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最強女勇者と魔王城に攻め込んだらロリ魔王とロリアラクネが可愛くてそのまま魔王城でスローライフ  作者: 焼肉一番


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ブレイズオーブの消失

「うーん、様子がおかしかったから気にはしてたんだけど……寝ちゃった☆」


「俺も!」


「僕は子供だから仕方ないとして二人とも薄情ですね」


「心外。言っとくけど悪はティモシーよ? ブレイズオーブがなくなってるわ」


「えっ?!」


 ティモシーだけではなく、リーンが首から下げてたブレイズオーブまでもがなくなってるではないか。


「ちょっと勇者さま! 首から下げてたの取られてもまだ寝てるなんてちょっとおかしいんじゃないですかぁ?!」


「やめろシュリ! いつもリーンを起こしに行くのに一緒だったから分かるだろ?! 扉を開けて何も物が飛んでこない時は熟睡パターン。リーンは絶対に自分から起きようと思わない限り人に起こされる事なんかないんだよ!」


「そうだった! ちもしーさまもそれを知ってる!」


「まぁあいつは神官だし、そこらの人間より魔力も豊富でしょうからブレイズオーブも使えるものね」


 自分の寝起きの悪さを自覚しているリーンは特に悪びれる様子もなくそう言った。


「でも何故勝手に一人で向かったんでしょう?」


「ずいぶん何かに駆り立てられている様に見えたけど……」


「はい、居ても立っても居られないみたいな感じでした」


「向かった先が魔王城なのかどうかも分からないけど、とりあえずあたし達は進むしかないわよ。ブレイズオーブないから覚悟してね」


「うへぇ~~~」


「なるべく戦闘は避けていきましょう」


 そうは言ってもここはファズムの向こう。戦闘は避けては通れない。ティモシーの居なくなった穴を埋めながらの戦闘はなかなかに骨が折れた。


「しんどかったら帰っても良いわよ」


 リーンがけろりとした顔でそう言った。嫌味ではなく、本当にそうした方が良いと思ったからだ。


「帰ると思います?!」


「あんたは平気でもシュリが……」


 勇ましく返事をしたテオだったが、シュリはまだ幼い。それにシュリの補助魔法がなければテオもここまでは戦えない。もしシュリを帰すならテオも帰る事になるだろう。


「あれれ、僕さすがに足手まとい扱いは嫌ですよ」


 二人の視線に気付いてシュリは懐から何やら取り出した。


「どうせ帰るって話しになるならその前にこれを試してみましょう」


「何なの? それ」


「毛髪に含まれている勇者の魔力を増幅して引き出す事が出来ればなーと思って研究してたやつです。試作品ですけど」


「いやいくらなんでも自分の毛髪に魔力感じた事ないわよ。含まれていたにしても超超微量なんじゃ……」


 ボンッッ!!


「うえぇっ?!」


 シュリの人差し指と親指で抓める程度の大きさのそれは、ひょいと放り投げた先であり得ない威力の大爆発を起こした。爆発で生じた爆風がこちらまで跳ね返り、土埃を上げてテオ達を襲い、三人はしばらく咳込む事になってしまった。


「げほっ! え~っと……これは~……成功?」


「げほげほっ……この威力を想定していたなら成功だけど……俺達までダメージ受けちゃってるから微妙じゃない?」


「はぁ、あたしの攻撃魔法と同等の威力がありそうね。でも正確に狙えないと言うか、威力が爆発して四方八方へ飛び散るのが問題だわ。でも……うまくすれば使えそうね」


 そう言ってリーンは不敵に笑った。どうやらうまい使い方を思い付いたらしい。


 ドドドドド……!


 巨大な爆発がどんどん魔王城に近付いて行ってるのが遠くから見たら良く分かった事だろう。

リーンは結界魔法で自分達を守り、テオはシュリを背負い、シュリは例の玉を四方八方に投げ続けていた。


「残りリーン爆弾は八つです」


「そのネーミングやめてよ!」


「八つもあれば魔王城まで戦闘回避して行けちゃいそうですね! さすが天才魔術師だよシュリ! そんな秘密道具を持ってたなんて!」


「魔術師と言うより科学者って感じだけど……ま! 結果オーライなら何でも良いわね! ほら! 見えて来たわよぉ~!」


 リーンが勇ましく前方を指し示すと、そこには魔王城と思しき城が見えて来た。リーンは変わらぬ表情だがさすがに独特の雰囲気がある。


「この辺で爆弾はやめよ。正面から突っ込んでも良いけど、ティモシーが今どんな状況か分からないから一応忍び込むわ」


 リーンの指示通り、なるべく派手な戦い方を避けて魔王城へ近付く。いよいよそれの全貌が見えて来た。魔王城の正門にはおあつらえ向きと言った感じの魔物が番をしている様だ。


「爆弾は?」


「はい?」


「リーン爆弾よっ!」


「ああ、リーン爆弾はラスト一個です」


「そのアイテム、仕組みはどうなってるの?」


「はい?」


「リーン爆弾の仕組みよっ!」


 シュリの単なる意地悪か、作り出したもののネーミングにこだわりがあるのか、シュリは断固リーン爆弾と言う名前で押し通す。


「投げる瞬間にちょっこっと魔力を流し込んで、その魔力に反応する前に投げるって感じです」


「まんま爆弾と同じ仕組みってわけね。貸して」


 最後の一つを受け取り、リーンは大きく振りかぶってリーン爆弾を投げた。それは剛速球となって正門まで飛んで行くと、見事なタイミングで大爆発を起こした。


「うわ?!」


 リーンも驚く程の威力で正門を破壊。門番をはじめ、この奇襲の元を探しに大勢の魔族が魔王城から飛び出て来た。


「一体どれだけ魔力を込めたんですか?!」


「魔力はきっかけに過ぎないと思ったのよ! 威力が左右されるなんて……って、良いから行くわよ! 魔王城の後ろに回り込むわ!」


 魔族たちは当然爆弾が飛んで来た方向を警戒している。このタイミングなら簡単に魔王城の裏手に回り込む事が出来そうだ。


「フィジカルは魔物の方が圧倒的でも、思考回路はやっぱり単純みたいね! 楽勝楽勝♪」


 三人はまんまと魔王城の裏手に回り、侵入出来そうな扉発見した。


「ティモシー様はブレイズオーブを使って魔王城の中へ侵入したんでしょうか? 我々はどうしますか?」


 ブレイズオーブの一番の効能としては魔王城の結界を弱める事が出来るという部分だ。正確には結界を打ち消せるオーラを自身に纏わせる。


「省エネの為だって言ったでしょ? 別にこの結界ごと消しちゃっても良いんだけど、結界が消えたらわざわざ後ろへ回り込んだ意味がないわ。どうにか結界を残したまま中に入れないかしら」


「あ、リーン、上を見て下さい。魔王城の結界、満遍なく城を覆っているわけではなさそうです」


「え?」


 魔王城の結界は目視出来ないものと思っていたが、どうやらそうではないらしい。いくつかある塔の一ヵ所に、明らかに結界がない窓がある。そこだけ色味が違うのだ。あそこが破れていなければ魔王城が結界に包まれていることすら分からない様な繊細な結界だった。

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