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最強女勇者と魔王城に攻め込んだらロリ魔王とロリアラクネが可愛くてそのまま魔王城でスローライフ  作者: 焼肉一番


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飲み水問題とお風呂問題

「日も当たらないし湿気も多いし、ネズミやカビ菌の方が快適なんじゃないかな」


「僕は日に当たらなくても良いですけどね~。ただ食料とかはどうします?」


「さっきざーっと魔王城の周りを調べて来たけど、まぁまぁ自由に出来る敷地はあって、食料になる植物や果物のなる木もあったわよ。人間が食べられるかどうかは分からないけどその辺は調べられるわよね? シュリ」


「もちろん。調べなくても見た事のあるものなら食べて良いかくらいは分かります」


「じゃ~まずやる事は……水源が見当たらなかったわね。早急に井戸を掘るわよ」


「井戸掘り?!」


「そ! 力に自信のある奴だけ手伝ってちょうだい! 非力な奴は魔王城の掃除! あたし不潔なのって嫌いなの!」


 そう言ってリーンは来た時と同じように、パッと壁の穴から外へ飛び出してしまう。井戸と並行して壁の修復も行った方が良さそうだがかなり後回しになりそうだ。


「力に自信はないけど手伝いますよー!」


 テオが続こうと階段を降りるとルビィもパイも、ティモシーも付いてくる。パイは凄く嫌そうな顔で「ぷい」と言った。きっと大量の怨言が含まれているのだろう。


「え? 掃除僕だけ? 余裕でサボろうっと!」


 一人きりになって寂しがるどころか、シュリはそう言って地下室へ駆け出す。


 最短ルートで庭へ出たリーンに追い付くと、リーンはすでに適当なところに木の棒で円を描いていた。


「飲み水は一番の問題だからね。ちゃんと飲めるのが出てくれれば良いけど、出なかったら魔王城スローライフ計画も早々に頓挫よ」


「だけど……道具もなしにどうやって掘るんですか?」


「力に自信のある奴が来てって言った筈だけど?」


「まさか素手で?!」


 自分の握力の限界を知っているテオはリーンの期待に応えられない自分を想像して眉を下げる。だがテオでなくとも素手で井戸を掘るのに自信のある人間もいまい。


「うーん、とりあえずあたしが掘るからあんた達は掘り起こした土を運んでよ」


 リーンはそう言うと剣を抜いて、描いた円を目掛けて高速で振り回す。すると土が削られて四方八方に勢い良く吹き飛んだ。


「うわぁぁ何て力技……!」


「戦闘以外でも頼もしいですね」


「ぷみっ?!」


 飛んで来た土の中に少しばかり大きめの石が混じっていて、それが頭に当たったパイが小さな悲鳴を上げた。するとティモシーすかさず呪文を詠唱したかと思うと、傘のような結界を作りパイをを守った。


「ひぽ? ひぽーっ!」


 自分の真上に浮かんで動いても付いてくる結界に警戒してパイは逃げ惑った。


「パイコの魔力に反応して自動で動くようにしたんだ。味方だから逃げないでくれ」


「ぷいっ!」


 だがティモシーの愛情は虚しくパイの糸で破壊されてしまう。


「受け入れられてないですよティモシー様。今の俺にも付けてもらえませんか? 働くので」


「照れ屋さんめ……」 


 ティモシー曰く照れ屋さんなパイが飛び散る土の雨を潜り抜けてリーンに近付いた。そしてリーンの肩をトントンと叩く。


「何よ?」


「すぱ!」


 ルビィの通訳がなくても、なんとなく代われと言われているような気がしてリーンが代わると、パイはお尻から出した糸をドリルの様に捩じり、それを使ってどんどん掘り進めるではないか。

 おおーっとその場にいた全員が感嘆の声を漏らす。


「凄いじゃない! これなら深くても同じペースで掘れるわ! それに土が飛び散る事もなさそうね」


「さすが私のパイコ!」


「ぷい!」


「じゃー俺たちは脇に溜まった土を運びます。探索していた時大きめの桶とか見つけたから取ってきますね!」


 テオが魔王城に駆け出すとルビィも追い駆けて来る。


「待ってても良いんだよ? 休んでても良いし」


 ルビィは首をふるふる横に振って言った。


「テオと居る。ルビィはテオの盾!」


「はは、それ気に入ったの? 俺は何だか恥ずかしいんだけどな」


「ルビィはテオの盾!」


 随分と懐かれたものだが悪い気はしない。

 こうしてパイが掘削し、周りの土をテオとティモシーが運ぶ布陣が出来上がった。リーンは任せると言って魔王城に戻り、ルビィはと言えばただテオの傍に居るだけである。

 そして二時間ばかり経っただろうか……。


「パイ、一回休もう。君は平気そうだけど俺たちヘトヘトだよ」


「すぱ~?」


 テオにそう言われて、パイは威力を上げた。両脇に土が溜まるスピードが上がってしまう。


「うわわ! イマイチ意思の疎通が出来ないな!」


「うむ、そうなのだ」


「いやティモシー様の気持ちは伝わってると思うしそれを嫌がってるってのも分かりますけどね?」


「パイコ、休憩だ」


「ぷい!」


 もう一度ティモシーが声を掛けてみるがやはりパイは止まらなかった。そして「ぷい」は否定的な意味を持つのだろうと何となくテオにも分かって来た。


「ルビィ、パイにもう止めてって言ってくれる?」


 テオがそう言った時だった。


 ぶしゃああああ……! 


 と、圧倒的な勢いで穴から大量の水が吹き出した!


「でっ……出たぁ!!」


「むっ?! しかしこれは……!」


 その水と共に湯気が立ち込め、辺りはあっという間に真っ白になってしまったではないか。そう、これは……。


「温泉だーっ!!!」


 水柱に気付いたリーンが二階の穴から顔を出す。後ろにはシュリも居て、どうやら掃除をやらされていた様だ。


「何なのー?! この湯気はー?!」


「ごめんなさーい! 温泉が出ちゃいましたぁー!」


「温泉~~?!」 


 水柱が轟々と音を立てるのでそれに負けぬよう叫び合う二人。それに限界を感じたリーンが結局また飛び降りて温泉をチェックした。


「はぁ……、確かに温泉だわね」


 顔に飛び掛かる飛沫が熱いくらいである。


「でもこれはこれで良かったじゃないですか。いちいちお風呂を沸かそうと思ったら手間ですし、そもそも魔王城内に浴室があるかも分からないし! いっぱい汲んでストックしておけば常温になります」


「そうね。でも入浴用の温泉と飲料用の温泉が同じじゃマズいから、ここから引っ張って浴場と貯水槽に別けるような設備に整えなきゃ」


「ぺる!」


 リーンの言葉は理解するのか、この作業が嫌いではなさそうなパイが元気に返事をした。

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