食事タイム
「皆様〜メニューはラーメン、カツカレー、オムライス、ステーキ、焼き肉丼、カツ丼などなどボリュームいっぱいになっております。
デザートもドーナツ、クレープ、プリン、アイスなども揃えてますよ〜と食事コーナーはどんどんオーダーした品物が調理されて出てくる。ケータリングではない。
横のシャワートイレ室も5室5室と用意されてるので並ばず入れる。
「スゴイね。こんなに水ジャンジャン使っても大丈夫なんですか?こんな山の中で近くに家もないし…上下水道通ってないのに。」と波瑠が心配する。
「排水溝はあるんですよ。昔のがそのまま残ってます。実は庭の奥の森の中に井戸があるので、それを引いてます。ちゃんと許可の出てる井戸です。
おかげで料理もシャワーもトイレも大丈夫なんですよ〜」とスタッフさんが教えてくれた。
「それがあればキッチンカーとかシャワートイレの機械を持ち込むだけで設置できるもんね〜へえ〜」と波瑠は感心する。
「それだけじゃ足りないでしょ?燃料が無いと!
特にストック見当たらないけど、ガス燃料はストックあるの?シャワー室のお湯作るの燃料要るよね?」と三笠が文句を言う。
本当に口の聞き方もなってない男だ。
まあ、こちらは命がけなのだ。
確かにテレビ局には、それなりに温かい食べ物や温かいシャワーと衛生的なトイレをお願いしたいが。
すでにほぼ内臓破かれた死にかけの入院患者と行方不明者2名出ている。
「燃料は、オーナーからの提供なんですよ。
なんでも余ってるそうで。」スタッフがハキハキと話す。
「オーナー?ってどんな人なの?」三笠が聞くが、そこは良く分からないらしい。スタッフは首を振る。
「森の中に井戸の近くに地下倉庫があるんですよ。
そこにPLガスがたっぷりあるんですよ〜古くなったら危ないからサクサク使ってくれと言われてるんですよ。」と説明があった。
「その地下倉庫、見たいな。」と三笠が言ったが、「すみません。井戸と燃料は危ないから絶対参加者近づけないように言われてるんですよ〜」と断られた。
なのに三笠はどんどん波瑠の手を引いて庭続きの森の中に入る。山を登っていく。
「あっ、ダメかあ〜チッ、監視役居るよ。厳重だな。」と木陰に波瑠を抱き寄せて隠れた。
波瑠は大変なんだけど、「良い週末の金曜日の夜♪」と心の中で思ってしまっている。
不憫なアラサーである。
「知ってる?この峠を越えると鎌倉の名所があるんだよ。左手にも江戸城築城の為の現場あるけど。」と暗闇の中で山の上の方と脇手のくだり坂を指さす。
「何があるの?山のあっち側は?」波瑠が聞く。
「北条高時が自害した腹切りやぐらだよ。鎌倉幕府が正式に終わった場所だね。」三笠が説明する。
「鎌倉は、朝廷から京から攻め込まれても守りやすい地形だったから東の武士達が集結したんだよ。高時も最後まで諦めなかったんだろね。
ここなら三方切通しで少ない手合いでも大人数を相手できるからね。」と話す。
「へ〜っ、ここに公爵が別荘作ったのはそういう歴史もあるのかな?」波瑠は会社の人間では聞かない話が聞けるのも楽しいなと思う。とにかくデートだ、これが。
「脇手は?」と山のくだり坂を指さす。
「石切り場だよ。江戸城の四角い石はここから切り出されて運ばれたのさ。つまり…山の中に空洞があるかもしれないんだ。
大谷石の採掘所が神殿みたいなの知らない?」と三笠に聞かれる。
「知ってる。漫画とかドラマでも良く使われてるし。」波瑠も見たことある。
「ココにもね…もしかすると切り出した地下空間があるかもしれない。
高時の時には無かったから諦めて腹切りしたが、その後の武士はイザのために作ったかもしれないんだ。
特に徳川家康はね、念には念を入れる性格だしね。」と笑う。
「そうか!自分が亡くなった後に2代3代で弱体化するのは良くあるもんね。そこまで考えてなかったとは思えないよね。
江戸城築城のついでに地下要塞を作ってたかもしれない?」波瑠も何だかワクワクしてきた。
徳川金塊より信憑性ありそう!
「消えてる人が皆地下に消えてるだろ?
それが気になるんだよね。あの屋敷は、ちょうど山の中腹だしね。元々寺があった敷地なんだよ。」三笠が話す。「横に見えてる報国寺!足利家の寺ね?」波瑠がひらめく。
「先の鎌倉幕府を倒した時から足利家は追われる立場になった。イザのために室町幕府も石を切りだして要塞を中に作ってたかも?それを徳川家康が引き継いだ?」波瑠はワクワクが止まらない。
「まあ、全ては憶測だけどね。
小田原城を北条家から引き継いだ時にその守りの堅さに感銘し江戸城の模範としたんだ。小田原の北条家は室町幕府の執事の家柄なんだよ。
関東を拠点とする事を決めた徳川家康は、鎌倉室町からの守りのノウハウを学んだはずなんだ。」と説明する。
こわいこわい、娘が走って東京から来たよ…
お前はバイクか!




