地下世界への入り口
「しかし…やっぱり屋敷側の入り口らしきモノは無いなあ〜」と三笠がすでに飽きてる。
理系が必死で分析してる後ろでテントのチェアにもたれて目を閉じた。目が疲れたのだ。慣れないことをするもんじゃない。
『入りやすいが、ひと目についてはいけない。
小さいと反対にその場所行くと消えるとバレてしまう。
つまり、いつも居ておかしくない場所にそれはある。』目を開けて1人洋館に向かう。
「おい、気をつけろよ〜」と白田さんの声がする。
入ると相変わらず真っ暗だ。
2チームは中で宿泊するらしく、クリーピーストロベリーは1階の食堂室に、テント張ってる。
戻されたミキが、酒飲んで笑い続けてる。
話し合いにならないのでほとんどカメラは木村とスタッフの高橋で会話して回してる。もう1人塚本が食堂室を撮影しながら回っているのか?明かりが移動していってるのが見える。
大広間を見渡す。霊が居るなら見えるのだ、三笠には。暗闇ならなおさら見やすいはず!
だが、この洋館のどの時代の当主もいない。
武士はさすがに期限切れで見れないが、明治大正昭和辺りの霊は見えるのだ、まだ。
「こんだけ霊に見放された洋館ってのも珍しいな…」と呟く。
歴代当主が首吊りしたと言われる豪華なシャンデリアの真下辺りで見上げる。悔しかったはずだ。
…いや、地下から逃げたのか?
だが、遺体はぶら下がっていたのだ。家族が目撃してる。
「うん?じゃあ、遺体は別人なのか?」三笠はつぶやく。「そんな都合よく遺体が…」と言いながら庭のテラスに戻ると隣の寺の五輪塔がライトアップされてる。週末なのでイベントでもしてるようだ。
「この屋敷の当主なら寺から遺体を借りる事もできたか?」独り言を言いながら案外外れてない気がする。
そうすれば、大広間には霊がいない理由が分かる。
自分の服を着せ、当主みずから吊るしたのだ、寺から借りた遺体を。
首吊り死体は顔がうっ血して赤黒く腫れ上がり筋肉の弛緩で舌がダラっと出て…中には目が破裂してる遺体もある。
元の顔なんて分からなくなるのだ、実は。
そして当主は、地下要塞に逃げ隠れたのか?
または、夜の闇に紛れて森の井戸近くの出口倉庫から逃げたのか?
「シャンデリアに人間を吊るせば?入り口が開くのか?」三笠が考えるより先に言葉になった。
「エッ、そんな仕掛けなの?」いつの間にか波瑠が三笠の後ろに来てた。
「ヒエッ!!波瑠さん!音もなく近付かないでよ〜もう!」とビビる三笠。
意外にこういうのに弱いのだ。
「いや、白田さんからサーチライト持って行ってやってと頼まれたから。それより、今の話本当?」と波瑠が渡す。
シャンデリアの真下のホコリや雑然としたゴミ類を波瑠にも手伝ってもらってどかす。
よくよくサーチライトで照らすとホコリが白い線になってるのに気づく。
「溝だ!細い溝がある!」シャンデリアの真下直径3mほどの円形に溝があるのだ。
「波瑠さん、ロープを白田から貰ってきて。確か荷物に入れてたと思う。」と言われて取りに行く。




