第十三話 ラスボスは牛の頭が特徴的なアイツ
「ねぇねぇ斬波君、私にも言って欲しいなぁ♪ 『そんな石ころよりも君の方が綺麗だ』って!」
「そこんじょそこらのいしころよりはきれいだよー」
「ぶぅ~ぜんぜんロマンチックを感じないし若干台詞違うし~! やり直し!!」
「るっせ、そう安安と言えるかボケ」
「ちぇー」
採掘&休憩を終えた一行は再びダンジョンクリアを目指して最下層へ進行中である。
道中、理音が斬波の事をからかうが、斬波はうざったそうにしているだけで特に理音に構うことはなかったので、理音はだんだんとからかいをエスカレートしていく。
「あんなキザな台詞を言うならとっとと葵とクラウを嫁にもらってやれ~! なんの為に○○コついてんだぁ~~!!」
「…………」「「「「「「………………///」」」」」」
「葵の気持ちに気付いてやれぇ~! このニブチンヘタレ野郎~!!葵は高校の頃からお前の事がす―「ちょっと理音もうやめようねぇ!!」」
「ふごふごぉー!!」
最早からかいではなく、普通に野次を飛ばすようになったところで葵が止めに入る。理音はまだ言いたいことがあるらしくモゴモゴと抵抗するが、優里音と春香も止めに入った事でようやく大人しくなった。
「斬波さん……ちょっとくらい構ってあげてもいいと思うんだけど…………」
「そうだな、ジェントルマンなら女性からの好意には誠意を持って返さないとな。それはそうと優之介、俺らはダンジョンの深層に突入したわけだが率直な感想どうよ?」
「モンスターが少なくなった分、強くなってるような気がする」
二十一階層に突入してから時間が経過し、どんどんと最下層へ近づくにつれ遭遇したモンスターはナーガやガーゴイル等、知能が高いだけでなく、戦闘も相手の動きを読んで回避行動を取る厄介なモンスターが増えてきた。しかし……。
「強くなったような気がするけど斬波さんの【死神が奏でる子守唄】がチートすぎて実感がわかない……」
「しゃあないだろ、本当なら俺が倒しても良いんだが、JDと芸能人のレベリングの為に生かさず殺さず弱らせなきゃなんねぇんだ。なら、眠らせるのが一番効率が良いというものよ」
斬波のチート魔法【死神が奏でる子守唄】で出現するモンスターを酸欠状態に陥れ、意識がなくなったところをジャパニーズガールズがズサズサと止めを刺す農作業ゲームと化してしまったので、緊張感が全然なくなってしまった。
「斬波きゅんのその魔法いいなぁ~、ただ単に眠らせるんじゃなくて酸欠状態にするんでしょ? 私もやってみようとするんだけどできないんだよねぇ~」
「私も試して見たのですが上手にできません、なんだか邪魔されている感覚がしてなりません」
「そりゃそうだな」
「なんでぇ?」
斬波は真っ直ぐ前を向きながら、自分だけ【死神が奏でる子守唄】が使えるのかを優里音と春香に話すついでに皆にも話した。
過去に【死神が振舞う最後の晩餐】を開発した時、言語と魔法の神ジュノンが使用を控えるように忠告してきたこと、【死神が振舞う最後の晩餐】と【死神が奏でる子守唄】は自分のステータス上では【空間魔法(禁忌)】と表示されていること等を話すと、イェクムオラム組は唾を飲み込み、ジャパニーズガールズは話の重要さが理解できていないのか、目が点になっていて反応に困っているようだった。
「ねぇ斬波、そのジュノンって神様が直接言ってきたの?」
「あぁ」
「神様っているの?」
「教会で祈りを捧げたら出てきたぞ」
「「「「「…………」」」」」
「スマホを貸してくれと泣きついてきたな。あ、もうあれから結構日数経ってるからスマホ返してもらわないとな。ダンジョンから出たら教会に行くか……」
「あ、すっかり忘れてた! 俺と斬波さんスマホ貸しっぱなしだ!!」
葵が斬波に神はいるのかを質問した。神に会ったどころかスマホを貸した斬波は当然「会った」と答えるが、現代日本人の感覚でいる葵にはどうしても信じがたい話だった。
葵の様子を見て、斬波は「じゃあ、ダンジョンが終わったら一緒に教会に行くか?」と葵に声をかけたら、葵は顔を真っ赤にしながら小さな声で「は、はぃ……///」と返事をしたら縮こまってしまった。ただ教会に行くだけなのにどうしたんだ? と思った斬波だが、この会話を後ろで聞いていた理音は「初デート教会はもう結婚エンドだわ~♪」とニヤニヤし、レミリアとソフィーリアは優之介の腕に絡みつき「「私達も一緒に行きましょう!!」」と元気な声で優之介を誘っている。
(あ、あぁ~なるほどそう言う事か……。気まず…………)
「結婚式の打ち合わせに行くわけじゃねぇんだぞ。それにダンジョン内で油断するな」
「ふぇ!?あ、うん……」
少し気が緩んでる葵達に斬波は喝を入れて再び歩き出す。斬波が喝を入れてからは一行は皆気を引き締め、道中で遭遇したモンスターを的確に倒しながら奥に奥に歩いて行くと、やがて二十階層のボス部屋へ続く扉よりも重厚な扉の前にたどり着いた。
どうやらここが三十階層のボス部屋らしい、皆の緊張が一気に高まる。しかし、一行は焦らず一旦休憩を挟み、戦闘準備を整えてから扉の奥に行く事にした。
「ここのダンジョンのラスボスはどんなモンスターですかね?」
「過去の記録ですと、ミノタウロス、アラクネ、アースドラゴンが出現したそうです。出現するモンスターの法則が定かではありません、お気をつけください」
タマキの情報を胸に一行は扉の奥へと足を踏み入れる。一体そこには何があるのか、それは誰もはっきりしたことは言えなかった。
――――――――――――――――――――
「BUMOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
「おいおい……」
「あれって……」
「牛の頭をした巨人だぁ……」
「牛頭鬼、いえ、ミノタウロスでしょうか?」
部屋の中心で一行を待ち構えていたのは雄牛の頭を持った巨人だった。
現代日本人なら一度は聞いたことがあるであろう、ポピュラーなモンスターの中に含まれるそのうちの一体、ミノタウロスが巨大な斧を片手に持ち咆哮を上げると、部屋全体が振動するような感覚に追われる。
「BUMOU!!」
「皆さん来ますよ!!」
ミノタウロスは長い咆哮を上げ終えると大斧を両手に持って一行を目掛けて突進して来た。ミノタウロスの突然の行動に戸惑う一行だが、相手は待ってくれない。
ダンジョン最深部での戦いはミノタウロスの先制攻撃で幕を開けた。
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