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生徒会室は秘密の監獄 ~義兄の執着と溺愛がひどくて困ってます~  作者: はなたろう


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#10 裏腹な心と身体

いつの間にか眠ってしまったようだ。



予定のない休日なんてこんなもんか。夕飯までもう少しだらだらして過ごせばいい。



そのときだ。

ノックもなくドアが開いた。零は弾かれたように身体を起こす。



「弦」



そこに立っていたのは、冷ややかな空気を纏った弦だった。



「如月先輩は帰ったのか?」


「ああ」



弦は短く答えると、遠慮なく部屋に入り、零のベッドへと座った。



「な、何の用だよ」


「兄さんには近づくなと言ったはずだ」



思わず体を引いてしまう。背中に壁の冷たい感触が伝わった。



「如月から聞いた。昨日の放課後、兄さんの車に乗り込むところを見たってね」



弦の手が零の足首を掴んだ。



「いてっ!」



足首を思いきり引き寄せられて、頭を壁にぶつけてしまった。



「僕の呼び出しを無視して、兄さんの車でドライブか」



気づけば、腕の中に閉じ込められた。

逃げ場のない至近距離で、弦の熱い吐息が肌に触れた。



「バイト先まで送ってもらっただけだ!」


「それだけ?」


「あ、当たり前だろ!」


「なら、確かめる」



Tシャツを乱暴に奪われる。



「律さんはお前とは違うんだ。変なことするわけないだろう!」


「口答えをする余裕があるんだな」


「っん!」



弦の指が零の唇を強引に割り込み、舌の動きを封じるように掻き回す。

抵抗しようと上げた手は、あっけなくシーツに組み伏せられた。



「んっ……ふ、ぁ……っ!」



深い接吻に、零の思考が白く染まっていく。

だが、熱くなる身体のどこかで、冷え切った思考が鎌首をもたげる。



この手で……、さっきまで、如月先輩を抱いたのかな。



今、自分を組み伏せているこの手が、指が、唇が、舌先が――。

胃の奥からせり上がるような嫌悪感が全身を駆け巡った。



「や、やめろよ」



汚らわしい。

如月の残り香が、弦の肌から漂ってくるような錯覚に陥る。



「……触るな……ッ」



顔を背け、拒絶の言葉を吐き出す。


しかし、弦は止まらない。それどころか、執拗に肌をなぞり始めた。



「そのわりに、もう欲しがってるな」



耳元で囁かれる残忍なまでの甘い声。

服を剥ぎ取られ、剥き出しになった肌に弦の熱が直接触れる。



「あっ!」


「ほら、もっとしてって、言ってみろよ」



嫌悪感と反比例するように、身体は無様に震えて熱を帯びていく。

弦の指先が、零の敏感な場所へと滑り込んだ。



「っ……は、あ……っ!」



声が漏れる。拒みたいのに、拒めない。

それどころか、弦に触れられるたびに、疼いていた場所が歓喜の声を上げるのを自覚してしまう。



弦の冷ややかな瞳が、屈辱に濡れる零の顔を覗き込む。



「僕のものだって、ちゃんと覚えておくように」


「……っあう!」



零は涙で滲む視界の端で、自分を嘲笑った。

如月への嫉妬なのか、それとも自分だけのものにならない弦への苛立ちなのか。



ぐちゃぐちゃにかき混ぜられた感情は、快楽という名の濁流に飲み込まれていく。



「君は僕から逃げられない」



弦の重みが全身にかかり、意識が遠のいていった。

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