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華鳥亭殺人事件  作者: たま


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大広間

実は庭があるのは玄関の裏手なのだ。

なのでテラスから大広間へ入る。庭に面したガラス窓が割れた所もあるので重い緞帳(どんちょう)のようなカーテンが閉められて中は真っ黒だ。遠くにすでに玄関の方へ行ったオカルトブランコの明かりがわずかに見えるだけだ。

「ほんとに!真っ暗なのね〜それに足元はゴミだらけ!1歩踏み出すだけでも大変ね。なんで1人1人にランタン持たされるのか分からなかったけど…これが無いと歩けないわ…」波瑠がすでに困惑してる。

「ガラスの破片多いから気を付けてください。ヘタに踏んだらハネて顔まで飛んできたりするから、足先で摺って避けながら歩いてね。」と白田さんがまだ経験ない珠泪と波瑠の為にレクチャーしながら三笠の後からカメラ構えながら歩いていく。

「イタっ!ゴメン!」波瑠が足元に気を取られてセカンドカメラの原田にぶつかった。

「大丈夫っすよ。公もしょっちゅうぶつかってくるから。おい、珠泪ちゃんをちゃんと守ってるだろうな?公?」と原田くんが公くんに声掛けする。

「この間みたいに急に上から大鎌振ってきたらヤバいからな。大丈夫だからね!珠泪ちゃん!」と威勢は良いが、ほぼ珠泪に抱きついてるだけだ。

珠泪ちゃんはすごく落ち着いてる。

「ほんとだ。ココは霊体居ないですね。本当に真っ黒だ。」と話す。

「真っ暗闇で霊体ってどんな風に見えるの?」と公が聞く。

「発光してるよ。人間みたいに物理の影響受けないから。暗闇の方が見えやすいの。ここは…誰も思い出も無いみたい。」と少し寂しそうだ。

「メイドは雇われて働いてるし、家族はお互いに使用人介して付き合うから、人の気持ちが残ってないんだよ。

去った人達も未練ない…いや、主はあるはずなのに?

首吊った主の姿すら無い?」三笠が四方にサーチライトを当てながら悩んでる。

「どうした?」後から白田さんが足の止まった三笠に聞く。目の前には大広間のマントルピースの上に初代華鳥公爵の肖像画が掛かっているが…三笠はあたりを見回す。

「おかしいなあ〜残留思念すら無いな。彼はさすがに華族制度の廃止で固定資産税が重くのし掛かって一文無しになって泣く泣く手放さなくてはいけなくなって…確かここで首を吊ったはずなのに…それほどここに拘ったはずなのに…」三笠は天井の豪華なシャンデリアを見る。

確かここで首を吊ったはずなんだ…いないなあ〜と眺める。

「ちょ、ちょっと!見えるんですか!ここで首吊り自殺してたら見えるんですかあ〜!」と公くんと波瑠さんがビビる。いつの間にか原田くんに波瑠さんがしがみついてる。

「うん、波瑠さん浮気してますよ。それは。」三笠が見咎める。

「だ、だって三笠さん恐いんですよ〜!」と言う間もなく三笠が自分の横に抱き寄せる。

そう三笠はメンヘラでヤキモチ焼きでもある。

「本来ならここで首吊り自殺した当主皆が束で首吊った姿が見えていいはずなのに…おかしいなあ〜???」と波瑠を抱きながら言う。

波瑠はガクガク震えてる。ダメ男好きが、マトモな恋人できる訳ないのだ。

「…なんだろ?どこか遠くから助けを呼んでる気がする…これ、人かな?幽霊かな?分かんないや。」と珠泪ちゃんも変な事言い出す。

「全然声なんか聞こえないよ〜珠泪ちゃんも怖いよ〜」と公くんも震える。

「ネ〜ッ、赤チーム!前が詰まってるんだけどお〜」と後から声がする。

黄色チームのクリーピーストロベリーのミキがなぜかイラついてる。

三笠に抱かれてる波瑠と公くんがしがみついてる珠泪をにらむ。

「お化け屋敷入ってるカップルじゃないんだから!

サクサクっと全体見廻り進めてよ!」となぜか噛みついてくる。

「…あの、どうぞ先行って下さい。僕らは初心者連れてるので、このゴミ山避けて歩くのだけで大変なんです。」と白田さんが黄色チームに先をゆずる。

「ウワアアアアアアーーーッ!助けて〜!」とその時、先を行くオカルトブランコの男性の悲鳴が響いた。

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