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野郎二人はフリーダムッ!?科学+魔法=オーバーキルな異世界生活   作者: 皇 竜胆
第九章 異世界貴族の事情なんて知らねぇよ!! 
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第五話 御利益をもっと身近に感じる物=神様の加護


「今度はちゃんと私も誘ってよね?」

「あ、あぁ……」「も、勿論だ……」


 買い出しから戻った斬波とクラウディアは葵に捕まり、説教を喰らったことで少しげんなりしてしまった。彼女の説教は斬波が「今度埋め合わせするから」と言ってなんとか凌いだが、どのような埋め合わせをしてあげようか、悩みの種が一つできてしまった。


「はぁ、意外と嫉妬心が強いな。今度はちゃんと葵も連れて行くか……」


 葵の説教から解放された斬波は部屋に戻って自分の魔法鞄をまさぐり、何やら漁り始めた。


「さて、晩飯の時間まで時間があるな。それじゃあ早速ヴァイオリンを作ってみるか♪」


 斬波はそう言うと部屋の床に敷物を敷いて、その上に世界樹の枝の一部と工具を並べて木工作業を始めた。ヴァイオリンを作ると言っているが果たして上手くいくのだろうか?


「しっかし、こっちの世界でもネットが見れるのは有難いねぇ、スマホ検索で図面が出てくるんだからよぉ♪」

 

 そう言って斬波は自分のスマートホンを立ち上げ、ヴァイオリンの図面を液晶画面に表示させた。実はジュノンに貸したスマートホンが返って来た時、彼女が「貸してくれたお礼♥」と言って現代日本と同等にスマホでネットサーフィンができるようにしてくれたのだ。更にバッテリーに魔力を電力に変換するようなギミックを取り込んだ為、充填切れの心配は皆無、バッテリー寿命が実質無限大となっている。女神様に貸したスマートホンがチートアイテムになって返って来たので、情報無双しようと思います。

 しかし、SNS等でこちらから地球側にメッセージを送るのはできないらしいが、それでも十分過ぎるお礼だった。

 斬波は早速スマートホンの画面を見ながらヴァイオリンの製作を開始し、黙々と作業に取り組んだ。そして製作が開始してから一時間半程経った時、斬波は自分の身体に変化が起きていることに気づいた。


「んんぅ? イメージ通りに加工ができる、できちまう……。本来ならもっと時間や手間がかかるはずなんだが……」

 

 世界樹の枝から板材を作り、更にそこからヴァイオリンの形になるようにムラなく手作業で削っていくのだが、板材がまるで紙粘土のように加工しやすいのだ。これだけ聞くと板材が柔らかいだけなのでは? と思うが、板材の強度は頑丈なのに斬波が特定の曲線に曲げようと思えば簡単に曲がり、工具で削る時も野菜の皮がむけるようにシュルシュルと削れるのだ。


「工具は街で買った普通のノミ数本とナイフだぞ? 切れ味が良過ぎる……」

『それは俺の加護を受けている影響だな』

「んぁ?」


 斬波が一人つぶやいているとスマートホンに一件の通知が舞い込んできた。通知にはお馴染みの「新着のメッセージが来ています」の文字が、メッセージの送り主は鍛冶神ウエルドだった。


「えーっと、ウエルドか?」

『あぁそうだ、ウエルドだ。俺の加護を受けていれば鍛冶だけじゃなく、加工技術全般が底上げされんだよ。異世界(イェクムオラム)に来てから次々と面白ぇもんを作るお前には俺が与えられる最高の加護を与えた、板材の加工が楽なのはその為だ』

「へぇ~、そういうのを俺が居た日本じゃ御利益って言うんだが、こんな感じかぁ~」


 斬波はこの後も一人で黙々と作業を続け、夕食の時間になる前にはヴァイオリン製作の八割を完了させてしまった。残す工程はニス塗りと仕上げとなった。本当ならばもう少し作業を進めたかったのだが、キリが良いタイミングで作業を切り上げ、優之介達と夕食をとる事にした。



――――――――――――――――――――


「正式な発表は明日に行いますが、我が国に工業規格を設けることが決定されました♪」

「「「おぉ~~っ!!」」」


 食事の席でソフィーリアが開口一番で新しくの工業規格を設けることが決定されたことを宣言した。ソフィーリアの言葉を聞いた優之介達日本人組とレミリアは歓声を上げて喜んだ。


「やはりベアリングがある馬車とない馬車とでは機動力に差が大きいのが明白でしたので、それが決め手となりました」

「お父様にもベアリングを見せたら大興奮していました♪ そして今回の契約の事を話したら更に興奮して私とユウノスケさんで抑えるのが大変でした……」

「泣きながら『娘をよろしくお願いします!』って言われたから返答に困ったなぁ……」


 優之介とレミリアがウラドのところに行ってた時の事を話すと皆苦笑いだったが、食事中の雰囲気は和やかだった。

 ただ一人、ソフィーリアを除いては……。


「レミィはいいですわねぇ、父親公認でユウノスケ様とお付き合いできるのですから……」

「ソフィー、親父さんには言ってねぇのか?」

「言いましたわ、そしたら父は『シバと一緒に居た輩か、これは後で話をする必要がありそうだ』と言っておりました」

「ひぇぇ……」


 皆が別行動をしていた時にソフィーリアはウェドモンドに彼女自身の想いを打ち明け、相談していたらしい。この時ウェドモンドは困ったような顔をして考え直すよう告げたのだが、ソフィーリアが「私の意志は変わりませんわ!」とはっきり言ってしまったので額に手を当てて悩んでいるのだとか。


「優之介君……ガンバ♪」

「葵さんェ……」


 この後も食事はしばらく続いたが、この後どのような展開を迎えるのかが気が気でない優之介であった。

アクセスありがとうございますm(_ _)m

今月は仕事もプライベートも予定ギッチギチでなかなか執筆できませんが、少しづつ書いていきたいと思います。

誤字脱字がありましたら報告お願いします。

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