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野郎二人はフリーダムッ!?科学+魔法=オーバーキルな異世界生活   作者: 皇 竜胆
第八章 ティユールの街から始まる産業革命
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第十話 リビングアーマー


「よぅし! ボス部屋にたどり着いたぞ!!」

「ここまで来るのに結構精神が疲れたよ……」

「私も……、もうアンデッドは懲り懲りです……」


 アンデッドの群れの中を突き進んで一行は二十階層のボス部屋の前にたどり着いた。

これからエリアボスと戦闘になることは確実なのだが、斬波以外の皆が疲れている様子なので扉の前で休息を取っているところだ。

 特に優之介とジャパニーズガールズにとっては精神的にキツかったのか、しばらくの間喉が飲み物を受け付けなかった程だ。


「十一階層から遭遇したモンスターは殆どアンデッドや爬虫類系統だったな、ドロップ品もなんか禍々しいのばっかりで鉱石が落ちてこねぇな……。ん? と、なるとボスもアンデッドになるのか?」

「シバ様、二十階層のエリアボスはリビングアーマーかと思われます。過去にも報告が上がっておりますので間違いないかと」

「「「うぇ~~~…………」」」

「よく調べてるな……」

「恐縮です」


 斬波がエリアボスはどんなモンスターかを考えていると、タマキがリビングアーマーだと教えてくれたが、彼女の情報を聞いた優之介はがっくりと肩を落とし、四つん這いになってうなだれる。


「結局アンデッドやん……」

「あれだろ? 中身がない甲冑だろ? 血肉を撒き散らすゾンビやグールよりマシだと思うが?」

「よく知っているな、お前たちの世界にもいたのか?」

「いねぇよ」「いないです」「いないわよそんなの……」

「…………?」


 斬波の言う通り、リビングアーマーとはアンデッド系モンスターに分類され、外見は甲冑を来た人間に見えるが甲冑の中身は空っぽで、実は幽霊が甲冑に憑依して操っているのではないかと考えられている、あまり掴みどころのわからないモンスターだ。

 クラウディアは斬波の博識さに感心しながらも、自分が居た世界に存在していない存在の特徴を何故知っているのかと疑問に思ったが、この場では追求しなかった。

 ある程度の時間が経過して皆が落ち着きを取り戻したところで、いよいよ一行は二十階層のエリアボスに挑むことにした。 


「それじゃあ行くぞ!」

「「「「「おう!(はい!)」」」」」


 斬波の掛け声と共にボス部屋への扉は開かれ、一行は中に足を踏み入れた。扉の向こうにいるエリアボスはタマキ曰くリビングアーマーらしいが、リビングアーマーの細かい情報がないため、一行に緊張と不安が走る。



――――――――――――――――――――



「…………」

「あれがリビングアーマー?」

「わぁ、かっこいい♪」

「なんか威厳を感じますね……」

「風格が出てるわねぇ」


 一行がボス部屋に入るとそこは広々とした空間が広がっていて、空間の中心には二メートルくらいの甲冑が剣を地面に突き刺し静かに立っていた。

 理音や優里音達がそれぞれ感想を呑気に言っているが、目の前にある甲冑はこれから自分達を殺しにかかる敵であると言う事を忘れてはならない。

 優里音達がやんやと喋っているとリビングアーマーが動き出した。


―ガシャン! ガシャン!!


「「ひゃあああ!!」」

「優里音、春香! そこ退いて!!」


―ガキィィィン!!


 リビングアーマーは突然動き出したかと思うと、優里音と春香を目掛けて剣を振り下ろしてきた。すかさず葵は剣を引き抜き、リビングアーマーの剣を受け止めたので二人に怪我がなかったのは幸いだ。


―キィィン……


「貴方の相手は私よ!!」

「…………」


 葵はリビングアーマーの剣を強引に振り払うと、リビングアーマーをキッと睨みつけた。葵に睨まれたリビングアーマーも葵を睨み返すかのように顔を葵に向けしばらく睨み合うと、両者前に踏み出ては激しい剣戟を繰り広げた。


―ブンッ! キィン!!


「はっ! せいっ! そこぉ!!」


―ギィン! カァン!!


「葵、援護するよ! 【炎弾(ファイヤーバレット)】」


―ドォォォン!!


「…………」

「ちょ、シカト!?」


 理音が援護射撃に魔法を放ったがリビングアーマーはよろけることもなく、葵に向かって剣を振り続ける。


「【岩槍(ロックランス)】」「【氷槍(アイシクルランス)】」「【空気刃(エアカッター)】」


―ドゴォ! バリン! ズガガガガ!!


「…………」

「ダメだぁ~!」

「あの鎧硬すぎるわぁ……」


 優里音、春香、咲良も理音に続いて魔法による援護射撃を行うがリビングアーマーに対する効果はないみたいだ。

 

「葵さん!!」

「…………」


―ブォン!!


「まだまだぁ!!」


―カァァン!!


「ひゅ~♪ どっちもやるなぁ!」

「斬波さん、加勢に行かなくていいの?」


 ボス部屋に入る時は皆で立ち向かうみたいな空気で突入したのに、いざ戦いとなったらほぼ葵とリビングアーマーの一騎打ちになってしまった。

 理音、優里音、春香、咲良も中距離から魔法を放って援護するが、リビングアーマーは目の前の葵に集中していて周囲には目もくれない様子だ。


「いや優之介、ここで加勢なんて野暮な事言うんじゃねぇよ」

「シバの言う通りだぞユウノスケ、アオイもリビングアーマーも正面の敵に対し、真っ向勝負を挑んでいるんだ。そこに水を差すようでは騎士の名が廃れてしまう。それに、今加勢しても連携が取れなければ意味が無い」

「はぁ……」


 斬波とクラウディアはジャパニーズガールズVSリビングアーマーの戦いを遠くから観戦するようだ。レミリアは「いつでも参戦できるように準備だけしておきます!」と言って準備運動をしているが加勢しようとはせず、ソフィーリアはビクビクしながらタマキにしがみついてるのでお話にならない。タマキは「しがみつく相手が違います」と余裕の様子だがやはり動かず。まぁ十一人と言う大勢パーティ故か戦う人とそうでない人の温度差が激しいのは仕方ないのか、優之介も斬波とイェクムオラム組に釣られて加勢せずに見守ることを選択した。


「まぁ十階層のボスを譲ってもらったからこれでイーブンかな?」


 ジャパニーズガールズとリビングアーマーの戦いが始まって数分が経過するが、リビングアーマーが討伐される気配が見えない。それどころか振る剣に勢いが増しているような気がする。


「あのリビングアーマーはもっと強い敵と剣で戦いたかったのが未練だったのでしょうか? アオイさん相手に一心不乱ですね……」


 レミリアがぽつんとそんな事を言い出した。レミリアの言葉を聞いた優之介は「まさかぁ~」と受け流しつつも一理あるなと思ったので、リビングアーマーに未練がないかどうかを【鑑定】スキルで見てみることにした。


「これは……」


アクセスありがとうございますm(_ _)m

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