アーク3 - 第9章:例のあの人にばったり出くわす
(リバティ二十九、五十九 / 午前7時22分)
「まだ私に腹を立ててるなんて言わないでよ。もう1年以上経ってるんだから。」
ショーンは両手を肩の高さに上げ、こめかみから汗が滴り落ちていた。陶器のような肌を伝って、汗はあっという間にジャケットに染み込んだ。
髪で右目が隠れてしまい、ルークの顔にはかすかなしかめ面が浮かんでいた。友人たちが彼の後ろに控えているにもかかわらず、ルークはショーンの緑色の瞳から目を離すことができなかった。
「ルーク!」
ホープは彼の左肩を引っ張り、彼女の手は彼の募る苛立ちを少しでも和らげようとしていた。何度も何度も引っ張るうちに、彼女は自分の体全体がバラバラになりそうな気がした。
「大丈夫よ。もう乗り越えたわ。ショーンのことは放っておいてあげて。」
「ルーク、ホープを見習いなさい。少なくとも彼女は前に進んでいるんだから。」
「許せることも、受け入れられることもある…でも、あなたがやったことは…」
「もう百回も言ったように、あれは事故だったんだ。」
ルークは必死にその感情を抑え込もうとしたが、指がぴくぴくと動くのを感じた。叫びたい衝動に駆られ、喉の奥で声が震え、うめき声が漏れた。ショーンはルークより十センチほど背が高いにもかかわらず、ルークの鋭い視線はショーンをひどく緊張させた。
「ホープの胸を触ったことを『事故』と表現するのはどういうつもりだ?」
「あれは確かに私の人生で最も辛い時期だった…でも、もっとひどい目に遭った人はたくさんいる…」
ショーンは両手を体の横に下ろした。
彼はそっと手を頭に上げ、ルークを見つめながらうなじを掻いた。ルークの呼吸が穏やかになったのを見て、彼はルナとマイルズが自分を睨みつけているのを感じた。
「他の人たちはどこにいるの?もし他の人たちの居場所を知っているなら、グウェンに連絡を取ってくれる?彼女と話したいことがあるんだ。」
ルークは怒りを鎮めた。
まるで誰かに炎を消されたかのように、彼の顔は他の人たちと同じように真っ青になった。ホープとマイルズは目をそらし、ルークは突然の要求に思わず下唇を噛んだ。
ルナを除いては、皆平静を装っていた。
「彼女はラゲフォーへの攻撃中に亡くなった。」
「えっ、何だって…?」
彼の口調は一気に鋭くなった。
静電気で両手と肩がぐったりと落ち、指先は太ももに置かれた。腕を動かすことも、筋肉を動かすこともできず、両下まぶたは暗く腫れ上がっていた。この重苦しい知らせに押しつぶされそうになりながら、彼は再びルークに意識を向けた。
「本当なの…?まさか冗談じゃないよね…?」
「本当です…彼女は私たちみんなに囲まれて安らかに息を引き取りました。それは…美しい光景でした。」本当に美しい人だった。でも、亡くなる前に、彼女は私に次期司令官になってほしいと願っていたんだ。」
ショーンはダイナーの中を見回し、空っぽのテーブルや何もない椅子をじっと見つめた。隅々まで観察した後、ふとある隅に目を留めたが、すぐに視線を正面に戻した。
ルークは下唇を緩め、片手でジャケットを引っ掻いた。革が擦れる感触を感じながら、爪は時間が経つにつれてますます優しく引っ掻いていった。
「もっと早くお伝えできなくて申し訳ありません。」
「それで…彼女はどうやって亡くなったの?本当に死んでしまったの?」
「彼女はもっと強くて賢い人に殺されたんだ。彼女がどんな相手と戦っていたのか、私たちには分からなかった。」
「でもそれは不可能だ…」
ショーンは再び暗い隅をちらりと見た。放牧露わにならなかった影。この動作を何度も繰り返したが、ルークたちはそれに対処することができなかった。
「彼女は私が知る中で最も強い女性だった…」
「なあ…起きてしまったことは仕方がない。今は前に進むしかない。グウェンもそう望んでいたはずだ。」
「先に進む?一体何において?」
「君なら彼女の言いたいことが分かるだろう。もし君がそこにいたら、君は――」
「すみません?」
彼はすぐにルークの襟首をつかみ、自分の方に引き寄せた。
ショーンは、自分の体の中にあるものを全て抑え込み、ただ唇を震わせてくすくす笑うだけだった。乾いた喉から乾いた笑いを漏らし、それから赤く染まったルークの目をじっと見つめた。拳の痛みを感じながら、他の皆はルークの後ろか、あるいは横に身を潜めた。
「つまり、私が彼女にヒマワリをあげに行くべきだったってこと?」
「わ、わかった、そんなつもりじゃなかったのに…」
「では、一体どういうことなのか?!」
顔が数センチの距離まで近づくと、彼の乾いた笑いは止まった。膝が崩れ落ちそうになり、体重の負担は刻一刻と増していった。ルークは眉をひそめ、頬を赤らめたエルフをじっと見つめた。
「いやいや、教えてよ!私がどうできたっていうの?連絡手段がないことはもう知ってたでしょ。もし私がまだそこにいて、もし私がそこにいたら……そうなったら……」
ルークを押し退け、彼は右手を右太ももに下ろした。そのまま左手を革のジャケットの中に押し込み、視線は再び隅の方へと向けられた。今度は、彼はそこに視線を留め、一瞬たりとも外さなかった。
「何も言わないで…あなたと話しても時間の無駄だってことはもう分かってるから…」
視線をそらすと、彼は左手にある近くのウイスキーのショットグラスに目をやった。カクテルバーにきちんと置かれたそのショットグラスを指2本で掴み、目を閉じた。忌まわしい茶色の液体を飲み込むと、歯茎と舌が焼けるように熱くなり、すでに砂で覆われた喉を駆け下りていった。
口の中のわずかな水分を拭き取ると、彼はショットグラスをテーブルに置いた。ルークを指差すと、その効果で彼の関節や骨はすべて弛緩した。
「グウェンが亡くなったため、君たちは全員チームメンバーを一人失った。君は私と同じように偵察任務に就いていたが、今は指揮官になったから…」
「私はまだ偵察任務中です。」
「だが、君は偵察兵には向いていない。その理由を知りたいか?」
ルークはショーンの右腰に目をやった。そこには円形の銃身を持つ小型の突撃銃が携えられていた。トミーガンに似たその銃は、ワックスがけされた金属が上からの柔らかな光の下で輝いていた。
ルークは顔を見上げ、二人の男と目が合った瞬間、手が震えるのを感じた。まるで膠着状態にあるかのように、ルークのブーツは硬い床に張り付いたように感じられた。
「君の唯一の力は攻撃をかわすことだけだ。運が良ければ生き延びられるかもしれないし、優れたサバイバリストならなおさらだ。偵察兵は情報収集のために雇われるのであって、自給自足の生活を送るためではない。」
部屋の隅から何かが歩いてきた。
光の中へ足を踏み入れると、その人物には太陽の光が反射していた。視線を向けると、その人物は両手をポケットに入れていた。革のジャケットに黒いズボンを履き、緑色の――
――ショーンだった。――
「何してるの…」
ショーンは、自分にそっくりな人物を目の当たりにして、思わずくすりと笑った。ルナに目を向けると、彼女の指が警棒をなぞり、手がすでに怒りで震えていることに気づいた。そのドッペルゲンガーは顔に笑みを浮かべ、ショーンと驚くほどよく似ていた。
いいえ。それは完全なレプリカでした。
「鬼ごっこでもしない?ほら、鬼じゃない人を捕まえるゲームだよ。」
「なぜタグ付けするのか?」
「もし優勝したら、グループリーグに戻りたいからです。」
「…もし負けたら?」
「それなら、もう一杯頼みます。」
ルークは顔をしかめ、視線を地面に落とした。すでに出し抜かれたような気がして、彼の両手は震え始めた。
ルナは両手の警棒を取り出し、ショーンを危険な目で睨みつけた。親指をボタンの上にかざす彼女の様子に、ショーンは右手を腰に当てたまま一歩後ずさりした。
「ルナが倒れているようだ。」
「しばらく前から何かを殴りたくてたまらなかった。お腹が空きすぎてまともに考えることもできない。」
「幸運を祈るよ。俺を捕まえるのは簡単じゃないからね。」
しかし、皆が予想していたようにトミーガンを取り出す代わりに、彼はポケットに手を突っ込んだ。そして、手のひらと指にしっかりと握りしめた金属製の何かを取り出した。
ルナは前方に飛び出したが、目は赤く濁っていたものの、警棒は放たれなかった。
「ここに来て!」
彼女にとって不運なことに、ショーンはその装置を下向きに投げ捨てていた。
―煙の鋤を解き放ち、解放する―
わずか0.25秒で、煙の雲がダイナーの半分を包み込んだ。煙の中心にいた四人は目を覆い、悪臭で感覚が麻痺した。ルークは激しく咳き込みながら、顔についた埃を振り払った。
「ショーン!ショーン!」
「咳、咳…くそ、彼はどこに行ったんだ!?」
ルナが喉を固くして叫ぶと、雲そのものが急激に収まり始めた。
目を開ける自由を与えられた彼らは、頬と下まぶたが赤く腫れ上がった。まるで煙で酸素を奪われたかのように、必死に新鮮な空気を吸い込もうとした。
ホープが下を見ると、涙で目がまだ潤んでいた。足跡に気づいたが、それは小さなものだった。
「足跡だ!足跡を見つけたぞ!」
「それなら、それはたぶんショーンのものだ!私たちは――」
「こんにちは。」
ショーンは真ん中に立っていた。
笑うことも動くこともなく、彼はまるでヘッドライトに照らされた鹿のようにじっと動かなかった。煙も埃も服に付着しておらず、ショーンをじっと観察しなかった唯一の人物は、他ならぬ――
「そこにいたのか!」
彼女はその二つのボタンはクリックしなかったが、手に持っていた金属をパチパチと音を立てさせた。
彼女は右のブーツで体を持ち上げ、滑り出すように前進した。足元のきしむ木の床が軋んだ。右腕を後ろに突き出し、あとは警棒の先端で彼を殴るだけだった。
ショーンは腕を組んで微笑み続けていた。彼女は槍投げのようにバトンを握りしめ、それが――
それは彼を通り抜けた。
よろめきながら前に倒れ込んだ彼女は、あまりの突然の出来事に思わず転倒してしまった。膝を床に打ち付け、歯を食いしばると、唇からよだれが溢れ出した。
「どうしたんだ?俺を殴れないのか?」
「この野郎…」
「私を捕まえたい? なら、それなりの実力を見せつけなきゃダメよ、セニョリータ。」
彼の全身は、炎の下で溶けるろうそくの蝋のように、次第に消えていった。
全身が締め付けられるような感覚に襲われ、ルークは右手を額に当てた。手のひらを目の上に押し当て、視線を玄関の方に向けると、すでに大きな穴が開き始めていることに気づいた。額をこすりながら、苛立ちで体をこするしかなかった。
「ショーン…なぜ今なんだ…」
彼らは足を引きずりながら作業に向かい、ブーツは古い木材に食い込んだ。朝食も摂らず、街の地理も把握していないまま、彼らはショーンを探し出さなければならなかった。
たとえ観客が集まったとしても。
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(リバティ二十九、五十九 / 午前7時28分)
「そろそろ出発するべきじゃないか?」
「そうすることもできたのですが、ボリス首相からその場にとどまるようにと明確に指示されました。理由は分かりませんが、とにかくそう言われたんです。」
「素晴らしい…」
ガソリンスタンドの端の方に車を停め、二人は給油と発車を繰り返している多くのクラシックカーをそっと眺めた。スタンとジャックはそれぞれの車に軽く会釈をしながら、その独特な光景をじっくりと堪能するかのように、一日の予定をこなしていった。
バンに向かって歩いていくと、フレッド、ゲイリー、ディエゴの3人は、お菓子の箱を山積みにして運んでいた。彼らはそれらをバンの奥まで運んでいった。しかし、5人とも汗だくで、太陽が顔を照りつけ始めていた。
「六年間をチームリーダーそれは本当に体に何らかの影響を与えるんです。」
「あの暖かい夏が恋しくなるだろうな…しばらくはサタンの陰嚢と付き合っていかなきゃならないみたいだ。」
「でも、マイルズのことを想像してみて。彼はツンドラの近くで育ったんだけど、そこはまるで冷凍庫みたいだったって言ってたよ。」
「ああ、彼はここを嫌うだろうな…」
二人が会話を終えたちょうどその時、スタンは右の方に目をやった。眉をひそめながら、彼は大勢の人々が早足で歩いているのに気づいた。
まるで見てはいけないものを見てしまったかのように、彼らの足音は倍になり、人数は3倍になった。この奇妙な行動に気づいた他の市民たちもそれに倣い、彼らは羊の群れの中に溶け込んでいった。
「何かがおかしい…」
「あなたが教えて。」
フレッド、ゲイリー、ディエゴは残りの箱を降ろしながら、不安げな群衆の方を向いた。
一方、ジャックはどこかの建物に目を凝らし、視線をある窓に釘付けにしていた。両手は体の横で痺れ、まるで暗い窓に催眠術をかけられたかのようだった。
「おい、ジャック?ルークたちが通った道を覚えているか?」とスタンは尋ねた。
「ええと…おそらくみんなが逃げ出している場所でしょうね。」
「もしかしたら罠かも…」とフレッドはつぶやいた。
彼は顎に手を当て、指で古い角質をこそぎ落とした。
政府は可能であれば、彼らを一人ずつ引き離そうとするだろう。しかし、彼らが二つの大きな集団に分かれているため、一人ずつ引き離すのは容易ではない。彼らが一緒にいるか否かにかかわらず、政府がどのような手段を取るにせよ、それは静かに処理されるだろう。
「そうは思わないね。もし俺たちの行き先を知っていたら、とっくに襲撃してきていただろう。」
「彼らはあなたにそう思わせたいんです。政府は時に怪しいことをするものです。」
「フレッドの言うことは一理ある。彼らはただ騒ぎを起こしたいだけじゃないんだ。彼らが何て言ってたか知ってるだろ?彼らは人生を…もっと陽気なものにしたいんだ…」
「つまり、彼らは完全に秘密主義でありたいということだ…。’
彼は両手を腰に当てていたが、そのまま両手を体の横に下ろし、指を鳴らした。群衆の方に目を向けると、彼らが走り去っていくのが見えたので、彼は右手の指を鳴らした。
つま先がピクピクと痙攣しているような感覚があり、全力疾走時のアドレナリンが体中を駆け巡っていた。
「ちくしょう…もういいや…」
真剣な雰囲気の中、けたたましい着信音が鳴り響いた。
四人全員がジャックの方を振り向いた。彼のジャケットは折りたたみ式携帯電話の着信音で振動していた。英語ではなく日本語だったにもかかわらず、彼の声は4人の中で最も独特なトーンだった。歌のメロディーが流れると、歌詞が全員の耳に心地よく響いた。
彼はポケットから折りたたみ式携帯電話を取り出し、スピーカーを耳に当てた。
「こんにちは?」
「みんなはどこにいるんだ?」
「虹の端の下で、ヤギのミルクと一緒にラッキーチャームを食べる。」
「えっ、何だって!?」
「それは皮肉だよ、デブ…いや、忘れろ。お前の命令で、ガソリンスタンドの近くで待ってるぞ。」
ジャックは言葉が詰まるのを感じたが、だからといって話すのをやめるつもりはなかった。電話を握りしめると、わずかな力で金属がかすかに軋んだ。彼はスタンや他の者たちが影のように後ろに控えていることなど全く気に留めなかった。
「ルークはどこだ?」
「ルナに安い朝食をご馳走してあげたの。だって、お腹が空くと本当に機嫌が悪くなるんだもの。」
「彼らはダウンタウン近くの古いダイナーに行ったの?」
ジャックは、騒ぎから逃げ惑う群衆に目を向けた。無表情のまま、頬が垂れ下がるのを感じながら、再び耳を澄ませた。
「おそらく。」
「じゃあ今すぐ奴らを追え!奴らは君の昔の仲間の一人と遭遇するだろう!」
「待って、まさか――」




