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花嫁騎士 ~勇者を寝取られたわたしは魔王の城を目指す~  作者: クラン
第四章 第三話「永遠の夜ー⑥宵闇の狩人達ー」
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Side Vlad.「思考の深みへと」

※ヴラド視点の三人称です。

 勝つ者は勝つべくして勝つ。逆もまた(しか)り。敗者は負けへの道を順当にたどって地を舐める。


 夜会卿ヴラドの思考はおおむねそのようなものである。首都ラガニアに並び立つほどの都市を治めるまでの道のりも、統治者となってからのあまりに長い年月も、原因と過程の果てに訪れる結果を冷静に見据えていた。彼の防御魔術に一切の隙がなかったのも、そうした態度に支えられている。


 クロエたちが部隊の中央――すなわちこの場所を目指しているのは、彼女らが行動を開始した段階で予測のひとつとして挙げていた。その他多くの可能性、たとえば部隊の兵員を目減りさせるといった妥当な戦略よりも確度が高いとさえ踏んだのである。推測の根拠となったのはレミントンの一射(いっしゃ)だ。天上に配した無数の蝙蝠(こうもり)よりもさらに高い位置で地上を俯瞰(ふかん)していた者がいる。レミントンの攻撃により、謎の観察者は北門とは逆方向へと撤退していった。まず間違いなくメフィストだとヴラドは看破(かんぱ)したのである。無意味に空中にいたわけではあるまい。蝙蝠は部隊すべてを覆うほどの密度ではなかった。すなわち、メフィストはこちらの布陣を把握したと考えるべき。


 総大将の位置を確認したうえで、首を狙って仕掛けたのか。その可能性をゼロに近い。メフィストは不死の異能を知っている。こちらを封殺する手段を持ち合わせているのならまだしもだが、そんな芸当、奴には出来ない。


 ヴラドがメフィストらを迎え入れたのは、メリットを(かんが)みてのことである。


 マヤには裏切りの(とが)を突きつける必要がある。


 ベアトリスの戦闘が演技であるのは誰がどう見ても明らかだが、確実な裏切りの証明が欲しかった。ゆえに彼も招いた。裏切りの証拠を掴み、サフィーロを入手するためである。


 クロエの存在も好都合。ニコルからは彼女の処遇について、ただのひとつも要求はなかった。ルイーザと違って捨て置かれたのである。したがって、遭遇したならば好きにしていい獲物というわけだ。縫合伯爵ルドラが唐突に翻意(ほんい)した理由も、クロエが煙宿方面からの援軍と合流した段階で察した。


 ルドラは俗物だ。誰もが価値を認めるものに目がない。どうしても彼女を手に入れたかったのだろう。


 ところで、ヴラドは決してメフィストを(あなど)っていない。奴の狙いも分かっている。天上から布陣を見たならば、右方に不自然な空隙(くうげき)があることに気付いたはずだ。そこになにがあるのか知らずに飛び込む間抜けではない。


 エールの殺害、ならびにこちらの目を無力化するのがメフィストの策。すなわち、千の蝙蝠の視覚情報を処理している脳兵(ラム)の破壊だ。ヴラドはそのように考えたが、確信するには至らなかった。彼の性格の特徴として『信じない』という点が挙げられる。美点であり欠点であるのは当人も自覚していた。あらゆる可能性を並べ、それぞれに異なる比重を置くものの、これと決めるのは煮詰まってから。要するに保留癖(ほりゅうへき)がある。


 メフィストが煙幕を撒き散らした直後、ヴラドは二匹の蝙蝠を放ち、脳兵(ラム)を介した千の視界を一時的に遮断した。脳兵(ラム)一掃(いっそう)され、脳の処理能力を遥かに超える情報が流れ込むのを(いと)うての判断である。戦場の趨勢(すうせい)は新たに放出した二匹の視界で観察すればいい。己の実体が得る情報に加えて、ふたつの視覚情報を処理する。三匹は無理だ。自分の限界は知っている。


 蝙蝠が煙幕を突っ切る前に、メフィスト由来(ゆらい)の魔術が(ほどこ)されたのを察知し、ヴラドは忌々(いまいま)しく思うよりも(かえ)ってほくそ笑んだ。なにもされないほうが困る。厳密には、なにもされていないと思い込んでしまうことほど危険なものはない。


 エールがメフィストの転移魔術で北門の壁上に移動し、砲台により始末されたのはすぐに分かった。脳兵(ラム)の隠れ(みの)――夜霧の庭園(フォッグ・ガーデン)が消え去り、厚い布で覆われた車輌が姿を現したからだ。


 やはり脳兵(ラム)を狙っている。しかし確実にそうと言い切れるものではない。


 煙幕が解除されて逃亡を試みるメフィストどもを、あえて魔術を拒否するドームに閉じ込めたのはヴラドにとって順当な方法だった。ドームは新規の魔術を一切通さないが、すでに顕在化(けんざいか)している魔術は断ち切れない。二匹の蝙蝠との視覚共有は健在であり、また、一旦は遮断している脳兵(ラム)経由の視界も断たれない。むろん、メフィストが行使している魔術にも同じことが言える。配下の者からの交信魔術は届かないが、問題ではない。なぜなら信用に足らないからだ。この場にメフィストがいる以上、いかなる交信であれ誤情報の可能性が(ぬぐ)えない。


 頼れるのは蝙蝠の目と己の思考のみ。


 蝙蝠に施された魔術は瞬時に看破していた。欺瞞の鏡面(ブループリント)。視界を偽る魔術。ただし、問題がひとつある。メフィストは一匹にしかそれを施さなかったのだ。ゆえにヴラドは戸惑った。まさか、放たれた蝙蝠が一匹だと誤認するはずはない。ドームを張る前に二匹の視界の差分を調べたが、どちらも同じものを映している。あくまで俯瞰した状態での視界ではあるが。


 ここで厄介な問題が生じた。(いな)、メフィストが姿を見せる前から生じていたと言うほうが正しい。


 二重歩行者(ドッペルゲンガー)。メフィストが分身をどこかに潜ませているのは、彼の身体から伸びる隠蔽(いんぺい)された魔力の糸で分かった。糸は左方に伸びている。そして煙幕を張ってすぐ、奴は左方へ足を向けた。


 左に脳兵(ラム)があると誤解したのか?


 そうではない、とヴラドは考えた。


 魔力の糸を末端――すなわち二重歩行者(ドッペルゲンガー)の潜伏位置までたどるのは不可能。血族および人間の入り乱れる戦場において、いかに繊細な察知力を発揮しようと限界はある。事実、ヴラドは二重歩行者(ドッペルゲンガー)の位置を把握しきれなかった。ただ、限りなく確信に近い比重で仮説を立てた。


 二重歩行者(ドッペルゲンガー)と自分との魔力の繋がりを自覚していれば、魔力の糸は操作可能。脳兵(ラム)は狙われていない、あるいはその位置を把握出来ていないとこちらに思い込ませるために、糸を左に伸ばし、大きく迂回させて右方に潜む二重歩行者(ドッペルゲンガー)を隠そうとしている。手の込んだ仕掛けだ。そもそも、隠蔽された魔力の繋がりまで感知出来る相手でないと無意味な工作。余計に魔力を消費するだけの行為とも言える。メフィストはこちらの察知力まで把握しているわけではなかろう。それでも策を(ろう)したあたり、抜かりない。


 だからこそ、差異のない欺瞞の鏡面(ブループリント)が不可解だった。脳兵(ラム)がドームを張って以降、まったく損害を受けていないのも()に落ちない。


 クロエたちとの戦闘がある程度進行した段階で、ヴラドは二匹の蝙蝠それぞれを脳兵(ラム)の内部に潜入させ、細工の痕跡(こんせき)がないか確認した。一匹はドームの上空に待機させて周囲を俯瞰し、もう一匹が動くといった慎重な方法で。


 差異はない。なんの細工も見受けられない。


 この段階で、ヴラドの思考はようやく脳兵(ラム)以外へと傾いた。二重歩行者(ドッペルゲンガー)が右方にいるのなら、すでに脳兵(ラム)は破壊されているはず。そうではない以上、二重歩行者(ドッペルゲンガー)は別の用途で潜伏させているのではないか。だが、どうしてもその理由が導けない。


 それゆえ、ヴラドは実体の視覚においてメフィストの動向には(こと)に注意を払っていた。一度ならず、彼を強制転移箱に収めてしまおうかと考えたくらいである。ただ、その行動を採用するわけにもいかなかった。強制転移箱は対象を一度格納すると、再び使えるようになるまで十数分程度の充填(じゅうてん)期間が必要となる。ドーム内で回収すべき人物は三人。メフィスト、クロエ、サフィーロ。こちらを攻撃した以上、裏切りの証明が済んでいるとはいえ、男爵であるベアトリスを(さら)うのは品がない。マヤも伯爵令嬢である以上同じだ。二人は生身で拘束するのが適切。


 しかしここにも懸念がある。充填期間より重要な問題だ。強制転移箱に閉じ込めようとも、顕在化している魔術は解除されない。メフィストの真の狙いが読めない限り、攫うのは却って悪手ではなかろうか。強制転移箱の内部は架空の暗闇だ。何者にも襲われない絶対的な安全圏。奴はそれこそ狙っているのではないか。実体の得る情報が暗闇だけとなれば、分身の操作に注力(ちゅうりょく)出来る。考えれば考えるほど、(じつ)に手の込んだ罠だと思ってしまう。


 メフィストが落日の雫(ロゼ・ソレイユ)を放ち、ベアトリスの貴品(ギフト)が放射されたとき、ヴラドは少し安堵(あんど)した。


 奴は本気でこちらを殺しにきている。防御壁の破壊こそ叶わなかったが、落日の雫(ロゼ・ソレイユ)の出力は彼の意志を反映していた。なるほど、殺せばドームは解除され、サフィーロの翼で撤退出来るだろう。しかしそれでなにを得るというのか。まさか、エールを殺したかっただけではあるまい。ゆえに、ヴラドは行動を起こさなかった。ただし、別の事象を捉えたのである。


 シャオグイが前線から離脱し、一直線に中央部隊へと向かっていたのだ。脳兵(ラム)は健在。


 猛スピードで到着したシャオグイは中央部隊の精鋭を次々と(ほふ)っていく。それでもまだ、ヴラドは動かなかった。


 ヴラドの行動を決したのは、二重歩行者(ドッペルゲンガー)の出現である。メフィストの分身がシャオグイの影から現れ、中央部隊の人員に投擲物(とうてきぶつ)を放ったのだ。


 それが爆弾であることは、デボンの一件があったのですぐに分かった。部隊の精鋭が(むな)しく散っていく。


 これが狙いか。


 ようやく理解した。シャオグイならびにメフィストの分身は前線のバルクハルトを呼び戻せば容易に排除出来る。もし危険に(さら)されるようであれば、ドームを解除して加勢すればいい。その前に、連中の逃避手段であるサフィーロは攫っておく。


 これで憂いが消えた――わけではない。欺瞞の鏡面(ブループリント)は単なるフェイクなのか、それとも実は二匹とも偽りの景色を見せられているのか。看破不可能な問題が残る。バルクハルトを呼び戻すだけならば、二匹の蝙蝠で彼を引き戻そうとすれば済む。彼は愚かではない。こちらの意図を()んでくれるはずだ。中央が危機に(おちい)っていると。


 しかし、バルクハルトを前線から引き剥がすことこそ真の狙いであり、実際は中央部隊が襲われていないとしたらどうか。バルクハルトを欠いた状態でも前線部隊は半端な力では壊滅しないが、もしシャオグイが前線におり、メフィストの分身もそこに潜んで厄介なサポートをするのなら大きな痛手になる。人員をこれ以上失うわけにはいかない。北門突破は前座だ。壁の内側にいるであろうオブライエンの係累を捕獲するには、これ以上の犠牲は出せない。


 ゆえに、確かめる必要がある。


 かくしてヴラドは、欺瞞の鏡面(ブループリント)の施されていない千の目――脳兵(ラム)からの情報取得をおこなったのである。

発言や単語が不明な部分は以下の項目をご参照下さい。



・『夜会卿ヴラド』→黒の血族の公爵。王都の書物でも語られるほど名が知られている。魔王の分家の当主。キュラスの先にある平地『毒色原野』を越えた先に彼の直轄地アスターが存在する。極端な純血主義であり、自分に価値を提供出来ない混血や他種族は家畜同様に見なしているらしい。不死の力を持つ。詳しくは『幕間.「魔王の城~ダンスフロア~」』『90.「黒の血族」』『幕間.「魔王の城~尖塔~」』『565.「愛の狂妄」』『927.「死に嫌われている」』にて


・『ラガニア』→かつてはグレキランス同様に栄えていた地域、と思われている。実際はグレキランスを領地として治めていた一大国家。オブライエンの仕業により、今は魔物の跋扈する土地と化している。魔王の城は元々ラガニアの王城だった。初出は『幕間.「魔王の城~書斎~」』。詳しくは『間章「亡国懺悔録」』より


・『レミントン』→黒の血族。戦争において夜会卿の本隊に所属。射撃王の異名を持つ弓の名手。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー⑤霧海の繋ぎ手ー」』にて


・『メフィスト』→ニコルと魔王に協力していた存在。ヨハンの本名。現在はクロエと契約し、魔王討伐に協力している。初出は『幕間.「魔王の城~尖塔~」』


・『マヤ』→縫合伯爵ルドラの次女。雷の魔術師。ルドラの指示で夜会卿に捧げられたが、兄であるアビシェクのみが殺害され、彼女は生かされた。夜会卿への復讐のため人間側に寝返った。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー④銀嶺膝下マグオートー」』『第四章 第三話「永遠の夜ー⑤霧海の繋ぎ手ー」』にて


・『サフィーロ』→蒼い鱗を持つ竜人。『純鱗』。次期族長候補と噂されている人物で、派閥を形成している。残酷な性格をしているが、頭も舌も回る。シンクレールと決闘し、勝利を収めている。クロエにより、血族であるベアトリスの指揮下での戦争参加を余儀なくされた。クロエに対し、ある程度心を開いていたが、彼女が感情を喪失したことにより関係が破綻。詳しくは『第三章 第四話「西方霊山~①竜の審判~」』『第四章 第二話「幻の森」』にて


・『ベアトリス』→ラガニアの地下都市ヘイズの長であり、バーンズの子孫。黒の血族で、ラガニアの男爵。誠実な男。祖先の恨みを晴らすべく、夜会卿への宣戦布告を目論んでいる。鎧をかたどった貴品『虚喰』により、無形の靄を自在に操ることが可能。ただし、力を使えば使うほど鎧の内部は空洞化する。戦争にて竜人と組んで人間側につくことを誓った。同じく戦争に参加したイアゼル侯爵の異父兄弟。詳しくは『第四章 第一話「祈りの系譜」』『第四章 第三話「永遠の夜ー④銀嶺膝下マグオートー」』にて


・『ニコル』→クロエの幼馴染。魔王を討伐したとされる勇者だが、実は魔王と手を組んでいる。黒の血族だけの世界を作り上げることが目的。クロエの最終目標はニコルと魔王の討伐。詳しくは『875.「勇者の描く世界」』にて


・『ルイーザ』→ニコルと共に旅をしたメンバー。最強と目される魔術師。高飛車な性格。エリザベートの娘。『針姐』の墨の魔術により全身に縮小した魔紋を刻んでいたが、クロエの持ち込んだ『墨虫』により無力化された。現在は魔力の大部分と記憶を失い、平凡なひとりの少女としてローレンスの館に住んでいる。詳しくは『幕間.「魔王の城~記憶の水盆『魔女の湿原』~」』『第二章 第六話「魔女の館」』より


・『煙宿(けむりやど)』→王都の北に広がる湿原の一角に存在する宿場町。ならず者の理想郷とされ、出自を問わず暮らすことが出来る。ゆえに人探しはご法度。要人や富裕層の住む『不夜城』と、一般的なならず者の住む『ほろ酔い桟橋』に区分されている。詳しくは『第二章 第四話「煙宿~①ほろ酔い桟橋~」「煙宿~②不夜城~」』にて


・『縫合伯爵ルドラ』→黒の血族で、ラガニアの伯爵。領地に金鉱を有する老翁。夜会卿主催のオークションの常連であり、彼とは表向き親密な関係。貴品(ギフト)万世一糸(サビー・タンカ)』を体内に埋め込んでいる。煙宿を一度は制圧したが逆襲され、捕虜の身に。戦争の趨勢に関し、ヨハンと賭け(契約)をしている。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー③赫灼の赤き竜ー」』『第四章 第三話「永遠の夜ー④銀嶺膝下マグオートー」』『第四章 第三話「永遠の夜ー⑤霧海の繋ぎ手ー」』にて


・『脳兵(ラム)』→夜会卿ヴラドの私兵。意識を持たず身体を動かすことも出来ず、しかし脳だけは生きている状態に改造された血族。ヴラドの使役する蝙蝠の魔物の得た情報を処理するためだけの存在。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー②隠れ家と館ー」』にて


・『転移魔術』→物体を一定距離、移動させる魔術。術者の能力によって距離や精度は変化するものの、おおむね数メートルから数百メートル程度。人間を移動させるのは困難だが、不可能ではない。詳しくは『4.「剣を振るえ」』にて


・『夜霧の庭園(フォッグ・ガーデン)』→対象の領域を感知不可能な仮想空間にする魔術。術者の任意の対象のみ、領域内へ入れる。『毒食(どくじき)の魔女』の邸もこの魔術で隠匿されていた。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー②隠れ家と館ー」』にて


・『視覚共有』→その名の通り、視覚を共有する魔術。詳しくは『9.「視覚共有」』にて


・『欺瞞の鏡面(ブループリント)』→対象の視界を欺く魔術。詳しくは『533.「欺瞞の鏡面」』にて


・『二重歩行者(ドッペルゲンガー)』→ヨハンの得意とする分身の魔術。影に入り込んで移動することが可能。詳しくは『12.「二重歩行者」』にて


・『黒の血族』→魔物の祖と言われる一族。人間と比較して長命。もともとは王都の敵国であったラガニアの人々のごく一部が、オブライエンの生み出した『気化アルテゴ』によって変異した姿。詳しくは『90.「黒の血族」』『間章「亡国懺悔録」』にて


・『強制転移箱』→対象をあらかじめ指定した場所まで転送する魔道具。戦争において夜会卿の各部隊長がひとつずつ所有している。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー②隠れ家と館ー」』にて


・『落日の雫(ロゼ・ソレイユ)』→魔術を溶かす火の雨を降らせる魔術。ヨハンが独自に編み出した。詳しくは『369.「落日の雫」』にて


・『シャオグイ』→生息圏、風習、規模も不明な他種族である、オーガのひとり。千夜王国の主。『緋色の月』に所属しながら『灰銀の太陽』への協力を誓った。一時期シャルという偽名を使用し、有翼人をそそのかした。生命を犠牲にして力を得る丸薬を所持。武器として鉄扇を扱う。身体能力が並外れて高い。メフィスト(ヨハン)に執心している。かつて夜会卿に囚われていた頃、隣の牢屋にいたヨハンに恋をしたのがきっかけ。詳しくは『748.「千夜王国盛衰記」』『750.「夜闇に浮かぶ白い肌」』『886.「かつての囚われ人たち」』にて


・『デボン男爵』→黒の血族で、ラガニアの男爵。怪奇趣味の男。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー⑤霧海の繋ぎ手ー」』にて


・『バルクハルト』→黒の血族。戦争において夜会卿の本隊に所属。全軍で唯一軍馬を用いる容貌魁偉な猛将。詳しくは『第四章 第三話「永遠の夜ー⑤霧海の繋ぎ手ー」』にて


・『オブライエン』→身体の大部分を魔力の籠った機械で補助する男。王都内の魔具および魔術関連の統括機関『魔具制御局』の局長。自分の身体を作り出した職人を探しているが、真意は不明。茶目っ気のある紳士。騎士団ナンバー1、紫電のザムザを使って『毒食の魔女』を死に至らしめたとされる。全身が液体魔具『シルバームーン』で構築された不死者。かつてのグラキランス領主の息子であり、ラガニアの人々を魔物・他種族・血族に変異させ、実質的に滅亡させた張本人。外界で活動しているのは彼の分身『二重歩行者』であり、本体は一切の魔術的干渉を受けない檻に閉じ込められている。詳しくは『345.「機械仕掛けの紳士」』『360.「彼だけの目的地」』『間章「亡国懺悔録」』にて

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