第十九話 ちゃっかり王女、ソフィーリア
神々と談笑を楽しんでいた優之介、斬波、葵の三人だったが、もうお別れの時間が来てしまったらしい。
「ふむ、そろそろ別れの時のようじゃな。また会おう、ユウノスケ、シバ、アオイよ。スマホでやり取りができるとは言え、教会に顔を出しに来てくれると儂も嬉しいぞ」
「はい、その時にはお祈りに来ます!」
「アオイちゃんも頑張れ~♪」
「アオイちゃんならきっと出来るわよ~♪」
「が、頑張る……///」
「おうシバ、画期的な製品をありがとうよ!」
「あれくらいで良ければ力になるぞ♪」
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三人はそれぞれ別れを告げると、気づけば祭壇の前で膝をついていた。神父からは全員同じタイミングで目を開けた様に見えたのか、三人の様子を特に気にする素振りを見せるわけでもなく、笑顔で皆に話しかける。
「皆様、清き良き祈りでした。オムニア様をはじめ、九神の御加護が皆様にあらんことを……」
「さぁ、それでは皆様、お祈りは済みましたので失礼しましょうか」
「はい、殿下」
ソフィーリアはそう言うと、祭壇に背を向けてすたすたと教会を出て行った。他の皆も後に続いて出て行く。しかし、優之介と斬波と葵の三人はまだその場に留まっていた。
「なんだか不思議な感覚だったわ……」
葵はジュノンからもらったスマートホンを片手にそう呟いた。
「俺達も最初はそんな感じでしたよ」
「じゃ、俺らも外に出るか」
「え、えぇ……」
そう言い残して優之介と斬波は出て行く。葵も野郎二人の背中を追うようにその場を後にした。
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教会で礼拝を終えた一行はガリアス工房に足を運んでいた。ガリアス工房にたどり着くと工房主であるガリアスが出迎えてくれ、優之介に戦果を聞いてきた。
「おうおめぇらか! どうだったよ?」
「ミスリルとオリハルコンをゲットしました♪」
「おぉ! マジか、そいつはすげぇな!!」
ミスリルとオリハルコンを入手した事をガリアスに伝えると、ガリアスは素直に驚いていた。更に優之介がオリハルコンと言ったからなのか、奥からガリアスの弟子と思わしき人達がころころと出てきた。
「オリハルコンだって!?」「すげぇ!」「見せてくれ!!」
「あぁ? なんだおめぇら仕事はどうした?」
「だ、大丈夫っすよ親方、きちんと終わってます!」
工房の奥から出てきた人達は予想通りガリアスの弟子だった。弟子達はオリハルコン見たさに優之介に群がり、優之介は暑苦しさに苦笑いだが悪い気分ではなかった。
「悪ぃなユウノスケ」
「いえいえ、何か立て込んでたんですか?」
「そっちの王女様からの仕事を片付けてたんだ」
ガリアスは一行が工房に来る前に、ソフィーリアから頼まれた仕事を片付けていたようだ。仕事を頼んだソフィーリアは「お早いですわね♪」と喜んでいるようだが、彼女が頼んだ仕事の内容を知らない優之介はソフィーリアに何を依頼したのか質問した。
「え、いつの間にか何か頼んでたの?」
「はい、私達がティユールに来るまでに乗った馬車に、ベアリングとステアリング・タイロッドとサスペンションを取り付けてもらうよう、お願いしておいたのです♪」
どうやらソフィーリアはダンジョンに潜る前にこっそり注文したらしい。王女様からの注文とあらばガリアス工房は急ピッチで仕事に取り掛かり、たった今動作の最終確認を終えたところだそうだ。よく見ると彼らの表情に若干の疲れが見える、なかなか忙しかったようだ。
「これで帰りの馬車はより快適なものなること間違いなしですし、この馬車をお父様にも体験して頂ければ、きっと規格の制定も上手く行くと思いますわ♪」
「そう言うこった、注目を受けてから急ピッチで仕上げては今の今まで念入りに検査してたんだ」
「そっか、じゃあ俺の剣はまた後日「いや待て」」
忙しく働いてたガリアスに遠慮して優之介が日を改めようとするが、ガリアスが待ったをかけた。何故だろうと思った優之介はガリアスを顔をふと見てみると、ガリアスの目がぎらついている事がわかった。
「そのミスリルとオリハルコンで剣を打って欲しいんだろ?」
「え、あぁ、そうですけど……大丈夫なんですか?」
「よし、今すぐ打ってやる! いや、打たせてくれい! オリハルコンを打つなんざなかなかできねぇからな、ここで打たなきゃ鍛冶職人の名が泣くぜ!!そぉらついてこい!!」
「え? ちょ、まぁぁ!?」
ガリアスは意気揚々と優之介の襟首を掴んで工房に引きずっていく、優之介は「待って待って!」と叫ぶが、ガリアスは全く聞く耳を持たない。弟子達が「親方ずるいっすよぉ~!!」と言いながらガリアスと優之介を追いかけていく光景を、一行は苦笑いで見送った。
「ユウノスケ様は男性にもモテるのですね♪」
「ソフィー様、あれはユウノスケさんと言うよりオリハルコンでは……?」
「でもまぁ、剣を作ってもらえそうで良かったじゃん♪」
「ミスリルとオリハルコンの剣、実に興味深い」
「そんじゃ、工房にお邪魔すっか……」
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