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最強女勇者と魔王城に攻め込んだらロリ魔王とロリアラクネが可愛くてそのまま魔王城でスローライフ  作者: 焼肉一番


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魔王城の夜

「うわぁぁん! やっと俺の仕事が見つかったと思ったのにぃ~! パイは井戸掘りとかで頑張ってるんだから俺の仕事取らないでよぉ!」


「あら、あんたそんな事考えてたんだ?」


 リーンが意外そうにテオに振り返る。


「そりゃ考えますよ……。ただでさえ戦士としても役に立ってないんだから」


「大丈夫、田舎暮らしのあんたにピッタリの役目があるわ!」


「えっ?! 何ですか?!」


「まぁ今日はもう休みましょう。ティモシーが食事を運ぶのを手伝ってやって。食事が済んだらそれぞれ寝室に決めた部屋を案内してちょうだい。あたしが光魔法で部屋中殺菌してあげるわ」


 どうやらリーン以外もそれぞれ自分の好きな部屋を選んだようだった。


「僕は研究室で寝ます! 勇者城に居ると夜はちゃんと寝なさいとか言う大人が多いから最高です。光魔法の殺菌も要りません。何か光に弱い薬品とかあったら嫌ですから」


 シュリが嬉々としてそう言ったが、これからは自分が注意しようとテオは思った。時々様子を見に行かねば。


「私は断固パイコの隣が良いのですが……どうにも照れてしまって仕方ないので同じ二階の端っこに決めました。魔王城の中ではまぁまぁの日当たりですかね」


「ぷい……」


 つまり地下にシュリ、一階はみんなのリビング、二階がティモシーとパイ、四階がリーンなので皆見事にバラバラになった様だ。


「俺はルビィと同じ部屋にしたよ。三階の衣裳部屋を少し改装しようと思って……」


「は?!」


 それを聞いたリーンがギョッとしてテオを見た。


「あららら……」


 シュリは面白そうに口元を隠してテオとリーンを交互に見ている。


「ルビィはまだ小さいしね」


「いやいくらなんでも……!」


 リーンが反対意見を言おうと口を開くと、ルビィはキュッとテオの腕にしがみついて上目遣いだ。


「はは、大丈夫だよ、もう怖い事ないからね」


 そうしてテオに優しく頭を撫でられるとうっとりと目を閉じ、そしてあろうことか、リーンをチラリと横目で見るとニヤリと口元を歪めた。


「こいつ……! 言葉もおぼつかなかったのにこの短時間でめちゃくちゃ成長してる……!」


 カッとなるリーン。


「テオ! こいつはあんたが思ってる程子供じゃない! あたしに物凄い勢いで襲い掛かって来た事忘れた?! あれが普通の小さな女の子?! 怖いも何もないでしょーよ! ちゃんと自分の部屋を……!」


「ふぇぇぇん、テオ……」


「あーよしよし、リーン大人げないじゃないか、厳しいけど動物や子供には優しい人だろう? きっとルビィは不思議な力を宿しているからここに監禁されたんだ。特別だから! だとすれば一歩間違えてたらリーンだって同じ目に合ってたかもしれないんだよ? そんな風に考えたら俺、ルビィにはもう絶対怖い思いさせたくないんだ。この子はリーンなんだよ」


「いやそれは違……!」


「あはは勇者さま、ジェラシーですかぁ?」


「何であたしがっっ!」


 シュリに言われたくない事を言われてますます頭に血がのぼったが、これ以上付き合ったら本当に妬いていると思われるのではとリーンは言葉を飲み込んだ。


「あーもーいつまで経っても食事になんない。勝手にすれば? 食べたらすぐ寝て! 明日は全員きりきり働くわよ!」


 ティモシーの用意してくれた食事は正直味気ないものだったが贅沢は言っていられない。今後豊かな食卓に出来るかどうかは自分たちの頑張り次第だ。それに、ルビィには十分な食事だった様である。


「お腹、いっぱい」


 食事を終えそれぞれの部屋へ引き上げると、結局二人は監禁部屋で使われていた畳を三枚運び入れてそこへ寝転がっていた。毛布代わりに衣裳部屋の衣装を贅沢に掛けている。


「良かった。それにしても高い天井だね」


 所狭しと置かれたハンガーポールにハンガーラック。その隙間から見える天井は随分遠い。少しだけ不思議な風景だ。


「今日起きた時は、夜誰かと一緒に寝てるなんて思わなかった」


「ははっ、俺も」


「テオ……もうちょっとくっついて寝て良い?」


「寒い?」


「寒くない」


「良いよ、おいで」


 優しく言われて、ルビィはテオが毛布代わりにしているコートに潜り込んだ。


「えへへっ」


 テオの体温を感じて安心したのか、ルビィはそれからすぐに寝てしまった。疲れていたのだろう。当然だ。

 それにしても、本当にこのまま魔王城で暮らして良いのかとテオは思う。誰も帰る理由がない。それはそうだが……本当はルビィだってもっと広い世界を見たいのではないか。

 ああ、こんな事を考えてしまっては眠れなくなってしまう、そう心配したのも束の間、疲れているのはテオも同じであった。泥のように眠るとはこの事だ。

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