ダービー
「いやいや、あれが仕掛けだとしたら本当にヤバい集団ですよ。
俺もホラー動画見出したのムガルだったから悪く言いたくないけど。」原田くんが首を振る。
そうなのだ。ホラーコンテンツがまた確立してない頃に廃墟やトンネルなどを散策する動画を始めたのがムガル社なのだ。
明るい元気な人ばかりで暗い画面でも会話聞いてるだけで元気にオバケ探し、自分も参加してるみたいでワクワクドキドキを楽しめたのだ。
だが、10年近くなると動画本数も減りメンバーもリアクションが薄くなりドキドキしなくなっていった。
…仕方ない気がする。
この頃は、ムガル社の名を聞くのは事故物件や霊が出ると噂のある廃屋などを買い漁り、そこを後輩ホラー動画配信者達に貸し出す会社としてしか名を聞かなくなった。
そのムガル社が、頭角を現したホラー動画配信者5チームで幽霊屋敷撮影で動画配信ダービーをしょうと持ちかけてきたのだ。
LIVE配信で視聴回数トップとなったチームには優勝賞金1000万を賞金として出すと。
ムガル社はダービー戦一覧と視聴者数の表示サイトを立ち上げ応援投げ銭は、優勝関係なくそのチームへと配給されると。
つまり応援されると、より危険な撮影に挑むチームが出て盛り上がると…
「これって違法じゃないですか?
絶対無理なチャレンジする奴等が出てきますって!」原田くんが激しく首を振る。
「わざわざ、うちにも招待状送ってくるとは…光栄だが断ろうな。危なすぎるわ!」と白田さんが三笠の方見たらすでに申し込んでた。
「バカ野郎!他所様から預かってるお子さんばっかりなんだぞ!
分かってるのか!馬頭観音の時だって同意書、親から貰ってやっとだったんだぞ!」といつもおだやかな白田さんが珍しく三笠の首を絞める。
「だから〜僕が行ってくるよ。チームとは書いてても何名とか人数指定ないし。く、くるし…」三笠がガッチリ宅配お兄さん体型の白田さんに殺されかけてる。
「あ、あの正社員にしていただきましたし、撮影も白田さんに教えていただいたので私が行きましょうか?
来週は19歳になるし…もう、大人です。」と控えめに珠泪ちゃんが手を上げる。
珠泪ちゃんは唯一の家族だったおじいちゃんを病気で亡くしてるので、確かに親の同意書とか要らないが…
「ダメだよ!僕らが親代わりだから!絶対許さないよ!そんなの!」と原田くんと公くんが珠泪を両側から抱きしめる。
おじいちゃんが亡くなった時に2人は珠泪の両親になると誓ったのだ。
同い年なので気持ちだけだが、珠泪をあんな危険な場所へ行かす訳にはいかない!
「ふん、僕には先月彼女が出来たんだ!
きっと彼女なら土日だけなら、仕方ないなあ〜って言いながら付き合ってくれるし!」と三笠が勝手に決める。
「そんな彼女は、ネコ形ロボットじゃないから!
お前の恋人の解釈、間違ってるから!」と白田さんにまた首を絞められた。
原田くんと公くん…「白い家」
三笠の恋人…「湾岸物語」
をご覧下さい。
初めて三笠が霊媒師として活躍するのは「黒い家」です。




