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生徒会室は秘密の監獄 ~義兄の執着と溺愛がひどくて困ってます~  作者: はなたろう


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9/13

#9 疎外感

日曜日、遅い時間に目を覚ました零がリビングに行くと、弦の他に珍しい客がいた。



「こんにちは、零くん。お邪魔しているわね」



ソファに腰掛けていたのは、副会長の如月だった。


柔らかな透け感のあるブラウスに、身体のラインを綺麗に拾うタイトスカート。

見慣れない私服姿に、零は思わず視線の置き場に困る。



「……っす」



ぶっきらぼうに返事をする。



「寝起きの零くん、かわいいわね」


「だらしないの間違いだろ」



弦が冷たく一蹴する。



テーブルには、修学旅行の資料が広げられている。

弦と如月で打ち合わせをしていたらしい。『学生主体』という校風からか、聖音高校の生徒会というのは、なかなか忙しそうだ。



「零くんのお母様、とっても優しそうな方ね。さっき、ご挨拶したのよ」


「っそすか」



如月が穏やかに微笑み、零はぎこちなく返事をした。



「如月。そろそろ終わりにするぞ」



弦が冷淡に言う。


零がリビングに来てから、一度もこちらを見ない。



――なんだよ、感じ悪い。



自分でも理由がわからないけど、妙にイライラした。

それが如月への苛立ちなのか。弦への苛立ちなのかはわからない。



「それじゃ、打ち合わせはここまでね」



如月が立ち上がる。


帰るのか、と零が安堵しかけた瞬間だった。如月は零の目の前で、弦の手にそっと触れた。



「弦の部屋に行きましょう」



わざと見せつけるような仕草。

熱を含んだ女の視線。



「そうだ。零くんも、一緒に来る?」


「……え、いや」



どういう意味だ?

まさか、トランプでもやるわけじゃないだろうに。



「あら、のぞくのが好きなのかなって。違った?」



何の話だろう。



「ほら、3月だっけ……。見てたでしょ?生徒会室で、私と弦が――」


「如月」


「あは、ごめん」



その瞬間、全身の血が一気に熱くなった。



フラッシュバックするのは、生徒会室の光景。



漏れていた吐息の正体は、如月だったのか――。




「それとも、3人でする?」


「なっ……!」



頭が真っ白になる。


からかわれているだけだとわかっているのに、如月の瞳は妙に艶めいていて、冗談に聞こえなかった。



「如月、よせ」



弦が低く制した。



その声音に、零の胸がまたざわつく。



「怒らないでよ、冗談なんだから」



如月は楽しそうに笑い、弦の腕を取った。

零の横を甘い香りとともに去る。



どうしてだろう。


如月に触れられている弦を見ると、こんなにも落ち着かないなんて。



零は手元の冷え切った水を一気に飲み干した。


それでも、胸の内のどろりとした感情は消えず、ただ虚しく身体を冷やしていくだけだった。




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