ひらけゴマ
「食堂室で泊まる人も居るんですね。」と帰ってきた波瑠さんが巻いたロープを渡してくれた。
「ありがとう。何か重りになるものないかな?」と周りを見る。
「コレが良いかな?」と言いながら昔の子供が遊んだであろう起き上がりこぼしの丸い玉を2つ繋げた人形にロープをつける。
「うまく引っ掛かったら、この人形を引っ張ってね。」と言いながら2箇所で止められた巨大なシャンデリアにロープを渡した。
「すごいよ!」意外に一発で決めた。
「うちの学校アメフト部があったせいか体育でアメフトやらされて遠投やらされてて良かった!」と三笠が胸をなでおろす。
「次は人間の重さのモノ…ないかな?」と暗闇にライト照らして人間くらいの重さの物を探す。
「ギアアアアアアーーーーーーッ!!!」その時、ミキさんの悲鳴が響いた。
「どうします?行きます?」波瑠と三笠は顔を見合わす。
他の人の声なら走るが、さっきミキさんの酒乱ぶりを見たので、あの人なら酔ってコケただけでも、アレぐらいの声量で騒ぎそうだ。
2階にテント張ったオカルトブランコがドヤドヤと降りてきて「うわわわ〜〜〜ッ!」と羽田のおびえた声を聞いて、やっと食堂室へ行った。
皆の照明に照らそれて、さっきからうろついてたクリーピーストロベリーのスタッフ塚本が食堂のテーブルにキチッと座ってる。微動だにしない…が、ダイニングテーブルからスッと身体を貫くフェンシングの剣先のようなものが身体を貫いてる。
「ダイニングテーブルに座ろうとイスを引いて座ったんだ。
トイレに入るとかテーブルの物を取るのか、日常生活でしてる普通の行動すると殺される家なんだな…」と三笠が呟く。
もう寝る時間なって休んでたテレビカメラマン達も機材抱えて撮影しにきた。そして、今日4度目の救急車が到着した。剣先は微妙に心臓を外してる。
心肺停止状態で病院へ運ばれていった。
「もう無理!外のテントで寝るわ!」気がキツい木村も音を上げた。ミキの手を引いて庭のテントへ出て行った。
「あ〜あ、もうウチだけかあ〜チャンスかもな」と言いながらオカルトブランコが2階に戻って行った。
「おい、コッチに来てくれ。入り口をたぶん見つけた。」と三笠がホラーチャンネルの羽田と白田さんに声掛けた。
三笠のチームとホラーチャンネルKKKの皆が見守る中、シャンデリアに通したロープの先のオモチャを外してシングルソファを三笠が固めに縛ったものをホラーチャンネルの3人に引き上げて貰う。
「大丈夫かい?これ?シャンデリア落ちてこないかな?」清明が心配する。
2カ所天井にビス止めされてるから大丈夫でしょ。
それに代々当主は皆このシャンデリアにロープ渡して首吊って死んでますし。」と三笠が説明する。
3人がかりで人1人の重さを持ち上げるとシャンデリアの明かりに電気通すソケット部分が引っ張られた。
するとカチッと言う音が床下からする。
「エッ?」皆驚いてシャンデリア下から退いた。
「2mくらい離れて!多分床が抜けますよ。」と三笠が注意する。
すると本当にトイレの仕掛けの大掛かりになったように円形に床板がゆっくり回転しながら下がっていった。
「こうなってたのか!シャンデリアに首吊り死体の負荷が掛かると床板が下がるようになってたのか!」清明や白田さん達が驚く。
と同時にあの嫌な腐敗臭が広がる。
「ヒーーーーッ、僕こういうの無理です〜!珠泪ちゃんも!こっちへおいで!」と公くんがお母さんみたいに珠泪ちゃんを抱きしめ鼻口を手で覆う。
「ハンカチかタオルで口塞いで!この仕掛けはまた床板上がってくるはずだから…」とすでに腐敗臭で涙目になりながら三笠が3人がけのソファを下がった床板に投げ込む。
「こっちは下ろすよ。」と清明さん達は引き上げてたシングルソファをゆっくり下ろす。
「脇から螺旋階段の端が見えるよ!行こうか?」カメラを抱えて白田さんが進もうとすると波瑠が自分が常備してるマスクを顔を付ける。
「そのままは危険です。これ1枚しか持ってないんですけど」と。
「僕のは?ねえ、僕のは?」とガキみたいに三笠がすねる。「アナタはカメラ担いで無いんだから腕で鼻口覆えば良いでしょ。」と波瑠に呆れ顔される。




