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ゴブリン無双

◆西暦2000年4月19日(水)◆


 10日目の朝、身支度を整えながら、ひなたは考え事をしていた。

(ここに来てようやく少し落ち着いた。

この10日間は能力を調べたり、魔法を覚えたり、買い物したり、初心者講習受けたりでまともにレベル上げしてなかった。いや、できなかった。

 さすがにこのペースでは駄目だろう。講習が終わった事もあり、そろそろ本格的に各技術を磨きながらレベル上げをしないとね。

 あとまだ覚えてない土魔法や風魔法も覚えよう。それから回避手段も何か身につけないと…。

 同時並行でそろそろ活動資金も貯めないとね。いつまでも銀貨数枚のままじゃ話にならなないよ、さすがに。

 何か手っ取り早いお金の儲け方とかないかなぁ…)

 いやはや、簡単に金儲けができれば誰でもやっている。


(そういえばホノルルでチンピラ退治した時もレベルアップはしなかったけど、人間相手じゃ上がらないのか、それとも痛め付けるだけはなく、命のやり取りしないと駄目なんだろうか…。

 さすがに殺人はまだ抵抗あるけど、神様は救いようのない悪人ばかりの人類に嫌気をさして一掃しようとしてたぐらいだから、そういうやつらなら殺してもいい、いや、殺すべきなんだろうなぁ、きっと。

 もちろん単に恐喝ぐらいで殺人はさすがにあれなので鑑定を使って悪人度を図ろうとは思うけどさ。

 人口増えすぎなのも問題みたいだったから、その意味でも悪人たちはとっとと退場願うべきだろうし…そろそろ覚悟を決めるべきだろう。

 この世界どれだけの悪人がいるか分からないし、100年で駆逐できるかもわからないから早めに処理するに越した事はないよね。減るだけじゃなく後からもどんどん増えるだろうし。

 うーん、差し当たって手始めに南米あたりのコカイン絡みのマフィアなら遠慮せずに退場してもらっても良いいかな。軍隊でも手が付けられないみたいだし。

 イタリアのシチリアあたりのマフィアとかどうだろう。

 それにのんびりしちゃうと、神様、100年後に様子を見に来るって言ってたから、その時に犯罪者だらけだったら問答無用でこの星無くなっちゃうかもしれない。

 十分可能性があるだけに洒落にならないんだよね…やっぱまじで覚悟を決めるべき時かも)

 結構ハードな要件ばかりで早速暗礁に乗り上げてしまいそうだ。


(おっきなお友達のみなさん、私のイメージが崩壊しても見捨てないでね)

 一体誰に向かって言ってるんだろう、この子は。


(いやいや何言ってるんだ私。

 よく考えろ。当初の目的って何?子供たちを救う事でしょ?人口の増加を抑える事でしょ?環境問題を少しでも改善する事でしょ?

 人口問題なんてたぶん抑えるだけじゃなく、思い切って間引く必要もありそうだよね。もちろん悪人限定だけど。

 こんなとこで立ち止まってたら、せっかくこの時代に生き返らせてくれた意味ないじゃん。

 とりあえずこれからは人前に出たり、最悪マスコミにかぎつけられる可能性もあるから、穏やかな日常の為にも変装とか必要かもね。サングラスとかマスクとか?)

 その後も色々悩んだり葛藤したりで結局結論が出ないままだったが、ぐだぐだ悩んでてもしょうがないと、今日のところは気持ちを切り替えて武術や魔法などの訓練をするべく異世界へと向かった。

 まず強くならないと話にならないからと。


     *     *


 とりあえず良さそうな依頼がないかギルドに行ってみた。

「やっはろー」

『『『『『はぁ??』』』』』

(あ、つい言ってしまった。私的に言わなくちゃいけないセリフ第10番を)

「あ、お気になさらずに~」


 カレンさんも困惑した顔で見ている。

「おはようございます、カレンさん」

「お、おはよう。さっきのは何?」

「気にしないでいただけると嬉しいです」

「わけわかんないよ!」


 そんなこんなで依頼ボードを一つ一つ眺めていく。

 ちなみにGランクだと一つ上のFランクの依頼までこなす事が可能だ。

(いつもゴブリンばかりでは面白くないからね)


「ん?ゴブリン集落の壊滅?…き、金貨3枚!?

 うおっ、これいいじゃん。美味しすぎる。

 何でこんなのがFランクのボードに貼ってるの?ま、いいけど」

 さっきまでゴブリンは嫌とか言ってたのにこれである。

 早速依頼ボードから引き剥がして受付に持っていこうとすると、

「却下です」

「え~~~~っ、そんなー」

 カレンさんはひなたの行動を見張っていたらしく、剥がそうとしたとたん駄目出しを食らってしまう。

「一人でゴブリンの集団に突撃するって正気?死にたいの?バカなの?

 以前にも言いましたよね、危険な事はしちゃ駄目って。

 4~5匹じゃないんですよ。下手したら50匹、最悪100匹近くいるかもしれないんですよ?」

 前半は酷い言われようであったが、確かにこんな細腕の女の子には無謀にしか見えない。

「でもここに残ってるって事は誰もやりたがらないって事ですよね?」

「うっ、それはそうですが。でもあなたには許可できません。

 ギルド職員には明らかに無謀と思われる依頼には禁止命令を出せる権限があるんですから諦めて下さい」

「それは知ってますけど…大丈夫です。信じて下さい。決してゴブリンごときに遅れを取ったりしませんから。それに無理だと思ったらすぐに撤退する事をお約束します」

 必死の形相でカレンに頼み込むひなた。


「あんたたち、ひなたちゃん一人で行くって言ってるのに見殺しにするつもり?誰か代わりに行ってやろうって気概のあるやつはいないの?」

『『『『『・・・・・』』』』』

(物理攻撃無効があるから全然平気なのに…言っちゃおうかなぁ…)

 その後ギルド内はカレンさんが爆発して阿鼻叫喚の様を呈したが、何とか依頼を勝ち取るひなただった。


 ひなたが去った後、ギルドマスターが下りてきて、どうやらFランクに貼ってあったのは受付嬢のミスだったらしく、今度は受付嬢たちがギルマスからくどくどと説教をされたと後日知る事となる。

 もちろん最終的に許可を出したカレンさんが一番怒られたらしい。


     *     *


「ふぅ~。ったく~、少しは信頼してくれてもいいのに…」

 そんな事を言いながら依頼のあった村まで駆け足で向かう。


(はい、遥々やってきました辺境の村)

 はい、この子嘘をつきました。ギルティです。

 ここはクレベアの街から大人の足でも半日ほどの距離にある“ヴォルフ村”、人口数十人の小さな村です。


「こんにちわー。ギルドからやってきました」

 村の入口に立っているおじさんが胡散臭い目でこちらを睨んでいる。

「嬢ちゃん、言っていい冗談とそうでないのとがあるぞ。今は冗談につきあってる状況じゃないんだ」

「えー、冗談じゃないですよ。とりあえずゴブリンのいるとこ教えてくれませんか?」

「本気で言ってるのか?ギルドカード見せてみろ」

 全く信用されていない。心外だ。

「はい、これ。それとサインを頂く為の依頼完了書もこの通り」

 驚いた顔で書類に目を通す門番。

「うむ、本物だな。しかしギルドもこんな小さい子一人にあの数のゴブリンと戦わそうなんて正気か?」

(また小さい子って言われた。私もう14歳だよ?)

 依頼完了書を見ながら呆れている門番のおじさんは次にひなたを見て同情の色を浮かべる。

「よし、とりあえず村長にあってくれ」

 カードと依頼完了書を返すと歩き出す。ひなたも後ろからとてとてついて行く。


「村長、ギルドから可愛らしい応援が来たぞー」

 棒読みである。

「何?可愛らしいとはどういう意味…え?嘘じゃろ?」

 村長が私を見て固まっている。

「いや、本気だ。ギルドカードも見せてもらったし、依頼完了書も“ゴブリン集団の討伐“となってるぞ。

ったく、ギルドも人手不足で苦しいのか?」

 門番に促されるまま再度カードと書類を見せる。

「うむ、(にわ)かには信じられんが、確かに本物のようじゃな」

「あまり時間がないのでゴブリンの居場所を教えてほしいんですけど」

 それでも信用できないのか視線だけ書類と私を交互に見ながら固まったままの村長。


「うむ、とりあえず来たのなら仕方ない。一応説明してやるか」

 酷い言われようだ。

 村長の家から出て説明が始まる。

「あそこに山が見えるじゃろ?こことその山の間の森の中間地点に少し開けた場所がある。小川も通っているからすぐ見つかるはずじゃ。

 奴らはそこに集落を作り始めてのぅ。まだ被害はないがそう遠くないうちにここも奴らに狙われるだろう。だから今のうちに潰しておきたいんじゃ」

「なるほど。何匹ぐらいいるんですか?」

(きこり)の者が見つけてすぐに慌てて帰ってきたもんじゃから、詳しい数は数えておらなんだが、ざっとみたところ50はいたと聞いたな」

「分かりました。もうお昼も過ぎてるので日が暮れる前に片付けてきますね」

「片付けるって簡単に言うが大丈夫なのか?」

「はい、お任せ下さい。もし無理だとしてもこちらには逃げたりしないので安心して下さい」

 ゴブリンの大群を引き連れて村に帰った日には目も当てられない。

「うむ、分かった。無理するでないぞ。駄目ならまた別の冒険者に頼めばよいだけだからの。死んでは元も子もない」

 その後もどんな種類のゴブリンがいたのか、捕まっている人はいなかったかなど詳細を確認して村を後にした。


(村長の話ではゴブリンはどれも一番弱いやつばかりみたいだし大丈夫かな)

 あまり時間がないので小走りで現場に向かう。


 暫く進むと村長から聞いた開けた場所が木の間から見えてきた。

(ひっ)

 ゆっくりと近づくと、そこにはゴブリンがうじゃうじゃいて一瞬気持ち悪さに息が止まる。

 よく見ると木で組まれたボロボロの小屋らしきものが数点あり、その奥にはひときわ大きな小屋がある。

(人質がいるとしたらあそこかな。でも見た感じはいそうにないね。

 まずはあの大きな小屋に向かって走りながら殲滅していきますか)

 初心者講習から毎日欠かさず剣の訓練を行ってきたひなたは多少自信があったがここは用心して初手は氷魔法を選んだ。

(過信せずにまずは氷でいきますか)

 そう言うや否や茂みの中から飛び出すと、同時に先を尖らせた氷のつぶてを回転を加えながら無差別に撃ち放ちつつ、手前のゴブリンから次々に剣を振るい首を飛ばしていく。


 STRもレベルアップで数値がさらに増え、身体強化もレベルが上がり身体も軽くなった事もあり、習った剣術の御浚(おさら)いをしながらどんどん奥へと突き進んでいく。時には氷のつぶてをぶつけながら。顔を焼きながら。

 ゴブリンたちは急に飛んできた氷のつぶてを顔や腹に打ち込まれ、突然現れた鬼人のごとく剣を振る少女に驚き、パニックになっている。

 しかしそれもすぐに収まり、生き残ったゴブリンたちがひなたの元へ殺到する。

(ほっ、とりあえず逃げてくれなくて良かった)


《レベルが4に上がりました》《レベルが5に上がりました》《剣術がLv4に上がりました》…

(さっきからアナウンスが聞こえるが今は無視)


 奥の大きな小屋に辿り着き、中を見ても食料の肉らしきものがいくつかあるだけで人はいなかった。

 安堵と同時に、これで戦いに集中できると喜んだ。


 そこからは無双であった。

 後ろからこん棒で殴られようが物理攻撃無効の前には全く意味をなさず、これだけの数を裁けるはずもなく、ただひたすら首を落とす作業を黙々と続けた。

 ひなただからできる無茶な戦法であった。

 それから数十分。緑の液体でべとべとに汚れた顔で辺りを見回すと動くものはみんな無だった。


《集中Lv1を習得しました》


(うぅ、気持ち悪いし臭いし、鼻が曲がりそう)

 暫くの間周りを警戒して見るも応援らしきものも来る事はなかったので、念のため首が飛ばされたゴブリン以外には止めを刺しながら、討伐部位を剥ぎ取り、持ってきた袋に回収していく。数えると67匹だった。


 残った死体を処理しないといけない(初心者講習で教わった)けど、非力なひなたには穴掘りなど出来るわけもなく、仕方がないので小屋や死体を原っぱの中央部分に集めてまとめて火魔法で燃やした。めちゃ臭かった。

(うーん、やっぱこういう時の為にも土魔法は必要だね。

 とりあえず森に火が燃え移らなくて良かったよ。

 最悪な場合は水魔法で鎮火するつもりではあったけどね)

 処理が終わると顔と身体に“清浄(クリーン)”をかけ身綺麗にした後、村へと戻った。


     *     *


「ただいま戻りました」

「おぉ、怪我はしてないか?」

(ゴブリンより私の心配ですか。この村の人たちも優しい人たちのようです)

「大丈夫ですよー。ゴブリンも倒してきましたから安心して下さい」

 そういうと門番と一緒に村長の家に向かった。


「嬢ちゃん無事か?」

 村長もそんな事を言ってくれる。

「はい、討伐完了しました。これが討伐部位です。全部で67匹いました。捕まっている人とかもいませんでした。もう安心してくれて大丈夫です」

 袋の口を開いて討伐部位を見せる。

「そんなにいたのか。嬢ちゃん見かけによらず強いんじゃな。助かったわい。ありがとうのぅ。

 それから先ほどは失礼な態度を取ってすまなかった」

 村長と門番さんが頭を下げてくれる。

「いえ、村に被害が出る前で良かったです。それじゃこちらにサインいただけますか?」

「ほいほい、了解じゃ」

(ほいほい?黒い虫でも取るのかな?)

 村長は依頼完了書にサインをすると評価欄に“A”と記入してくれた。

(やった!)

「お礼に歓迎したいのじゃが今日はここに泊まっていってはくれんかのぅ?」

「あ、いえ、ありがとうございます。今日のところは戻ります」

「そうか。残念じゃが仕方ないのぅ。これからも近くに来たら気軽に寄ってくれ。いつでも歓迎するからの」

「はい、機会があればまた寄らせてもらいます」

 討伐の噂を聞いて集まって来た村人たちに見送られ村を後にした。


「さて、暗くなる前に街に戻りたいけど、この時間帯じゃ急いで帰っても日が暮れちゃいそうだなぁ。

 転移で街に戻るにしてもゴブリン倒して戻ってくるにはいくらなんでも早すぎるし…。

 仕方ない、今日はお家(空き家)に戻って明日の朝報告に行くとしますか。

 カレンさん、心配してそうだけど仕方ないよね」

 そうする事に決めると街道から森の中へ少し入ったとこで地球へ帰還した。


     *     *


(うっ、ちょっと気持ち悪いから先にお風呂入っちゃお)

 いつものように着替えなどを持ってお風呂を沸かし、ついでに”清浄(クリーン)“で綺麗になったとはいえ、緑の液体まみれになった服も洗濯する事にした。ついでに少し溜まってきた下着も。


 風呂から上がると室内にロープを張り、そこに洗った服などを干した。

(朝なら外に干すんだけど、もう日が暮れちゃうものね)


(お風呂も入ったし夕食に行きますか)

《YESマスター》

 勝手知ったる間柄になりつつある2人(?)。


「ちわー」

 そしてやってきました。いつもの食堂。いつもの席。

「ひなたちゃん、いらっしゃい」

 ニコニコ顔の幸お姉ちゃん。

「こないだのAランチ多かったから今日はCランチでお願いします」

「あら、そんなに変わんないわよ。Cランチね、了解」

(えっ、変わらないって何が?)

 またもや頭に?マークを浮かべて困惑するひなた。


 しばらくするとトレイに料理を載せた(さち)さんがやってくる。

「はい、お待ち同様、ゆっくりしてってね」

「ありがとうございます」


(今度は叫ばなかった。オーケー)

 じっと料理を見つめるひなた。

 (さち)姉ちゃんが言ってた意味が分かった。確かにパッと見では違いが無いように見える。

 しかしよく見ると違う。

(タコさんウインナーどこ行った!)

 遂に居場所を追い出されたタコさんウインナー。

(あ、ハンバーグとエビフライもない。代わりにチキンの照り焼きみたいなのが乗っかってる。

 ポークも半分の大きさで、よく見るとハムもない。

 でもトンカツは同じ大きさ。でんと居座ってる。こいつのせいで量的にあまり変化が見られないんだね)

 今回もお持ち帰り決定だなと一人納得顔でナイフとフォークを手に取った。

(では、『実食!!』

 私的に言いたいセリフ№11の出番が来た!)

 ドヤ顔で食べ始めるひなた。遠くから楽しそうに幸さんに見られてるとも知らずに。


 お家に戻りステータスを確認する。

 もう今日は作業するのに集中してどこまでレベルが上がったのか把握していない。


 名前:春日ひなた

 年齢:14歳

 レベル:7

 HP:320/320 MP:583/583

 STR:67 VIT:94 INT:101 MND:115

 AGI:77 DEX:101 LUK:173

 能力:言語把握 叡智 鑑定 能力創造 錬金術LvMax

    物理攻撃無効 魔法攻撃無効 状態異常無効 身体強化Lv5

    集中Lv1 棒術Lv1 短剣術Lv1 剣術Lv5 弓術Lv1

    格闘術Lv3 槍術Lv1 盾術Lv1

    生活魔法LvMax 空間魔法LvMax 時魔法LvMax

    火魔法Lv4 水魔法Lv3 氷魔法Lv4 聖魔法Lv2

    料理Lv3 掃除Lv6 洗濯Lv3

 祝福(ギフト):創造主の加護

 称号:未来人 不老不死 叡智管理者


(えっ…)

 目をごしごしこするひなた。

(ふぇっ?どういう事?え?)

 固まって動かない。


(え、えっちゃん、何だかステータスが凄い事になってるんですけど…ついこの間まで2桁だったのに…何でこうなった!)

《YESマスター。創造主様の加護による恩恵でマスターのレベルや能力の熟練度獲得率がかなり高くなっており、レベルアップするごとに各ステータスがおおよそ1.3倍の推移で上昇しています。

 能力についても経験値獲得率が多い為比較的上がりやすくなってます》

(おぅふ…)

 再度固まるひなた。


(おっと、固まってしまった。気を取り直して、一応確認しとかなくちゃ。

 MPが500超えてる。運も173とかまじですか。でもやっぱり物理攻撃力は低いのね、がっくし)

 続けて能力欄に目を通す。

(剣と身体強化は一番使ってたから分かる。火魔法や水魔法は毎日お風呂入っているからか。あと火魔法は剣で切りながらちょくちょく顔を焼いてあげてたし、最後にはまとめて燃やしたからね。

 氷魔法も最初に盛大に氷ぶつけてたし、火魔法と同じく顔を凍らせたりしてたからね。

 あ、そういえば、あれは結構苦しそうに窒息死してたから今後も使えそうだね。

 格闘術も剣を持ってない手の裏拳で殴ったり、足刀蹴りで吹き飛ばしたりしてたから何となく分かる。

 聖魔法は恐らく気づかないうちにいつの間にか上がっていたんだろう。

 集中は…いいや、スルーしよう)


 暫くぼーっとパネルを見つめていたひなただったが…。

(何だか疲れた。もう寝る)

 どうやら考える事を放棄したようだ。

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