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野郎二人はフリーダムッ!?科学+魔法=オーバーキルな異世界生活   作者: 皇 竜胆
第八章 ティユールの街から始まる産業革命
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第十一話 クラウディアおこ


 優之介の【鑑定】スキルによる鑑定結果は次のように出た。


【リビングアーマー】

 肉体を失い、魂となっても鎧を身に纏い徘徊するアンデッド系モンスター。未練を残して死んだ騎士が成り果てることが多い。

 戦闘力は生前の状態のものが引き継がれるので、強かったり弱かったりと一定とした戦闘力は持っていない。

 ※補足、鑑定した個体の生前の名前はハンス・フォン・ワッケーロ。アースカイ王国の王国騎士で、クラウディア・フォン・ローゼンに想いを寄せていたがその恋は実らなかった。

 ハンスは自身の恋を実らせる為の鍛錬として、ダンジョンに潜り込んだがダンジョン内で死亡した。尚、死因は空腹による餓死であるため”せめて騎士として強い剣士と剣で戦って死にたい”と言う未練が残っている。


「…………」(気まずい、鑑定結果を正直に言うのは勇気がいるよぉ……)

「ん? どうしたのだユウノスケ、私の顔に何かついているか?」


 優之介が複雑な気持ちでクラウディアの横顔を見ていると、彼女は優之介の視線に気づき「どうしたのだ?」と尋ねた。

 優之介は鑑定結果を正直に言おうか迷ったが、正直に話すことにした。


「あの~クラウさんはハンス・フォン・ワッケーロと言う人物に心当たりはありませんか?」

「あぁ、あるぞ。確か私が十六の頃だったか……、私に縁談を申し込んだ伯爵家の嫡男だった男だ。その時も勿論、縁談の条件として武力と知力を示してもらったのだが、どちらも私に及ばなかったからきっぱり断った」

「へ、へぇ~……」

「ハンス・フォン・ワッケーロ様はクラウ様に完膚なきまでに叩きのめされましたが、強くなって出直すと仰られて以降、行方不明になっていましたが、まさか……」

「そのまさかですよタマキさん、あのリビングアーマーがそのハンスさんらしいです」

「「「…………」」」


 優之介がリビングアーマーの正体がハンスであることを教えると、クラウディアとタマキは額に手を当て空を仰ぎ、ソフィーリアはまぁ! と純粋に驚いていた。


「ハンスさんは空腹による餓死で亡くなったらしく、未練は『せめて騎士として強い剣士と剣で戦って死にたい』だそうです。魔法が効かない事に関係しますかね?」

「多少影響すると思いますが定かな事はわかりません。ですがアオイ様に対し執拗に剣を振り回していることから、未練は相当お強いと推測できます」

「はぁ……では何か? ハンス殿はここでずっとエリアボスをしていたのか?」

「リビングアーマーはリビングアーマーですからハンス様がずっと、と言うわけではないと思いますが……」


 クラウディアは眉をへの字に曲げ、呆れた表情でタマキに質問した。クラウディアが不機嫌なのは誰の目から見ても明白、だがタマキは近寄り難い雰囲気を放つクラウディアに淡々と答えた。


「おそらくそうかと、リビングアーマーは魂が浄化されたり、鎧が修復不可能レベルまで破損しない限りは行動を停止しませんから……」


 タマキはリビングアーマーを見つめ哀れむが、クラウディアは息を吸い込み「はぁ~……」と大きなため息を吐くと、キリッ表情を一変させリビングアーマーを鋭い眼光で睨みつけた。めっちゃ怖い。


「いずれにせよアースカイ王国の貴族が魔物に成り果てるなど、王国の顔に泥を塗ること他ならない! 責めてもの情けで私が直接葬ってくれよう!!」


 そしてクラウディアは殺気を放つと同時に、彼女自身の魔力で冷気を生み出し辺りを凍えさせた。銀髪碧眼の美人騎士が冷気を身に纏い、凛と佇むその姿は非常に画になるがとても寒い空間の中、誰もそんな呑気な事は言えなかった。

 そんな冷気と殺気のセットを肌で感じた野郎二人と葵以外のジャパニーズガールズ、レミリアと、フィーリア、タマキはぶるぶると身体を震わせながらクラウディアの行動を見守ることしかできなかった。


「―――!?」

「邪魔するぞ」


 クラウディアは殺気と冷気を放ちながら葵とリビングアーマーの間に割って入った。葵とリビングアーマーの両者は手を止め、クラウディアに視線を向ける。この時、一行の目には心なしか、リビングアーマーが怯えているように見えた。


「え、ちょ……クラウ!?」

「ハンス・フォン・ワッケーロ、貴様は伯爵家の嫡男でありながらこんな場所で何を遊んでいる?」

「―――――…………」


 クラウディアはリビングアーマーに向かって怒りだした。クラウディアの怒気にリビングアーマーはカチャカチャと震えだし、狼狽えるばかりで声を発せずにいられた。まぁ、肉体がないのだから声を発することはできないのは当然なのだが……。


「貴族男子なら潔く土に還らんかぁ!!」


―ズガァァァァァァァァァァン!!


 クラウディアはそう叫ぶと同時に剣を引き抜き上段の構えから一気に振り下ろした。彼女の放った一閃はリビングアーマーの肩から腰辺りまでバッサリと斬れてしまうが、リビングアーマーはまだ活動を停止していない。クラウディアに対し、攻めて一太刀を喰らわさんと剣を構えるが……。


「遅い!!」


―シュバッ! シュバババッ!!


 クラウディアが反撃の隙は与えまいと言わんばかりに追撃を加えるので、リビングアーマーは為すすべもなくあっという間にバラバラになってしまった。


「ふんっ!」

「クラウ……?」

「気にするなアオイ、このリビングアーマーは元々この国の貴族だった。アースカイ王国の貴族たる者常に正しくあるべきなのだが、よもや魔物になれ果てるなど私が許さなかった。ただそれだけだ」

「そ、そう……。それにしてもクラウ、貴女かなり強くなってない?」


 殺気が凄まじかったとは言え、自分が苦戦した相手を軽々と倒してみせたクラウディアに、葵はどのようにして強くなったのか彼女に質問してみた。クラウディアからの返答は予想通りと言った答えが返ってきた。


「シバと一緒に鍛錬に励んだからな、エルの大森林からここに来る最中はとても充実した毎日だった♪ 基礎的なトレーニングに魔法の訓練、魔力と体術の使い方、どれも素晴らしかった。特に”座禅”と言う精神を鍛える鍛錬はとても身になった。王城に帰ってからも騎士団の訓練メニューに取り入れようと思う♪」

「ふっう~~~ん…………」


 クラウディアの強さが底上げされている原因を知った葵は頬を膨らませて斬波を睨むが、当の斬波は寒さにぶるぶるしてるので葵には気付かなかった。

 そうこうしている内にリビングアーマーの残骸が消えドロップ品が出現すると、次の階層への道が開けた。

 

「さあ、ドロップ品を回収したら次の階層に向かうぞ!」


 こうして無事に二十階層のエリアボスを討伐した一行は次の階層へと進むのであった。しかし、へとへとのジャパニーズガールズと、寒がっている野郎二人とイェクムオラム組、そして少しテンションが高いクラウディアの団体行動は今ひとつ締まりがなかったが……。


アクセスありがとうございますm(_ _)m

最近、投稿はしておりませんが新しいお話を書いててこちらのペースが落ちています。申し訳ありません。

誤字脱字がありましたら報告お願いします。

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