地下室へ向かう
フジリナです。いよいよ第三章クライマックスです。
僕は、いよいよサンフランシスコ第一エレメンタリースクールの、地下室へ向かうことになった。その際に、サンフランシスコに来た、エマニュエル・ハロルドが同行した。また、レディ・クラリスもだ。
「坊ちゃま。この先は危険を伴いますので、遺書の準備はされましたか?」とハロルド。
「うん。お世話になった人たちや、あとはその職員たちや家族と、友人にね」
僕の実家の自室の机には、手書きで遺書を書いた。そう、めちゃくちゃ危険を伴うからだ。
「―――行くよ」
僕は、そのまま校門をくぐり抜けて、地下室へ。
◇
地下室は、学校の地下な割には、研究所ような場所だった。その研究所の内装から、最近まで使われていた形跡があった。
「…怪しいな。こんなに新しいなんて、誰かが使っていたのかもしれない。オッペンハイマー博士は、既に亡くなっているというのに。」と僕はリボルバーの装填をしていた。
「左様にございます、坊ちゃま。やはり、年代からすると、2010年代後半にございます。」
「どうしてこうなったんだ。他に行方不明になっている子どもがいるのか…」
僕は、アンバーアラート(アメリカで行方不明になった子ども、主に誘拐事件に巻き込まれた子どもを見かけたら、情報提供を呼びかける警報)の履歴を確認したが、その様子がない。
だが。
「ピーーーー」と、あのアンバーアラートの警報音がした。
「え!?まさか!?」
僕は怯えていた。8歳の男の子の、アイザックくんとニックくん。確か、消しゴムの貸し借りでトラブルになった子だ。あとは、7歳のシドニーちゃん。僕に話しかけた女の子だ。
「―――嘘だろ…。オレに話しかけた子が行方不明になるなんて。まさか」
「本来の目的が、この研究所側に知れ渡った可能性が…」とハロルドは非情の宣告をする。
だが、そんなこと受け入れられるはずがなかった。もしかすると、僕のせいで、子どもが誘拐されたのなら、親から責められたり、「裏切り者」と言われてしまうかもしれないと…。
「いやだ…いやだ…オレは、子どもたちを売り渡した覚えはない…」
僕はうなだれてしまった…。そんなひどい現実なんか受け入れたくなかった。愛おしくも、僕が守るべき存在で、なおかつ僕が、命を含めて預けているのに。
「ロバート様。」とハロルド。
「親御様から、ロバート様にメッセージが来てます。」
「…何?オレを、罰しろと?」
「いいえ。よく知っていて、子どもたちに慈しみを込めて接してる、ロバート様に助けられるとありがたい、と。」
「嘘だろ。オレの身分、バレてたのかよ」
「親御様は、もちろんご存知でしたが、親御様と教師の方々は、子どもたちのために、あえて教えなかったそうです。」
「そりゃそうか…。」
僕は、再び立ち上がって、子どもたちが待っている方へと向かった。
またお会いしましょう。




