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野郎二人はフリーダムッ!?科学+魔法=オーバーキルな異世界生活   作者: 皇 竜胆
第八章 ティユールの街から始まる産業革命
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第十六話 VSメガタウロス~物理に干渉する魔法はだいたいチート~


「アニメを再現しようとして【超電磁砲(レールガン)】が出来るんなら、もう何でもできる気しかしねぇぜ!」

「ちょっと、また変な事しでかさないでしょうね!?ちゃんと自重してよ!!」


 葵は斬波が何をやらかす気なのかわからないので気が気でない状態だが、当の斬波はそんな事はお構いなしに次々と魔法のイメージを練り上げていく。


「空間を歪ませて地震を起こさせてみたり、特定の範囲内の時間の流れを止めてみたり……」

「そんな事ができるんですか?」

「咲良さんだったか、時間停止は難しいが地震はできそうだそ♪」

「咲良で大丈夫です。地震は止めたほうが……天井が落ちてきたら生きて帰れる気がしないです」

「む、それもそうだな……」


 台詞からしてとんでもない事をやらかす気だった斬波だが、咲良に指摘された事で実行は断念した。その様子を見ていた葵はホッと一安心したようだが、また斬波がしばらく考え込んだ後、今度は何も言わず直ぐに実行した。


「これなら大丈夫だろう♪」「ちょ!?」


 斬波は掌をメガタウロスに見せるように前に出し魔力を放出した。メガタウロスの様子は変わることなく、傍から見ても斬波が何をしているのか理解できない。代表してレミリアが斬波に質問した。


「あのぉ、お義兄さん? 一体何を……?」

「ふっふっふ、メガタウロスを見ていればわかるぞ♪」

「ふぇ……?」


 一行は斬波の言う通りメガタウロスを観察してみる。するとどうだろう、メガタウロスの動きが段々と鈍くなってきている事に気がついた。

 そして最終的にメガタウロスは全身を地に沈め、磔にされたかのように動かなくなってしまった。


「実験成功だな♪」

「なっ!?シバ、一体何をしたのだ!?」

「魔力を送ってメガタウロスを重くしたんだよ」

「状態異常魔法は存在しますが重くすると言う発送は珍しいですね。後学の為にどのようなイメージを練られたのか、教えていただいてもよろしいでしょうか?」

「あぁ、構わねぇよ」


 斬波はタマキに「重くする」魔法のイメージを教える。タマキだけでなく他の皆も聞き耳をたてているので結果全員に教えたことになるのだが……。

 斬波のイメージは「物体に掛かる重力と圧力をいじっただけ」と言うが、タマキは理解できずに眉をしかめている。レミリア、ソフィーリア、クラウディアも似たような表情でちょっと笑いそうになった斬波だが、どう言う原理かをきちんと教えてあげた。


「皆は”物の重さ”に疑問を持ったことはないか?」

「「ありません」」「ないな」「ありませんわ」

「物の重さ……シバ様はメガタウロスの体重を重くしたのですか?」

「いいや、メガタウロスの体重は変わっていない。いじったのは重力と圧力って言っただろ? 重力とは物体が地面に近寄っていく現象や、それを引き起こすとされる力。人々が日々、物を持った時に感じているいわゆる重さを作り出す原因となる力の事だ。例え話をしよう、とある男の子がジャンプをした、飛んで地面に着地する、この何気ない行動にも原理がある。常に重力が働いているからジャンプができるのだ。重力が働いていなければ男の子は空の彼方まで永遠に飛んで逝ってしまう」


 斬波が重力とは何かを説明すると、ソフィーリアが「高い場所から物が落ちるのも引っ張られているからなのですね?」と斬波に質問し、斬波はパチン! と指を鳴らして「That's right !!」と笑顔で答えた。

 すると今度はレミリアが「では圧力をいじったとはどう言う事ですか? 圧力って押さえつける力のことですよね?」と質問したのに対し、斬波は「俺達は常に空気に押さえつけられている。メガタウロスには大量の空気の下敷きになってもらった」とあっさり答えたので、レミリアは「ほえ~」と気の抜けたような返事を返してしまった。理解できているのかな?


「なるほど、今のメガタウロスは地面に引っ張られ、上から空気に押しつぶされている状態であると……」

「その通りだ♪」

「メガタウロスを相手にあれだけ通用するなら、人間にやれば圧死させることができそうですわね……」

「ソフィー、今私も全く同じ事を考えていたぞ……」


 タマキが「重くする」魔法のイメージを理解できたところで、斬波が「それじゃあメガタウロスに止めを刺そう♪」と遠足の引率みたいに言うので、なんだか気が抜けてしまった。


「BUHUUU……、BUHUUU……」

「メガタウロスが動けないでいる……」


 優之介がメガタウロスを剣でつついて確かめてみる。メガタウロスは白目を向けるだけでもう抵抗する力は残っていないようだ。 


「それで、どうやって止めを刺すのよ?」

「皆でメガタウロスの頭を狙って魔法を撃てばいいだろう」

「なんだか気が引けるけど……」

「葵、やんなきゃ殺られるのがこの異世界だよ」

 

 斬波は銃殺刑に似た方法を提案した。弱りきった相手を一方的に攻撃する事に若干の抵抗があった葵だが、結局、メガタウロスの頭を目掛け皆で一斉に魔法を放った事で、メガタウロスは断末魔を上げることなく絶命した。

 理音が「斬波君の魔法のせいで今までの戦いが無駄に感じる」とボヤく。彼女の言う事もわからんでもないが、白熱した戦闘の末に死んでしまっては元も子もないのでそこは我慢してもらいたい。


「何がともあれ、これでダンジョンクリアですね♪」

「ユウノスケ様、帰ったらお祝いしましょう♪」

「え、あ、うん。そうだね!」

「ダンジョンを攻略できたし、メガタウロスとの戦闘経験も得ることができた。今はこれでよしとしよう♪」

「メイドの私に限っては生きて出られただけでも僥倖です……」


 メガタウロスの倒し方はともかく、一行はダンジョンをクリアしたことに対して素直に喜びを分かち合うことにした。


アクセスありがとうございますm(_ _)m

更新が遅くなって申し訳ないです。

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