忙殺
◆西暦2000年5月15日(月)◆
朝7時、けたたましく目覚ましが鳴った。
今日はやる事が山盛りだ。眠いけど仕方無い。でも新しい能力”不眠不休”のお陰か思ったよりも辛さは無かったので安心したよ。
「やばい、今日やらないと行けない事って何だっけ?」
メモを取り出して確認する。
・ファティマ初登校日
・外壁リフォーム開始の連絡(明日の朝)
・マンハッタン自宅の光熱費支払い、そして布団とシーツを戻す事。
・養護施設にパソコンとプリンタ設置、DVD&スマホ&ネットスーパー説明
・子供たちに予防接種。その後スクール・ディストリクト・オフィスへ再訪問し入学日決定する。
・フランソワーズさんと再会
・ミスリルなど採掘(資金集め)…これは後日でも可。
「パソコンは後日に回そう。無理そうだ。スマホはあずさちゃんに何とかお願いしよう。
ネットスーパーは、その前にまずは実際に行って買い物して配達を依頼するとこまでしないとね…うぅ
あ、フランソワーズさんの約束の時間どうなったかな?」
サイトを開くと返事が届いていた。今日の15時か…日本時間で夜の22時…まじかー…またなのかー…ガクリ。一応OKの返事をしておいた。またもや時差のせいである。おのれー。
「ま、他の予定と被らなくて良かったとポジティブに考えよう、うん」
それからいつものルーチンを熟し、朝食の席で、
「ファティマちゃん、あまり構えなくてごめんね。今日から学校だけど大丈夫?」
「うん、予習もしたから大丈夫だよ」
「おぉ、さすがmy天使。抜かり無いな。ふふふ」
「えへへー」
「学校行く前にちょっとマンハッタン行って、夕食あげてくるから学校行く準備しといて。本当にごめんね、手伝えなくて。文句は時差に言うのよ」
「「「無問題」」」
「あ、外壁のリフォーム屋さんも来るんだった…えっと向こうの朝って事はこちらの22時頃…パリと被ってんじゃん…うわぁ。こ、これは使用人たちに頼めばいいか。
あとあずさちゃん、学校から帰ってきたら、あちらの使用人と子供たちにスマホでの電話のかけ方、これはネット通話がいいな。国際電話高いしね。それとメールの仕方、ネットスーパーのやり方教えてくれない。最初は私も一緒するから。
これはあずさちゃんが寝る前だから、向こうが起きた後の20時~21時の間だな。うぬぬ…時差め、どこまで苦しめれば…」
「いいよ。分かった。お姉ちゃん、あまり無理しないでね」
あずさちゃんが隣に来てぎゅーとしてくれたよ。お陰で疲れが吹っ飛んだ。
「あ、そうだ。みんな、このネックレス、これからは肌身離さず付けててね。お守りみたいなものだから」
「「「「「うん」」」」」
一人づつ渡しながら、このネックレスがどんな攻撃も受け付けない事と、トップを2回叩くと目の前に”静電気”を発生する事を説明しておいた。
「で、それから…子供たちの予防接種が朝10時…うーん、これはパリが終わってから行けばいいね。
…あ、いかん、時間が…それじゃ行ってくるねー。すぐ戻るから」
「「「「「行ってらっしゃーい」」」」」
* *
【時差情報:-13時間】日本:7時20分 マンハッタン:18時20分
「ハロー」
『お姉ちゃん、来たー』
『姉ちゃん、もうご飯食べてるぞ』
「ご主人様、頂いております」
「遅かったかー。そのご主人様ってのも…ま、今はいいか。シャイラさんたちは寝てたから、結果的にお昼抜きになったけど大丈夫?」
「「「はい、大丈夫です」」」
「うん、それじゃ食べながら聞いて。
伝える事が4点あります。よく覚えていて下さい。一応予定を書いた紙を壁に貼っておきます。
まずは買い物ですが、スーパーが家まで届けてくれる事が分かりました。あとパソコンやスマホで注文して、お店に行かなくても届けてくれるそうです。これについては明日の朝うちの妹に詳しく説明させます。取り敢えず今日はこの後日本で用事があるので、それ終わらせて戻ってくるので、ザレフさんも一緒にスーパーに行って必要なもの買い物しながら家に届けて貰うやり方を教えます。男の子も何人か連れていきましょう。
もちろん持って帰れる量ならば頼まなくてもいいですよ。頼むとすぐには持って来てくれないですからね。頼んでどれくらいで持って来てくれるのかの確認の為にも必要でしょう」
「はい、分かりました」
『『『分かったー』』』
「その後、明日の朝10時に子供たちは学校に行く為に必要な予防接種を受ける為、病院に行きます。これはザレフさん以外、シャイラさんたち3人にもついて来て欲しいです。ザレフさんはお昼の準備をお願いします」
「「「「はい」」」」『『『『『えー、病院やだー』』』』』
「駄目です。これをしないと学校に行けないので強制です。痛くならないおまじないしてあげるから頑張って」
『『『う、うん…分かった』』』
『痛いの?』
「おまじないするから痛くないよ」
『うん』
「病院から帰るとお昼を食べて、午後から子供たちは勉強です」
『『『『『うん』』』』』
「勉強が終わったらおやつを挟んで訓練を行います。本当は朝一がいいのですが、私の時間が足りないので。これはシャイラさんたちも手伝って下さい。ザレフさんも参加してほしいですが、朝食の準備で無理でしょうね。時間があれば参加して下さい。明後日からは朝食前にシャイラさん主導で1時間ほどやらせて下さい」
『『『『『分かったー』』』』』「「「「はい」」」」
「それとこれも明日の朝ですが、業者がこの建物の外壁のリフォームに来ます。中には入って来ないので、来たらそのまま工事をやらせて下さい。何日か煩くなるかもしれないけどごめんね」
「「「「はい」」」」『『『『『うん』』』』』
「それじゃすぐ戻って来るので…」
「「「「行ってらっしゃいませ」」」」『『『『『バイバーイ』』』』』
急いでアメリカの自宅へ行き、布団類を戻し、シーツは畳んで押入れに入れた。
(光熱費の支払いは、今はもう閉まってるね。明日みんながお昼食べている時にでも行くか。はぁー。取り敢えず日本に戻ろう)
* *
「ただいまー」
「「「「「おかえりー」」」」
ソファでちびっ子たちから幼女成分を充電しながら紅茶を飲んで少し休憩する。
やがて登校時間になったのでラクワちゃんとエマちゃんに留守番を頼み学校へ向かう。
「ファティマちゃんの先生に挨拶するだけだから、すぐ戻ってくるからね。待っててね」
「「うんっ」」
あずさちゃんとフランちゃんは教室へ向かい、私はファティマちゃんと職員室へ入っていく。
「おはようございます。ファティマの母です。今日からお世話になりますので、宜しくお願いします」
ファティマちゃんには偽装でお母さん役をやるからと事前に行ってある。
「おはようございます」
『『『おはようございます』』』
「こんにちわファティマちゃん、私が3年A組の担任の櫻井よ。フランちゃんもいるのよ。これから1年、フランちゃんと勉強頑張りましょうね」
「はいっ」
「この子も外国からの養子です。フラン同様宜しくお願いします」
「はい、分かりました。ご安心下さいね」
「それでは皆様、うちの子を宜しくお願いします」
『『『お預かりします』』』
ファティマちゃんを先生に預け、自宅へ戻った。
「ただいまー」
「「おかえりー」」
「あぅ、2人共元気分けてー」
ぎゅーと抱きしめ、元気成分を補給する。
「「きゃー、あはは」」
(取り敢えず、もうわけ分かんないから、タイムラインで今日すべき事を整理しよう、うん)
日本 米
┌ 7時-18時 米、子供たち夕食→マンハッタン自宅へ布団戻す
├ 8時-19時 日、ファティマ初登校日
├ 9時-20時 米、ザレフさんたちとスーパー買い物、宅配依頼練習
├10時-21時 日、ひなた、ラクワとエマ連れロビー&環境活動
├11時-22時 |
├12時-23時 |
├13時- 0時 ↓ 比12:00、昼食招待の治療アポ消化。
├14時- 1時 日14:30、ファティマ出迎え
├15時- 2時 日、ひなた仮眠
├16時- 3時 |
├17時- 4時 ↓
├18時- 5時 日、夕食
├19時- 6時 日、お風呂
├20時- 7時 米、あずさちゃん、スマホ&ネットスーパー説明
├21時- 8時 日、子供たち就寝
├22時- 9時 仏15:00、フランソワーズさんと再会&米、外壁リフォーム開始
├23時-10時 米、子供たちに予防接種→スクール・ディストリクト・オフィスへ再訪問
├ 0時-11時 米、子供たちに入学時期説明
├ 1時-12時 米、子供たち昼食&米自宅の光熱費支払い
├ 2時-13時 米、子供たち勉強(今回は軽め。明日から午前中へ)
├ 3時-14時 ↓
├ 4時-15時 米、子供たちおやつ休憩
├ 5時-16時 米、子供たち訓練(今回は軽め。明日から朝食前1時間)
├ 6時-17時 日、子供たち起床→訓練→朝食
└ 7時-18時 米、子供たち夕食→DVD説明(アニメ視聴など)
「こ、これって…ちょっと無謀じゃない?まじで泣けるわー」
「「お姉ちゃん?」」
今度は抱きしめられた。癒やされるー。
「午前中はラクワちゃんとエマちゃん放っておくわけにもいかないから仮眠も無理だしね。
どこかに時間自由のアポ1件かできれば2件入れたいなー。午前中に1件入れとくか。
これらの合間にシャイラさんたちへのちょこちょことした説明をしないとなー。まだよく分かっていないはずだし…」
* *
「それじゃお仕事行くよー。まずはマンハッタンでお買い物だー」
「「おー」」
【時差情報:-13時間】日本:8時50分 マンハッタン:19時50分
「ただいまー」
『『『『『おかえりー』』』』』「「「「おかえりなさいませ」」」」
「あ、シャイラさんたち特にする事なければ子供たちと一緒にテレビとか見て寛いでもいいからね。やる事してれば後は自由でいいよ」
「「「「は、はい。分かりました」」」」
何だかずっと立ってそうなので予め言っておく。
「それじゃ買い物行くよ。家に配達してもらうやり方教えるからね。4人は付いて来て。
後はドンくんと男の子誰か2人一緒に来て」
「「「「はい」」」」『『『うん』』』
「ザレフさん、明日以降の食材、3日分ぐらいでいいかな。足りないの買うので考えといて」
「少々お待ち下さい。再度確認してきます」
「オッケー。ま、何か足りないのがあれば、男の子たちにその都度買いに行かせればいいよ。
あ、シャイラさん、お金渡しとくね。ザレフさんが食材買う時とかに使って。あとみんなの足りない洋服とか、石鹸などの消費する物、子供たちの文房具、おやつとか、必要なのがあれば使っていいからね」
「はい、分かりました」
(うーん、電気や水道、ガスなどは口座作って振替にしたほうがいいかな…ネットもあるし…あ、自宅もあるから必須だな。うん、これも予定に入れとこう)
みんなで歩きながらスーパーに向かうが、案の定驚かれた。
「ご主人様あれはなんでしょう?馬車でしょうか?でも馬は繋がれてませんね」
「「「うんうん」」」
「あれは自動車と言って鉄で出来た乗り物よ。馬車ではないわ。魔法でも無い特別な原料で動いているのよ」
「「「「うーん」」」」
「仕組みは私もよく知らないからそういう物だと認識すればいいわ」
「「「「はい」」」」
途中、文房具を扱う店、洋服や靴など衣類を扱う店を使用人に少しづつ教えていく。
程なくしてスーパーに着くと、みんなで中を見て回る。
「ご主人様、この品揃えは見事ですな」
「でしょー。それじゃ回りながら必要な物を買って行くよ」
「「「「はい」」」」『『『うん』』』
「あ、そうだ。ザレフさん、向こうでは高くてこっちでは安いもの、例えばコショーとかもそうでしょ。そういうの発見したら教えて。
ちなみにこの1ドル紙幣がだいたい向こうの銅貨1枚くらいよ。そしてこの10ドル紙幣が銀貨1枚ね。100ドル紙幣もあるわよ。これは金貨1枚ね。
その間に5ドル、20ドル、50ドルの紙幣があるわ。
そして1ドルの下にセントというコインがあって、1ドルは100セントよ。なのでこの10セント硬貨が鉄貨1枚よ。鉄貨の10分の1のコインがこれよ1セントね」
全てのコインと紙幣を見せて説明する。
「なるほど。分かりました」
「「「なるほど」」」
野菜、果物、パン、気になる調味料など、分からない物は説明しながら一通り回っていく。
「あ、ザレフさんと、えっと、シャイラさんは18歳だから、ここでは未成年か。もし夜お酒飲みたかったら、たくさんは駄目だけど、買って帰ってもいいよ。ここのお酒は種類が豊富だからね」
「「いいのですか?」」
「いいよ。その代わり酔っ払うほど飲んじゃ禁止にするからね」
「「はい、ありがとうございます」」
おっ、ちょっと嬉しいそうだ。
「リリアナさんやセラちゃんも向こうではお酒飲んでたの?」
「私は隠れて少しだけ飲んでました」
「私はずっとお嬢様と一緒でしたから飲んだ事がありません。流石に未成年なので飲めないですが」
「それじゃリリアナさんも少しなら良いわよ。セラちゃんは15歳になってからね。
今いるアメリカって言う国は本当は21歳以上じゃないとお酒飲んだら駄目なのよ。外で飲んだりしたら捕まるから注意してね。家で飲んでる事も外では言っちゃ駄目よ」
「そうなんですね。びっくりです」
「「「うんうん」」」
お酒や飲み物も入れていく。今回は試しなのでビールだけにしといた。一応酒精の強いお酒とその見分け方も教えておいた。所謂度数ってやつね。
最後にレジに並び、商品を精算する。ザレフさんに提示された金額を出してもらったらちゃんと理解してたらしくきちんと支払う事ができた。
「ザレフさん、記憶力抜群ですね。素晴らしいです」
「ありがとうございます」
それからレジの人に配達を依頼すると、担当の方が来て引換証を渡され、私の代わりにきちんと宅配時の説明をしてくれた。今日は遅いので明日の午前中になるらしいと分かり、朝食分だけ持ち帰る事にした。
「みなさん、買い物から自宅への配達…これは、宅配と言います…までは理解できましたか?」
「「「「はい」」」」
「あとはわざわざここまで来なくても家にいながら商品を選んで注文する方法は明日の朝説明しますね」
「「「「はい」」」」
「いやぁー、大変素晴らしい仕組みですな。向こうにいた頃に比べれば天と地ほどの差がありますよ」
「ふふーん、そうでしょう。これで少しづつ向こうと違う世界と言うのが分かってきたのではないですか?」
「えぇ、そうですね」「「「はい」」」
施設に戻り、外出した時に気づいた事をまずやっておく。
(えっちゃん、使用人たちってまだ戸籍に入れてないよね?)
《YESマスター》
(それなら春日姓で入れといて長男、長女とか年齢順に適当につけていいよ)
《畏まりました》
「それじゃ、私はこれから仕事があります。
本当は皆さんにこの世界の事を色々と説明しなければならないのですが、一度に詰め込んでも混乱するばかりでしょうから少しづつ覚えて行って下さい」
「「「「はい」」」」
「する事がない場合は小さい子の面倒をたまにでいいので見て下さい。絵本を呼んであげるとか、DVDのアニメを見せてあげるとか、庭で遊ばせるとかするといいですよ」
「「「「わかりました」」」」
(そうなると外から急に暴漢とか入ってきても大丈夫なように結界でも貼っておくか。うん、そうしよう。
えっちゃん、外からの攻撃や細菌など病気、害虫、悪意ある者とかの侵入を阻む結界とか作れないかな?常時展開するタイプで、外からは中の様子が分からないように。例えばみんなでナイフ持って訓練しても、そとからは誰もいない庭に見えるように出来る?子供たちが全員ナイフ持ってるとこみられたら通報されかねないからね)
《YESマスター、可能です。
鑑定と時魔法、聖魔法の”聖結界”、空間魔法の”密室空間”、生活魔法の”害虫避け”、”魔物避け”などを組み合わせて”完全結界”を創造します》
(うん、お願いね)
「それじゃ、また来るわね。あなたたちも昼夜逆転して辛いでしょうけど、今日も早めに寝て、こっちの環境に早めに慣れて頂戴。
もう20時なので、すぐに子供たちを風呂に入れて。あなたたちも一緒に入って。出たら寝間着に着替えさせて、ホットミルクでも飲ませて21時にはみんな寝させるのよ。ホットミルク飲むと夜が良く眠れるからね。寝る前におトイレも行かせて。おねしょしたら大変だから。
子供たちの服は明日の朝洗濯するといいわ。洗濯機の使い方はもう大丈夫よね?」
「「「「はい、分かりました。大丈夫です」」」」
「少しづつ毎日のサイクルを掴んで行って。それじゃ、またあしたの朝来るわ」
「「「「行ってらっしゃいませ、ご主人様」」」」
コクリと頷いて日本に戻る。
* *
「ただいまー」
「「おかえりー」」
「ごめんね。留守番させちゃって。それじゃお出かけしようか」
「「うんっ」」
「あ、エマちゃん、明日病院行くからね。それと多分学校が来週から始まるから、明日から向こうで生活して。今向こうとここじゃ昼夜逆になってるから、元の環境に戻さないとね」
「えーっ、病院やだー。それにお姉ちゃんといたい」
「うん、私もエマちゃんといたいけど、学校があるからね。今ここ明るいでしょ?でもマンハッタンはもう夜でみんなこれから寝るところなの。だから学校始まったら大変でしょ?夜眠いのに学校に行くみたいなものよ?
それに学校に入る為に病院には行かないといけないのよ。アメリカが決めたルールだからね、絶対なの。痛くないようにおまじないするから頑張って」
「う、うん。分かった。でも寂しいー」
「私も寂しいよ。これからも会いに行くからね」
ギューッと抱きしめる。ラクワちゃんもじぃーっと見てたので一緒に抱きしめた。
「私も学校行きたいなぁ…」
「えっ…あ、ラクワちゃん、学校ってどうしてるの?」
「近くに学校無いの。それに学校行かないでお仕事手伝いなさいって言われてるから」
(あー、生活厳しいみたいだものね。学校行かせてる余裕ないか…うーん、どうしたものか…ま、ゆっくり考えよう)
「ちょっと考えておくね。どうなるか分からないけど」
「学校行けるの?」
「うーん、ごめんね。まだ何とも言えないや。決まったら教えてあげるからね」
「…うん、分かった」
「そんな寂しそうな顔しないで。ラクワちゃんも私の大切な妹だからね。一生懸命考えるよ」
「うんっ。お姉ちゃん、ありがとう」
「よし、それじゃお仕事行くよ」
「「おー」」
それから通報のあった不法投棄場所に行き、たまたまゴミを捨てようとしてた住民に出くわして、天使の羽を出現し、天罰だと言って”静電気”を浴びせたり、ロビー活動を行ったり、時間指定無しの治療依頼元を精力的に回ったりした。
2人共色んな場所に行けて楽しいようなので安心である。
そして、最後にフィリピンからの依頼元へ向かう。お昼を用意してあると言うので今回はそこでごちそうになる予定だ。
* *
【時差情報:-1時間】日本:12時50分 フィリピン セブ島:11時50分
「フィリピン料理って楽しみだね。どんなのかなー」
「「楽しみー」」
「お昼遅くなっちゃってごめんね」
「「ううん、大丈夫」」
今回訪れたのはフィリピンのセブ島を中心に何ヶ所もの観光リゾートを経営している富豪のオーナー宅だ。
指定されたホテルの中に入っていくと、男性が出迎えてくれた。
「ようこそおいで下さいました。社長から丁寧に出迎えるよう仰せつかっております、”ロナウド”と申します。
早速ですが、会議室にて社長及びご子息がお待ちですのでご案内致します」
「えぇ、宜しくね」
ロナウドさんの後についていく事数分。大きな会議室の中へと案内された。
「これはこれはソル様、ようこそお越し下さいました。私はこの観光リゾートを経営している、”マノロ”と言います。どうぞよしなに」
「ソルです。本日はお招きありがとうございます」
「そして、こちらが私の愚息で”エミリオ”と言います。今回のお願いはこの子の事です」
「エミリオだ。宜しくな!」
胸を張って自己紹介してきた。
「こら!エミリオ。ちゃんと挨拶しなさい」
(何この子、可愛い顔して、威張った物言いって…これって、あれ?ギャップ萌えってやつなの?)
「うんうん、宜しくね。腰に手を当ててる姿がとても可愛いわ」
「可愛い言うな!俺はかっこいいんだぞー」
「ごめんね、かっこいいよー」
「えっへん」
「「・・・」」
my天使ちゃんたちは絶句しているようだ。頭をポンポンと優しく叩いてあげた。一応怒らないようにね。
「それではお腹も空いている事でしょうから、先に食事から頂きましょう」
「「「はい」」」
「うんっ、もう食べて良いかー?」
良いと言ってないのにもう皿に取り始めるエミリオくん。
「「・・・」」
「ったく、エミリオ、もっと行儀よくしなさい」
「分かったー」
明らかに空返事だった。
…これはマノロさんも手を焼いていそうだな。頑張れー。
「ささ、ソル様方もどうぞ召し上がって下さい」
「「「はい、いただきます」」」
それからエミリオ君に話しかけたりしたが、ご飯に夢中で”あー”とか”おー”とかばっかりだった。
でもたまに咳をするのが気になった。
仕方が無いので私たちも食事に集中する事にして、時折マノロさんと他愛ない話をしながら昼食は終わり、今は紅茶を片手に簡単なお菓子を頬張っていた。
「さて、そろそろいいですかな。
ソル様、この子は重症のアトピー性皮膚炎と喘息を持ってまして…」
そう言って、エミリオ君の服をたくし上げ、お腹の症状を見せてくれる。
「父ちゃん、急に何するんだ。女の子もいるんだぞ!」
「エミリオは少し黙ってなさい」
「ちぇっ…」
そして腕や足なども見せてくれた。かなりの広範囲が腫れて、赤みを帯びて盛り上がってて痛々しい。
「最初はアトピーだけだったのですが、医者が言うには”ダニや花粉などの吸入アレルゲンに感作されて、成長に伴い気管支喘息を患ったのでしょう”との事で喘息も患いまして。
それに夜中痒くてほとんど眠れないようで、朝起きるとシーツが真っ赤に染まっていたりするんですよ。最近は咳も酷くて…。
色々な病院にも見せたのですが、中々良くならなくて困ってましたところ、知人からソル様のサイトを紹介されまして、お招きした次第です」
「分かりました。それでは早速治療に移らせて頂きます。エミリオ君、ここに座って手を出して頂戴」
「何するんだ?手を出してどうするんだ?」
「エミリオ!」
マノロさんに怒られても平気なようだ。
私は仕方無く手を差し出してエミリオ君の手を取ろうとしたが、
「なっ、女が勝手に男の手を握るものじゃないんだぞ!」
(何よそれ。意味分かんない。どんな理屈なのよっ)
そう言うと室内を逃げ出した。むむむ、今回の敵は厄介だ。
マノロさんも捕まえようとするが逃げ足だけは早いようだ。
ラクワちゃんとエマちゃんも一緒になって捕まえようとするが全然捕まる様子がない。
(これってもしかして遊ばれてない?鬼ごっこのつもりなのかな?
私あまり時間無いんだけどなぁー…仕方無い)
”縮地”で一気に近づきエミリオを確保すると、ソファに無理やり寝かせた。
「なっ、お前今のどうやったんだ。何で急に側に現れた!勝手に触るな!変態!」
変態呼ばわりはちょっと精神が持って行かれたが、ジタバタ暴れ始めたので、
「ちょっとだけ静かにしてようね。すぐ終わるからね、”催眠誘導”!」
唱えたとたん、急に静かになって眠りだした。
「そ、ソル様、一体…息子に何を?」
「あ、ご心配無く。催眠術のようなものです。少し眠って貰いました。終わったら起こすのでご安心下さい」
「ほっ、分かりました。しかし流石ですな。あの暴れん坊をいとも容易く捕まえるとは。愉快でしたぞ。ははは」
「治療が進まないと思ったのですみません。では、始めますね」
「はい」
エミリオ君の手を取って身体に魔力を流し精査する。
(皮膚はほとんど患ってるわね。喉も炎症おこしてるか。肺も弱ってるわね…うん。それじゃ、いくよ、”完全治癒”!)
”絶対回復”でも大丈夫だと思ったが、面倒なので早く終わらせるべく完治させる事にした。
すると赤く腫れ上がっていた皮膚、ジクジクした傷が全身に行き渡るように綺麗になっていき、顔色も良くなった。鑑定でも完治した事が確認できた。
「はい、終わりました。これで大丈夫です。完治した事も確認しましたが、不安でしたら病院で再検査して下さいね」
「おぉー、ありがとうございます。これで息子も今夜からぐっすり眠れるでしょう」
「えぇ、それじゃ起こしますね」
”催眠誘導”を解除すると目をパチリと開けて飛び起きた。
「な、何で俺眠ってたんだ?お前何をした!」
ゴンッ…
「いたっ…父ちゃん、急に叩くなんて酷いぞ」
「いい加減にしろっ。自分の手や顔をそこの鏡で見てみろ。ソル様が治してくれたんだぞ」
「えっ」
そう言うと鏡に向かって駆け出し、自分の顔を触ったり、お腹や腕、足など色々な場所を忙しなく確認していく。
「あ、父ちゃん、俺治ったのか?」
「ああ、そうだ。ソル様にお礼を言いなさい」
「う、うん、姉ちゃん、ありがとな…」
下を向いて照れながらお礼を言ってくれた。暴れん坊なだけで基本的にはきっと優しい子なのだろう。可愛いな、おい。
「もう大丈夫だから安心して。もう元気な身体になったんだから、エミリオ君はお父さんみたいになれるようにこれからも頑張るのよ。そしてその言葉使いも直しなさい。そんなんじゃ、将来部下を持っても嫌われちゃうわよ。いいわね」
「うん、分かった。頑張るよ」
「おぉ、エミリオ、父ちゃんも嬉しいぞ」
「うんっ」
(もしかして寝不足や病気のせいでやさぐれてただけなのかな?急に良い子になったな)
my天使たちもニコニコ顔だ。良かったよかった。一件落着だね。
それから例のごとくジュラルミンがやって来てお暇する事になった。
「それでは帰りますね。エミリオ君もまたね。最後にハグしてあげる。こっちいらっしゃい」
「は、恥ずかしいよ…」
「これからのエミリオ君に期待してるからね、私からの応援の気持ちよ。頑張ってね」
そう言ってエミリオ君の手を引き、気持ちを込めて抱きしめてあげた。
「うん、頑張るよ」
嬉しそうに微笑むエミリオくんにコクリと頷く。
「ソル様、この度はありがとうございました。何かあればいつでもお越し下さい。お手伝い致しますよ」
「えぇ、その時はお願いね。それじゃ」
my天使たちを連れてその場を後にした。
* *
「まだファティマちゃんが帰るには早いわね。ちょっとラクワちゃんの家に行こうか」
「私のお家?」
「うん、お父さんとお母さんに学校の事相談しようね」
「うんっ」
【時差情報:-6時間】日本:14時10分 ウガンダ:8時10分
「おはようございます」
「おぉ、ソル様、ようこそおいでくださった。教えて頂いたブリケットもようやく皆が覚えましての。村の収入になって喜んでいたところです」
「それは良かったです」
「して、今日は何用で?」
「村長さん、この村には学校は無いの?近くの村とかには?」
「いや、ここら辺にはありませぬ。歩いて2時間ほどのところにはありますが、そこまでするより畑仕事をして貰った方がいいとの皆の見解でして」
「なるほどね。往復4時間は洒落にならないわね。健康にはなりそうだけど。
分かった。ラクワちゃんにも勉強させてあげたいんだけど、ご両親いる?」
「はい、おります。しかし、あまりいい顔はしないかと…」
「分かってるわ。だから相談に来たのよ。呼んで来て貰える?」
「えぇ、少々お待ち下さい」
暫くするとラクワちゃんのご両親がやってきた。その顔は渋顔で明らかに嫌そうだった。
「お父さん、お母さん」
ラクワちゃんがお母さんに抱きついた。
「これはソル様、ようこそおいでで。ラクワはご迷惑をおかけしておりませんか?」
「えぇ、とても良い子よ。それで相談があるのですが…」
「はい、村長から聞きました。すみませんが、家にはラクワを学校に行かせる余裕が無いのです。正直言いますとそろそろ畑仕事が忙しくなってきましたのでお返し頂ければと思っておりまして」
「そう。もちろんこちらにはお断りできるはずもありませんのでお返ししますが。
ラクワちゃんにはこのまま学校には行かせるつもりは無いのですね。この子、かなり頭良いわよ。勿体無いわねー」
「どんなに頭が良くても働かないとご飯が食べられないのです」
(うーん、言ってる事が本末転倒な気もするけど、大学まで行って高給をもらうまでは持たないって事なんだろうね)
少し思案して話を進める。
「私がこの村の病気を治した事は覚えているわよね?」
「えぇ、だからと言って娘を学校に行かせろと?もしそうだとしてもやはり無理なものは無理です」
「いえいえ、そう言う意味ではありませんよ。私はこの村だけではなく世界中を回ってたくさんの人を救っています。
そしてその度に皆さんお礼を差し出してきます。お金であったり、建物であったり色々です。
そこで提案ですが、生活が大変でしたら、ラクワちゃんを私の助手として雇いましょう。学校にも私が責任を持って行かせます。休みの日に実家に帰省する事も許可します。
私が世界のどこかでラクワちゃんと仕事をすれば、1件当たり1,000シリングを支払います。月に100件回れば10万シリングです。
ラクワちゃんの給料を毎月お2人にお渡しします。ラクワちゃんも勉強できて、あなたたちの生活も潤う。悪くない提案だと思いますがどうでしょう?」
「「えっ!?うーん…なるほど…」」
「もしそうなれば大学までは行って貰いますから、22歳までは学校で殆ど会えなくなります。
それなら、いっその事、私がラクワちゃんを養子に貰って、これからラクワちゃんを預かっている間に稼ぐであろう金額を一括でお渡ししてもいいですよ。
そうですねぇ、ラクワちゃんが今7歳なので、22歳までの15年間☓12ヶ月☓10万シリングで1,800万シリングになりますね。どうでしょう?
この場合はラクワちゃんが望まない限りもう戻ってくる事はありません。うちの子になりますので。それだけの価値がこの子にはあるのですよ」
「1,800万シリング!!!おい、お前どうする?」
「ど、ど、どうしましょう…」
奥さんと相談しだした。子供の事を思うのだったら即答で拒否れよ、ったく。鎌をかけてみたが、こう言う反応されると気分悪いね。言うんじゃなかったかな。
ラクワちゃんを見ると寂しそうだ。やっぱ失敗したなー。
ラクワちゃんを引き寄せて抱きかかえる。もちろんエマちゃんも。
”ラクワちゃん、私、学校行かせたくて変な事言ったかも。ごめんね”
”ううん、分かってるよ。ただお父さんたちがお金で悩んだから少し寂しかっただけ”
”うん、それはそうなんだけど…ちょっと失敗しちゃったなぁ”
暫くすると両親は互いにコクリと頷きあい、私に改めて向き直った。
「ソル様、それでは娘の為にも学校に行かせたいと思います。ご提案をお受けします。どうか養子としてこれからもラクワの事を宜しくお願いします」
(あちゃー、そうなったかー。ミスったー。うわー、やっちゃったかも)
自分の行いに激しく後悔するも、ラクワちゃんの将来の幸せの為だと自分に言い聞かせ、納得する事にしたひなた。思わずラクワを抱える腕の力が強くなってしまう。
「お姉ちゃん?ちょっと痛い」
「あ、ごめんね。つい…」
「ううん、もういいよ。私お姉ちゃんの本当の妹になるよ」
「分かった。もし会いたくなったら連れてきてもいいからね」
「うん」
「それではお父さん、お母さん。こちらが養子縁組の用紙です。これに名前を記入して下さい。
お金はシリングがいいですか?それともアメリカドルがいいですか?
シリングだと国が傾いた時に紙くずになるかもしれないので、アメリカドルでお持ちするのをオススメしますが」
そしてパネルを広げネットからアメリカドルとウガンダシリングの為替相場をこちらの言語で読めるように表示する。
「ご覧のように、現在、アメリカの1ドルは3,796.92シリングです。ですから1,800万シリングですと4,740.8956ドルになります。小数点を切り上げて4,741ドルにしましょう。これでいいですか?」
画面に数字を打ち込み為替変換を行い両親に見て貰う。
「はい、理解しました。アメリカドルでお願いします」
「それでは金額を確認してくれる?」
両親が養子縁組にサインしたのを確認して、お金を支払う。100ドル紙幣だと両替も大変そうだし、枚数も少なく見えるので、10ドル紙幣を474枚と1ドル紙幣を渡した。おまけでダイヤル式小型金庫、一見辞書タイプで表からは分からない金庫もサービスする。暗証番号3桁を決めてもらい、設定後お金を仕舞って、開ける練習をさせてから引き渡した。
「はい、確かに頂戴しました。では娘を宜しくお願いします」
「えぇ、立派に育ててみせますのでご安心下さい。暗証番号は絶対忘れないでね。どこかに書いたりしても駄目よ。それじゃ仕事が残ってますのでこれで失礼しますね」
養子縁組の用紙の控えを1枚渡した。
「はい、どうもお世話になりました」
(私はお世話したつもりはないわよっ)
言い方にカチンときたが、平静を装って自宅に帰還した。
* *
「うわーん、ラクワちゃん、ごめんねー。お姉ちゃん、最悪だよー」
帰ると同時にラクワちゃんを抱きしめた。
「お姉ちゃん、分かってるよ。泣かないでー」
暫く抱きついていると、ファティマちゃんの下校時間になる。
「あ、ファティマちゃんを迎えに行かないと。よし行くよ」
「「うん」」
初登校を終えたファティマちゃんと一緒に手を繋いでやってくるフランちゃんを迎え、みんな仲良く自宅へ戻った。
「ファティマちゃん、学校どうだった?お友達できた?」
「うん、何かねー。私とフランちゃんが姉妹って言ったらみんな信じてくれなくて面白かったの」
「「ねー」」
2人共楽しそうにキャッキャと笑い出した。
「ふふふ、そうなの。それは見たかったわね」
「お友達は出来た?」
「うん、フランちゃんのお友達みんなとお友達になれたよ」
「や、やるな。流石ファティマちゃん。フランちゃんもお友達紹介してくれてありがとうね」
「ううん、私お姉ちゃんだから当たり前だよー」
「そっかー。優しいお姉ちゃんだね」
「えへへー」
それから暫くして帰ってきたあずさちゃんと一緒にラクワちゃんの事を説明した。
「そうなんだ…ラクワちゃん…」
あずさちゃんはラクワちゃんを優しく抱き寄せる。
「お姉ちゃん、ラクワちゃんも私たちの妹になるの?」
「うん、そうよ。みんなと学校に行きたいんだって」
「そっかー。でも学年が違うから守ってあげられないなー」
「休み時間に会いに行ってあげるよー」
「うん」
「お姉ちゃん、私もアメリカよりこっちの学校のほうがいい」
「ミラちゃんたちと一緒の学校じゃなくていいの?もうあまり会えなくなるよ?それにもしここに住むなら、ラクワちゃんもそうだけど、日本語覚えないといけないよ?」
「うん、駄目?」
(ぐはっ、上目使いの目線止めて!破壊力がありすぎる…)
「あずさちゃん、どう思う?」
「お姉ちゃんに任せるよ。もう30人もいるんだから1人や2人…」
「おーい、遠い目するなー。帰って来ーい。そっちには天井しかないぞー」
駄目だ。戻って来そうにない。
「よし、分かったよ。エマちゃんがそう言うならそうしよう。えっとラクワちゃんが小学2年生で、エマちゃんが6歳だから1年生かー。見事に分かれたねー。
何かどんどん新しい子を学校に入れるからそろそろ何か言われなくも無い気がするなー。あははは」
「私もそう思うよ」
「ぐふっ…あ、あれ?」
バタリ…
「「「「「お姉ちゃん!!」」」」」
「あはははー。ちょっと目眩しちゃった。昨日からあまり寝てないからかなー」
「ごめんね、お姉ちゃん、私冷たくしちゃった。ぐすっ」
泣きながらあずさちゃんが抱きついて来た。それを見た他の子も心配そうに抱きつく。
「あずさちゃん、泣かないでー。みんなも大丈夫よー。ちょっと疲れてるだけだから」
「お姉ちゃん、今日の夕食、私が作るから、少し寝てきて」
「うん、そうだね。そうするよ。ごめんね。それじゃ食材出しとくね。買い物行くならお金も渡しておくよ。というかあずさちゃんにはある程度渡しといたほうがいいね。これから忙しくなる事を考えると」
キッチンへ行ってテーブルや冷蔵庫に食材を追加し、あずさちゃんにある程度お金を入れた財布を預けた。
「それじゃ、また後でねー」
「私も行くー」
エマちゃんもついてきた。
「今寝ると夜寝れなくなるかもよ」
「大丈夫。私がお姉ちゃん守ってあげるー」
「うわー、ありがとー」
「「「私もー」」」
「みんなはあずさお姉ちゃんのお手伝いしてて。一人にしたら可愛そうでしょ?」
「「「う、うん、分かった」」」
「みんな良い子ねー。ご飯楽しみにしてるからねー」
「「「うんっ」」」
エマちゃんの手を引いて寝室に入り、エマちゃんを抱きながら眠った。
* *
夕方、19時前、夕食の為に起こされた。少しでも寝てもらう為、自分たちの夕食の時間も遅くしたようだ。気持ちが有り難い。
ご飯が終わるとみんなでお風呂。湯船に浸かるとちびっ子たちの寄り添う体温もあり疲れも吹き飛びそうだ。
「あずさちゃん、お風呂上がったら向こうでスマホでのネット通話とネットスーパーのやり方教えて貰おうと思うけど大丈夫?」
「うん、平気だよ」
「「私たちも教えるよー」」
「ありがとー。ラクワちゃんとエマちゃんもしっかり覚えてね。ちょっと早いかもしれないけど、時間があれば明日買って上げるからね。明日はゆっくり出来るといいなぁー。
フランちゃんたちが来るならDVDでのアニメの見方を教えてくれる?」
「「うん、分かった」」
お風呂を上がりホットミルクで一息ついたら、みんなで施設へ転移した。
【時差情報:-13時間】日本:19時45分 マンハッタン:6時45分
「グッモーニン!」
『姉ちゃん、おはようー』
『『『『『おはようー』』』』』「「「「おはようございます」」」」
うんうん、朝は6時には起きるように言ってあったので、ちゃんと起きれたようでほっとする。
「今日はちょっとやる事いっぱいあるからねー。
まずはこの子たちが今度は寝る時間なので、その間にみんなにスマホの使い方とDVDの使い方などを説明したいと思います。
あまり時間無いので、朝ご飯ちょっとだけ遅くして貰うけど、ごめんね」
『『『『『うん』』』』』「「「「はい」」」」
「それじゃ、スマホは3台あります。私たちの持ってるスマホと合わせて合計7台あるので、まずは全員は無理なので何人かに教えるので、覚えた子は余ったスマホを使って他の子に教えて上げてね。
朝食までの30分と、終わってから30分ぐらいで、出来るだけでいいから覚えてね。いきなり完全に覚える必要はないからね。これから練習して覚えて行きましょう。
暫くはお互いスマホ同士で電話して練習してみてね。私たちの電話番号も入れてあるけど、向こうはこっちとは逆でこれから寝る時間なので、緊急の場合以外はあまりかけないでね」
『『『『『はーい』』』』』「「「「はい」」」」
それから手分けして4チームに分かれて、ネット通話の仕方を教えておく。使用人たちには普通の電話の仕方も教えておく。こちらは市内用で、それ以外はネット通話を使うように言っておいた。
理解した子が出てきたら、私たちのスマホを渡し、他の子たちへ教えて貰う。基本やり方は一緒だ。アプリは英語バージョンを入れてある。
ここで一旦みんなには朝食を取らせた。お腹が鳴ってる子もいて可愛そうだったからだ。
朝食後、今度は小学校高学年組と使用人たちにあずさちゃんがネットスーパーの注文の仕方を教えて貰う。
それ以外の子には余ったスマホを使ってお互いに通話をする練習と受ける練習をする組と、アニメDVDの見方を練習する組に分けてちびっ子たちに対応させた。
ネットスーパーは実際にザレフさんに必要な物を聞いて、ザレフさんを中心に使用人たちに注文をさせてみた。こちらも大丈夫そうだ。子供たちも覚えてくれたのでお互い助け合いながらやっていけるだろう。
少し時間が余ったので、まだ聞いていない子や使用人たちにDVDの操作の仕方を教え、メールの仕方も少しだけ教えておいた。
「後は、スマホに説明書がついているので、少しづつ勉強していって下さいね。分からないところとかあれば、私にメールで質問してもいいからね。メールならいつでもいいから」
『『『『『はーい』』』』』「「「「はい」」」」
「さて、あずささんたちはもう寝る時間ちょっと過ぎちゃったので、これから帰って寝かせるね。みんなでお礼を言いましょうね」
『『『『『ありがとう』』』』』「「「「ありがとうございました」」」」
「あと多分9時前後には外壁リフォームの業者が来るので、シャイラさんかどなたか対応お願いします。サイン求められたら自分の名前書いといてね」
「「「「はい」」」」
自宅に戻り、歯磨きをさせて、ベッドに放り込んだ。ハグ付きで。
だが、ここで問題が。案の定、エマちゃんが眠くないと言ってきたのだ。仕方無いので暫く一緒に連れて行く事にした。
* *
【時差情報:-19時間】日本:21時15分 ホノルル:2時15分
さて、何故こんな深夜にホノルルにいるかと言うと、訓練のナイフを調達する為です。
15時のフランソワーズさんとの約束までの間、悪党どもがいそうな裏路地をぶらつき、声をかけ襲ってきたら返り討ちにしてナイフを奪い、殺人などの極悪人はこの世界から退場してもらう作業を延々と続け、40本近くまで集める事に成功した。
折りたたみ式はカウントしていない。だって、あれって何かの拍子に刃が閉じて大惨事になりそうじゃない?怖くて子供たちには持たせられないよ。
集めたナイフは気持ち悪いので、鑑定で製造年月日を確認した後、時魔法の”時間操作”で新品な状態まで時間を戻し、いつもの生活魔法の”柔洗浄”→”乾燥”→”清浄”で綺麗にした。完璧である。
種類が統一していないのが難点だが、こればかりは仕方無いよね。
そんなこんなで気がつけばもうすぐ約束の時間だったので、パリに転移した。
* *
【時差情報:-8時間】日本:21時50分 フランス パリ:14時50分
自宅前でフランソワーズさんの息子、マルクさんに迎えられ自宅に入る。
「ソルさん、ようこそいらっしゃいました」
「先日は夫と息子が大変お世話になりました」
「「「ありがとうございました」」」
それからリビングでお茶菓子と”ディアボロマント”と言う飲み物を出してくれた。
レモネードにミントシロップを加えた、フランスではかなりメジャーな飲み物らしく、飲んでみると、炭酸とミントの爽快感があいまって、とてもスッキリして美味しかった。
それから暫く他愛ない話などしながら、こちらの活動内容や趣旨、実績の映像などを見せながら和やかに進んだ。
最後に名刺やチラシなどを渡しながら、他にも困っている方がいれば紹介してほしい事、貧困家庭向けにどこかの施設を借りてまとめて治療している事などを知らせて、施設へと帰還した。
帰還した直後に中身を確認したら、330万フラン。日本円で約6,000万円弱だった。
(2人分かな?でも…ドルでお願いするの忘れてたー)
しかも今回はジュラルミンケースではなく、普通のスポーツバッグだった。珍しい。
* *
【時差情報:-13時間】日本:22時45分 マンハッタン:9時45分
「ただいまー」
『『『『『おかえりー』』』』』「「「「おかえりなさいませ」」」」
帰るとセラちゃんが小さい子たちとアニメを見ていた。
「みんなセラお姉さんと一緒に見れて楽しそうね」
『『『うんっ』』』
スマホを練習しているグループもいる。
「シャイラさん、業者さん来た?」
「いえ、まだ来ておりません」
「そっかー。でもそろそろだと思うんだよねー」
ピンポーン…
「うぉっ、噂をすれば」
シャイラさんが玄関を開けてくれる。
「〇〇社の者です。市からの依頼で外壁のリフォーム工事の開始の挨拶に来ました」
「お待ちしておりました。何かサインするものとかありますか?」
「はい、こちらの工事開始同意書にサインをお願いします」
「はーい」
書類にサインをして返却する。
「はい、それではこれから2週間ほど建物が響いたり、音が出ますが、ご協力の程宜しくお願いします」
「分かりました。それで、回りの住民の方には挨拶とか行った方がいいのかしら?」
「それなら大丈夫です。こちらから回ってお願いしておりますので」
「そう、良かったわ。それじゃお願いしますね」
「はい」
(えっちゃん、結界ってもう出来てるんだっけ?)
《YESマスター、もう既に展開済みです》
(流石えっちゃん。ちなみに外部に音を出さないようには出来る?)
《はい、空間魔法の”密室空間”の効果で、外部とは結界を挟んで完全に遮断された状態になってますので、外部に音が出る事はありません》
(建物の内側にも展開可能?音とか振動とか遮断したいんだけど…)
《可能です》
(それじゃ、繋がってるキッチンと食堂、リビング、そしてちびっ子たちの寝室だけ工事終わるまで掛けておこう。個室は夜寝るだけだしいいよね、”完全結界”!)
それから、ちびっ子寝室もかけにいった。ドアベルは中で鳴るから問題無いはずだ。試したらちゃんと鳴ったのでOKだ。
「よし、それじゃ、みんな病院行くよ。準備して。ザレフさんは残ってお昼の準備ね」
『『『『『えーーーーっ』』』』』「「「「はい」」」」
「えー、じゃない。昨日行ったでしょ。これは絶対よ。着替える子は急いで着替えてきて」
「ご主人さま、既に準備は完了しております」
「おー、流石シャイラさん、やるねー」
「それじゃ、みんなに痛くならないおまじないをかけるよ。ここに集まってー」
みんなが集まってくる。
「それじゃ、痛いの痛いの飛んでけー、”催眠誘導”!」
* *
それから指定された病院に向かい、窓口で受付をして呼ばれるのを待つ。
「はーい、ドナルドくーん」
呼ばれたのでドンくんと一緒に入る。
「ドンくん、一番お兄ちゃんなんだから泣いちゃ駄目よー」
「お、おぅ、だ、大丈夫だ。任せおきぇー」
あ、噛んだ。ふふふ。
「小学校への転入の予防接種ですね」
「はい、人数多いですが宜しくお願いします」
「はいはい、大丈夫ですよー」
ドンくんは目を瞑ってブルブル震えている。そして注射が刺さると…
「ぎゃーーーーっ…ん?あれ?痛くないや」
「だからおまじないしてあげたでしょ」
「うん、姉ちゃん、凄いや」
「先生の注射がうまいからよ」
「そっかー」
「はい、もう終わりましたよ。偉かったねー」
「うん」
待合室に戻るとドンくんの叫びを聞いたちびっ子たちが涙目になってた。
「ほらー、ドンくんが大声で叫ぶからみんな怖がってるじゃないの」
「あ、みんな大丈夫だから。ちょっと怖かったけど痛くなかったからな。安心しろ、いいな」
『『『『『う、うん』』』』』
(ほぉー、ちょっとはお兄さん出来るのね。関心関心)
それから全員終わるまで私が付き添った。うん、疲れた。
窓口で診療費を支払い、予防接種証明書を貰った。エマちゃんも念の為受けさせた。ラクワちゃんは日本で受けさせよう。
エマちゃんには”もう日本の学校行くから受けなくてもいいよー”、と言うのを忘れていたので何も文句は無かった。万事めでたしだね。
* *
それからエマちゃんを日本に送り、ベッドに寝かせた後に戻ってきた。
全員を施設に送り届け、私はスクール・ディストリクト・オフィスを再訪問した。
予防接種証明書など必要な書類を全て人数分提出し入学の許可が降りた。
入学開始は来週の月曜日からだ。まるまる1週間ある。
一応、これまで全く勉強していなかった事と、入学前にしておく事を聞いたら、いくつか推奨されたのだが、よく分からなかったので、
「どこかにそれらを集中して教えてくれる業者とかないですか?料金は奮発しますので」
と相談したら、
「それでしたらいくつか家庭訪問して教えてくれる教育専門の業者がございます。家庭教師派遣組合です。こちらからも連絡しておきますので相談してみて下さい」
と素晴らしい返事が返ってきた。
お礼を言って早速その業者の元へ急いだ。
組合へ到着し、挨拶すると話が通っていたらしく、直ぐに応接間に通され、人数が多い事、これまで全く勉強していなかった事などを説明して、入学前までの1週間はみっちりやって欲しい、そして、入学後も他の子たちのレベルに近づけるまで、帰宅後の2時間と土日の指導をお願いした。
料金は”特急料金を追加してくれて構わない”と話したら喜んで引き受けてくれたよ。
勉強は明日の朝8時から夕方5時までお昼を除き缶詰だ。小さい子や低学年はそれほど教える事はないので、時間は短い。問題はドンくんら高学年組だ。餌で釣っておくか。
施設へ戻り、全員を集める。
「はい、みんな集まりましたね。それでは報告します。
先程、スクール・ディストリクト・オフィスに行ってきました。みんなの行く学校を管理している役所です。
皆さんは来週の月曜日から登校する事になりました。9月からの新年度までは2つの学校に分かれますが、その後は一緒の学校です。
ただ、皆さんはこれまで勉強して来ませんでした。特に高学年の子はついていくのが大変だと思います。
そこで家庭教師をお願いして来ました。学校に行くまでの間、高学年の子は明日の朝8時から夕方5時まで特訓します。幼稚園や低学年の子はそこまでしないので安心してね。
大変だとは思いますが途中で逃げ出す事は許しません。あなたたちの為だからです。
その代わり無事1週間頑張ったら、褒美に何でも好きな物を買ってあげます。自転車でもぬいぐるみでも綺麗なお洋服でも何でもいいです。但し、毎月お金が出るスマホなどは駄目です。お金や宝石とか子供らしくない物も却下です。
ここまではいい?何か質問ある?」
『『『『『う、うん』』』』』
「姉ちゃん、俺頭悪いから、あんまり自信ない」
「ドンくん、頭の悪い子なんていないのよ?問題はやる気があるかどうかなの。私の為にも頑張って頂戴。
全て分かれとは言わないわ。出来るだけ覚えるように努力しなさい。いいわね。
そしたら今度の日曜日は褒美のプレゼントの他に美味しいケーキも買って来ましょう。だから頑張ってね。
あ、みんな、欲しい物は土曜日までに決めて私に教えてね」
『分かった。頑張るよ』
『『『『『分かったー』』』』』
「シャイラさんたちにはきちんと勉強しているか交代で監督して下さい。結果は私に教えてね」
「「「はい」」」
「そうと決まれば予定変更よ。勉強は明日からになったから。お昼ご飯を食べたら、少し休憩して短剣術や格闘術の訓練をするからね」
『『『『『うん』』』』』
「シャイラさんたちは今回の訓練を明日から毎日朝食前に1時間させて下さい。あなたたちも監督しながら出来るだけやるのよ」
「「「はい」」」
「私はそれまで出かけてきます。昼食後には戻るので良い子でいてね」
『『『『『はーい』』』』』「「「行ってらっしゃいませ」」」
まずは口座開設だ。母親モードになって近くの銀行で通帳を作ったら早速数万ドルを預金しておいた。
それから施設じゃなく自宅の方の滞納金を支払いに電気、水道、ガスなどを回り、施設も併せて口座振替の手続きを行った。プロバイダや携帯ショップでも同様の手続きを行う。
そして今度は勉強の特訓の為、家庭教師組合と相談して決めた、長机とか丸椅子を人数分とホワイトボード3台とマーカー、イレーザー(黒板消し)など必要な物を購入して施設に戻った。ノートや筆記用具などは以前購入した物があるから大丈夫だ。
施設につくとお昼は終わっていたらしく、みんなテレビを見たりのんびりしていた。
リビングの隅にテーブルや椅子などを立て掛け、ホワイトボードなどを出していった。
「これは明日からの勉強で使うからね。勉強は幼稚園、低学年、高学年で分かれてやるので、勉強が始まる前にこれらを並べておく必要があります。
明日は私が早めに来るのでその時一緒にやりましょう。
明後日からはシャイラさんたちも手伝ってみんなで設置をお願いしますね」
『『『『『はーい』』』』』「「「はい」」」
* *
「それじゃ、訓練始めるわよー」
『『『『『はーい』』』』』「「「はい」」」
「本当は庭でやりたかったけど、今工事しているから、前に行ったヘンダーソン島に行きましょう」
【時差情報:-17時間】日本:2時00分 ヘンダーソン島:前日の9時00分
島の北東にある砂浜にやってきたはいいが、その状況を見て驚愕に目を見開いた。
「何で人がいないのに、こんなにゴミが散乱しているのよっ」
『『『『『うわー』』』』』「「「まぁー」」」
一面見渡す限りゴミゴミゴミ。
「ブイや網は流れ着いたのかと思うけど、シンクみたいなのは何?昔住んでた時のもの?」
「これは酷いですね」
「「うんうん」」
「これではゴミで躓いて転んでしまうかもしれないので掃除します。みんなちょっと待っててね」
「手伝わなくても宜しいのですか?」
「うん、すぐ終わるから」
「分かりました」
それから”縮地”で海岸沿い数キロに渡って移動しながら、”除染”でゴミ掃除を繰り返した。一括で収納するので作業時間は10分ほどだ。
ついでに海に浮かんでいるゴミや海底に沈んでいるゴミらしき物も一括で処理した。
(えっちゃん、このゴミ、海から流れ着いてるのだとしたら、この広い海、ゴミだらけって事よね。海の掃除ってどうすればいいんだろう?何か考えないとね…)
《YESマスター。これは少々難題です。しばらくお時間を下さい。少なくとも”除染”をこの広い海を含め、全世界に行き届かせなければなりません》
(うん、だよねー。それは分かるんだけど、これは簡単にはいかないなぁー。と言うか無理ゲーっぽいけど、きっとえっちゃんなら何とかしてくれると超期待してるよ)
《は、はい。お任せ下さい》
「オッケー。終わったよー」
『『『『『スゲー、あ、凄ーい』』』』』「「「ご主人様素晴らしいです」」」
「それじゃ、早速訓練しよう」
訓練用藁かかしなど無いのでひたすら素振りと型の練習を行う。
途中飲み物で休憩してから格闘技へと移行する。
(ある程度形が出来てきたら、今度はどこかの道場に通わせてもいいわね)
「ただいまー」
『『『『『ただいまー』』』』』「「「ただいま戻りました」」」
訓練が終わると施設に戻り、ドリンク休憩した後、汗が止まった頃を見計らい、”清浄”で全員綺麗にした。
「どう?みんな大変だった?」
「ちょっと疲れたけど、平気だ…です」
(ふふふ、無理して言葉直そうとしてて可愛いわね)
「私も疲れたけど楽しかったー」
『『『『『私(僕)もー』』』』』
「そう、それは良かったわ。これから毎朝これをやるのよ」
『『『『『うん』』』』』「「「はい」」」
「うん、それじゃ帰るね。もう眠い…」
『『『『『バイバーイ』』』』』「「「お疲れ様でした」」」
それから自宅に帰り、お風呂などを済ませ、夜遅くだったので、一人で寝させているエマちゃんの側に潜り込み、抱き抱えながら夢の世界へ旅立った。
”おやすみー”
”うーん…すみー…すぅ”
”ふふ、返事くれた。可愛いなーもー”
(しかし、今日はよく持ちこたえたし、無理だと思ったけど、ちゃんと熟せたね、うん。流石私、お疲れ様ー。よし、寝よう…すぅ)
どうやら毎日の投稿は無理そうです。読み返す度に誤字脱字を見つけたり、過去に遡って軽微な訂正をしたりと、1つを書き上げるまでに1日半はかかってしまいます。
今回は錬金術で異物を除去って何か変だなと思って、サーチで探してアイテムボックスで収納するやり方に全体的に変更しました。錬金術はあくまでも分解したり変形、合成したりで活用していきます。
またまた全体を見直しました。ストーリーは変わってません。
他の方の小説を読むと、数字とか全角が多いのに気付いたのと、場面が変わる際に何行か開けているのが分かって参考にさせて頂きました。なのでまだ次の話ができてません。すみません。




