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野郎二人はフリーダムッ!?科学+魔法=オーバーキルな異世界生活   作者: 皇 竜胆
第八章 ティユールの街から始まる産業革命
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第二十二話 斬波、折れる


「んぉ?」「こっ、恋人!?」「あぁ、恋人に近いかな?」

「恋人……ではないな」

「ち、ちが……」

「恋人ではなく夫婦になりたいのだがな……」


 三人が恋人関係にある事を聞かれた斬波と葵は一応否定するが、クラウディアは更に深い関係になりたいと言ったものだから子供達はわっと盛り上がり更に踏み込んでいく。


「夫婦になりたいのになれないの? なんで?」

「お家柄とかあるんだよー」

「実はお兄ちゃんがおっけーしないとか?」

「そう、そうなんだよ! そっちのシバお兄ちゃんがおっけーしてくれないんだ。皆でシバお兄ちゃんを説得してくれ!!」


 話の流れを掴んだクラウディアが子供達を利用して斬波に迫る。タマキに「押してダメなら引いてみるのも一手」って言われたばかりでしょ。


「おい待てクラウ、子供を使うのは卑怯だぞ」

「ふふん! 使えるものは使う、それが私だ♪」

「いいぞ騎士様ー!」「そのまま押し倒しちゃえー!」

「そっちのお姉ちゃんはお兄ちゃんの事好き?」

「え? あぁ……うん、大好きだよー♪ 五年くらい前から気になっていたかな」

「……葵?」

「「「おぉ~~!!」」」


 子供達は葵にも同じような質問をした。葵もチャンスと思ったのか、子供達の質問に対し笑顔で肯定した。彼女の答えを聞いた子供達はヒューヒュー! と言いながら更に盛り上がっていく。シスターは笑顔で様子を見守っているのだが、少し顔が赤い。


「お兄ちゃんモテモテじゃん! もう結婚しちゃえよ!!」

「「「そうだそうだ!!」」」

「あのねシバお兄ちゃん、女性からの好意は受け止めなきゃダメなの! 結婚は準備とか大変だから今すぐにすることは難しいけど、婚約して結婚を前提としたお付き合いはしてもいいと思うの」

「この子の言う通りだ。さぁシバ、今この場で私とアオイを婚約者にするのだ!」

「クラウから聞いた話から察すると、斬波はへたれっぽいからこの勢いに乗るのもありね!」

「待て待て待て待て、その子見た目と実年齢合ってないだろ……」


 ついさっき合ったばかりなのにすっかり仲良しになった子供達を味方に、クラウディアと葵は斬波に婚約を迫る。一対一なら誤魔化せそうだが今回は多勢に無勢、流石の斬波もタジタジである。


「婚約だけでもダメか?」

「本当に押しが強いなクラウは……。葵は……冗談だろ?」

「私は本気よ。本当は高校時代に連絡先を交換して、デートを重ねて、良いなって思ったら告白して付き合おうって思ってたのに逃げちゃうんだもん。五年間、貴方を探すのは大変だったなー」

「ぜってー嘘だろそれ……」

「シバは罪な男だなぁ♪ 想われておきながら逃げるとは」

「いや逃げてはねぇ! 卒業式をサボって証書だけ貰いに行っただけだ。はぁ……あのなぁ葵、気持ちは嬉しいけど俺は「さっきも言ったけどクラウから聞いてる」」

「なら…………」

「大丈夫よ。だって、血の繋がってない子供に食事を買い与えてあげたり、面倒を見てあげたり、一緒に笑ってあげられる程思いやりがあるのだから、将来自分の子供が出来た時もちゃんと親できるわよ」

「アオイ姉ちゃんの言う通りだぜ! 俺達に食いもん買ってくれる大人いねぇもん!」

「シバお兄ちゃん優しい!」

「シバお兄ちゃんと、アオイ姉ちゃんと騎士様お似合いだよ♪」

「仲良ししよ?」「シバお兄ちゃんお願い!」

「ぐっ……」

 

 斬波は何とか二つの意味で逃げ道を作ろうとするが言葉では葵に「大丈夫」と言われ、物理的逃亡は子供達に手足を掴まれてしまった為、退路を断たれてしまう。

 なんとか振りほどこうとするが、葵とクラウディアと子供達から注がれる熱い視線にとうとう根負けした斬波は、上を見上げ肩を落とし、大きく息を吐いてから葵とクラウディアに言った。


「……ここまで言い寄られて受け入れないのは男じゃねぇよなぁ」

「「「わぁ……!!」」」

「「斬波シバ……!!」」

「クラウ、今ままで悪かったな。だけど宿で言った事は俺の本心だ。だから……」

「そんな不安、払拭させてやるさ」

「葵、なんだそのぉ……こんな俺で良かったらよろしくお願いします?」

「なんで疑問形なのよ?」

「二股になるだろ……」

「こっちの世界は一夫多妻なんでしょ。それに、クラウとはお互いの気持ちを打ち明けてたから何も問題ないわ。貴方が私とクラウを平等に愛してくれれば、ね♪」


 据え膳食わぬは男の恥と腹をくくった斬波は、葵とクラウディアに「これからは恋人としてよろしく頼む」と改めてご挨拶すると、子供達は大歓声を上げ葵とクラウディアは斬波に抱きついて喜んだ。ようやく実った恋に、彼女達の目は少しだけ涙が溜まっていた。

 この後、子供達とますます仲良くなった三人は子供達と一緒に遊んだり、畑を耕したりして午後のひとときを過ごした。斬波は施設暮らしの記憶が蘇ったのか、誰よりも子供達と親密になっている様子で、葵とクラウディアとシスターは目を丸くして見ていた。


「もう帰っちゃうの?」

「シバの兄貴! 帰らないでくれ!!」

「こらこら、お兄さん達も帰らないといけないのだから……」

「「「うぇ~~ん!!」」」


 もうすぐ日が暮れるタイミングで安心亭に帰ろうとする三人だったが、子供達が「帰らないで」と引きとめる。シスターも説得するが子供達は泣き出してしまった。


「また会えるわよ♪」

「本当?」

「流石に毎日は無理だけど、ティユールの街に寄った時には必ず遊びに行くから」

「約束だよ?」

「うん、約束。今日はありがとうね♪」


 それでも三人は帰らないといけないので、葵が子供達と約束を交わして子供達に納得してもらい、三人はようやく帰路についた。


「ふっふっふ! 子供達には感謝せねばな♪」

「斬波が施設でどんな生活をしてたのかよくわかったわ♪ 何が『親として愛情を注いであげられるのか?』だって? あれだけ子供達に懐かれてれば十分じゃない」

「そんなもんなのか? 俺にはよくわかんねぇよ」


 斬波、葵、クラウディアの三人は他愛もない事を話しながら安心亭に帰った。安心亭に帰ると全員が揃っていたので三人が交際する事を報告すると、方々からお祝いの声が三人に掛けられ、祝福ムードの中今夜は宴会が開かれた。

  

アクセスありがとうございますm(_ _)m

これからリアル仕事が忙しくなるので投稿ペースが落ちてしまいますがご理解いただけると幸いです。

誤字脱字がありましたら報告お願いします。

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