第二十一話 2対1デート
「あのぉ~二人共?」
「どうされました?」「どうしました?」
「そろそろ腕を離してもらえないかな?」
「「嫌です」」
「歩きにくいんだけど……いろんな意味で」
「「嫌です」」
「はは……、まいったなぁ…………」(周囲からの視線がキツいんですけど!?)
レミリアとソフィーリアに手を引かれて皆とは別行動になった優之介は、どこか落ち着かない様子で街を歩いていた。
今現在右腕はソフィーリア、左腕はレミリアにがっちりホールドされながら歩いているのだが、両腕から伝わる柔らかい感触と、両脇から漂う女の子の良い香りで優之介の心臓はバクバクである。
昼食は過去にレミリアと一緒に入ったレストランで食事をしたのだが、レストランに入るなり支配人らしき人物がかなり驚いた様子で三人の下に歩み寄り、個室に案内しようとしたのでホールが少しざわついた。しかし、ソフィーリアが「普通の席が良いですわ」と言ったのでホールの席を案内してもらった。周囲の視線が刺さりっぱなしで気まずい。
席に座った優之介は大きなため息を吐いて、背もたれに寄りかかった。
「だはぁ~……」
「ユウノスケ様、はしたないですわよ」
「ごめん、周りの視線がキツかったからつい……」
「もう、将来は私の旦那様になるのですから、それくらい慣れて頂きませんと♪」
「え、それ決定事項なの?」
「はい♪」「いいえ」
「ソフィー様、ソフィー様は王女様なんですから、独断で結婚を決めることはできませんよ」
「むぅ~わかってますぅ! 一刻も早くお父様に認めて頂かないと……!!」
「あはは……」
席に着くなりソフィーリアが優之介と結婚する気でいる事を話すが、レミリアが待ったをかけて話を現実に戻す。周囲を気にせずに話す彼女達に優之介は苦笑いだが、ウェイターや他の客は自国の王女様が自分と同じ空間にいる事に冷や汗をかいていた。服装こそカジュアルだが、所作や言葉遣いから漂う気品がそこらにいる人と全く違うんだもん……。
食事のメニューは前回優之介とレミリアの二人で来た時と同じものを頼んだ。ソフィーリアの口に合うかどうか若干の不安があったが、彼女は満足そうに食べてくれているので一安心した優之介とレミリアだった。
「ほ、本日はご来店いただき誠にありがとうございます! 当店のお味はいかがでしたでしょうか?」
「程よい味付けで食べ易く、とても美味しく頂くことができました。次回も利用させて頂きます♪」
「お……お褒めに預かり光栄にございます! またのご来店、心よりお待ちしております!!」
お会計の際はわざわざ店の奥からシェフらしき人物が出てきてご挨拶してくれた。店を出る際もソフィーリアは程良くロイヤルオーラを振りまき、王女様の貫禄を見せつけて退店した。
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優之介がソフィーリアとレミリアの二対一でデートを楽しんでいる一方で、斬波も似たような状況になっていた。
「「お兄ちゃんありがとー」」「「ありがとー」」
「すみません、子供達がご迷惑を……」
「いやいや、子供は元気が一番だ。気にすんなって」
優之介達と別れた斬波、ジャパニーズガールズ、タマキとクラウディアの一行は街道を歩いていたが、斬波がふらっと屋台に立ち寄り肉の串焼きを注文しているところを子供の集団に絡まれ、子供達にねだられた結果、串焼きをご馳走するハメになってしまった。
子供達は「お礼がしたいのでついてきて欲しい」と言うので斬波がどう断ろうか考えていたら、タマキが「そのまま行っていただいても構いませんよ」と言い出し、葵とクラウディアが「一緒に行く」と言うので、斬波、葵、クラウディアの三人はタマキ達と別れて子供達についていくことになり、今現在は教会近くにある孤児院に来ている。
斬波はせっかくだからと孤児院に向かう道中、屋台で売られていた美味しそうな食べ物や飲み物を買いまくり、昼食は孤児院で食べることにした。
「今日はご馳走だぁー♪」
「ゆっくり食えよ、飯は逃げねぇからな」
「あの、お金とか……」
「いいっていいって、金には困ってねぇよ」
孤児院は教会が運営しているらしく、子供達の案内で孤児院にたどり着くとシスターさんが出迎えてくれ、子供達が事情を話すとシスターは斬波達にぺこぺこと頭を下げて感謝と謝罪の言葉を述べた。
「屋台の料理も普段の食事とは違う美味しさがあって良いな♪」
「お姉ちゃんきれー!」「かっこいい!」「騎士様だ!」
「ふふ、ありがとう♪」
「そっちのお姉ちゃんも黒い髪の毛きれいだねー!」
「そ、そう? ありがとうね♪」
葵とクラウディアは子供達と打ち解け、買って来た食べ物を皆で仲良く食べながら会話を弾ませていた。子供達の楽しそうな様子を見て、シスターも嬉しそうにしている。
しばらくの間食事を楽しんでいると、不意に子供達の中の一人が斬波達にこんな質問をした。
「ねーねー、お兄ちゃんとお姉ちゃんは恋人なの?」
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