやら光希の怒りは収まったらしくて良かった……。

 その後、一緒にケーキを食べることになり……。

「小春ちゃん、あーんして?」

「えっ!?」

「ほら、僕誕生日だし?」

「ズルい……」

 一昨年まではなんとも思ってなかったはずの食べさせ合いが、今じゃ意識せざるを得なくて。

「ズルい? わざとだよ」

 なんだか恥ずかしくなって、思わず叩いてしまった。

「痛っ……! あはは、本当可愛い」

「光希っ!」

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