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69. 広報資料は2種類あるのが良い

【第69回 2026.6.20】『広報資料は2種類あるのが良い』を配信


 【雑誌とかのメディアに大きく扱ってもらうための】

 【資料の作り方のコツの話】

 今回は、広報資料の話です。

 昨今は、SNSや動画配信サービスなど作り手が自ら発信できる手段が増え、「広報」というと非常に幅広いPR活動をイメージしますね。

 ですがここでいう「広報」とは狭義としての――「TVや雑誌といったメディアに取り扱ってもらうための活動」を指すものとします。


 雑誌などのメディアに紹介してもらう、あるいはゲームのダウンロード販売サイトに特設ページを作ってもらうとしたら、我々は参考資料を提供する必要があります。


 価格を始めとするゲームの基本情報であったり。登場するキャラクターの説明であったり。作品のセールスポイントであったり。記事を組み立てるのに必要な画像素材であったり。


 はたまた各出版社に足を運んだり、インタビューを受けたりするのも昔から続く「広報」の一種でしょうか。


 SNSが発達するまでは、むしろこういった商品を取り上げてくれそうな「メディア」を仲介して、読者に商品の魅力をアピールすることこそ、「広報」の主目的でした。


 現在は、ユーザーに情報を直接発信できる導線が山ほどあるため、この手の「メディア向けの広報」をすることは減ってしまったのでしょうが。

 だからこそこの手のノウハウを見聞きする機会が、減っているのではないでしょうか。


 というわけで閑話休題。

 雑誌や販売サイトなどのメディアに向けての「広報」を行う際に、1つお薦めの手法があります。

 それは、

 【そのまま転載すればOKな、最低限の情報が載っているもの】と

 【こぼれ話やちょっとした裏設定が載っているもの】

 の2つ。すなわち【通常版】と【詳細版】の2種類の広報資料を作ることです。


 この手法は、なにも私のオリジナルではありません。

 映画業界では一般公開を行う前に、試写会を開くことがあります。

 評論家や記者、著名人、インフルエンサーに映画を観てもらい、記事や動画にしてもらうことで、今でいう情報の拡散を狙うための手法ですが……。

 この時、入場者に配られるパンフレットは、一般入場者が購入できるものより厚く、より詳しい内容が記載されているといいます。


 出演者のインタビューとか。記事にしてもらう際のネタを豊富に用意しておくことで、紙の紙面でより大きな面積を確保する。特集記事に耐えられるだけの懐の深さがあることを、暗にしめす。

 もしくは、バラエティに富んだ記事内容になるよう情報を提供するんだとか。


 今では紙のメディアそのものの地位が低下してはいますが、ともあれ記事を記す側としては「発売元からネタがたくさん提供されてた方が、記事が書きやすい」ケースがあるということは抑えておいた方が良いでしょう。


 この手法をもとに美少女ゲームクリエイター時代に、私が行っていた広報資料の作り方こそ、先に触れた、

 通常版:【そのまま転載すればOKな、最低限の情報が載っているもの】

 詳細版:【こぼれ話やちょっとした裏設定が載っているもの】

 の2種類を用意する手法でした。


 ここでいう通常版は、そのままコピー&ペーストをすれば記事としての体裁が整うものを指します。

 特にネットメディアにその傾向が顕著ですが、多くの商材を扱って多忙を極めているのか。はたまたいわゆるプロの記者ではなく、エンジニア寄りの人が作業をしている場合が多いためか。

 文字情報を提供すると、「例え誤字やネタバレ情報が含まれても」確認せず、そのまま記事にしてしまうメディアも多くあります。


 そのため、そっくりコピー&ペーストされても良いような過不足のない説明を「通常版」では行います。


 一方、雑誌の編集者さん。

 特に売れていた雑誌は顕著でしたが、多めに情報を提供すると取捨選択した上で、「グッとくるオリジナルの殺し文句を付けてくれる」メディアもあります。


 当時だと、BugBugさんやTech-Gianさんなどといった美少女ゲーム雑誌の信頼度が高かったのですが、「詳細版」でこれらの熱量の高い編集者さんに向けて、たくさんのネタを提供していました。


 ・ちょっとしたキャラの裏設定

 ・制作者としての狙い

 ・ストーリーの中盤までの匂わせ

 ・提供するイベントCGについて「何をやっているか」「この後どうなるか」の匂わせテキスト。

 ・とどのつまり補足情報


 といった具合でしょうか。

 実物を見ないとイメージがつかないと思うので、ここで参考例として、拙作「ヴィーナスリゾート」という美少女ゲームに登場するキャラクター。「迫川悠生」の「通常版」「詳細版」の広報資料テキストを見てみましょう。

 ※ ただし、良い子が見ても大丈夫なように一部検閲しています。


---------------

■■■ 通常版 ■■■


●迫川 悠生 (さこがわ・ゆうき) CV:声優さんの名前


 キャラコピー:スキあり! スポーツ爆乳っ娘アイドル

 身長:168cm  54kg(うちバスト2.0kg)

 スリーサイズ:95cm(Gカップ) / 59cm / 91cm

 属性:巨乳、ボーイッシュ、陸上コス、ブルマー、無防備すぎ


 元陸上部で、アイドルユニット『アムリタ』のメンバー。

 ボーイッシュで、ハツラツとした健康的なお色気を前面に出した、

 人なつっこい友人感覚のアイドルとして、一部の女性にも支持を受けている。


 自分がメスであるという自覚がとぼしく、万事においてスキだらけ。

 無自覚なエロス。全自動ラッキースケベ。


 エロスに目覚めた後は、ありあまる体力を用いて、

 (以下自主検閲)


 「わ、わかってますって……はむっ、んぐっ……はぁぁっ、炭火で焼いたお野菜も格別だにゃぁ……♪」

 「はぁ……さくらさん、さっすがオッパイが大きいだけのことはありますねえ……♪」


--------------------

■■■ 詳細版 ■■■


●ヒロイン②(ボーイッシュキャラ)

一言で説明すると:元陸上部員、ケセラセラ

 かつては陸上部のホープだったが、ケガで退部。

貧しい家庭のために、スカウトされたのを機に、グラドルの道を選ぶ。

 性格は、あっけらかんとしていて、「なんとかなるさ~」とお気楽ムード。ただ、グラドルの仕事は『ずっと陸上一筋だったので、なにが男を喜ばせる仕草なのかわからない』『やっぱり恥ずかしい』という要素が先立ち、いまいちブレイクしない。



【プロフィール案】

キャラコピー:スキあり! スポーツ爆乳っ娘アイドル

名前:迫川悠生(さこがわゆうき)

CV:声優さんの名前

身長:168cm  スリーサイズ:95cm(Gカップ) / 59cm / 91cm

体重:54kg(うちバスト2.0kg)  誕生日:8月10日(乙女座)

血液型:A型  出身地:長崎県

趣味:寝る・水泳・ジャーマンスープレックス

所属事務所:大宮プロダクション


【ストーリー要素】

芸能界の重鎮にセクハラされかけたが、拒否。殴っただけでなく彼の噂を、芸能仲間にばらす。それで目をつけられ、裏芸能界送りに。

ケセラセラな性格は、陸上の道を断念した後、ある種の処世術としてわざと演じていることが、後に判明する。


【エロ属性】

・無自覚なエロポーズ

・(自主検閲)


---------------------


 詳細版はこれにさらに提供した各サンプルCGに、どういうシーンかを説明する解説テキストを加えたものを添えていました。


 紙や雑誌といったメディアの影響力が後退した今、必須の手法というわけではありませんが。

 いざ、取材を受けたり、広くメディアにアピール段になったら、こういう気の使い方があっても良いかもしれません。


( ・_・).。oO(ただし、色々な出自のメディアや編集者が混在している昨今、「詳細版」をコピー&ペーストして使う人もいないとも限りません。配る人を厳選したり、注意書きは沿えた方がいいかもね)


■ 今日のまとめ ■

・雑誌などのメディアの記者に商品情報を送る場合は、「通常版」と「詳細版」を作るといいかもよ。

・「通常版」とはコピー&ペーストしても最低限の記事の体裁が整う、過不足のないテキストを記載したものだよ。

・「詳細版」はさらに色々なネタを加えて、様々な視点の記事や、大規模な特集などに対応できるようにしたものだよ。

【自己紹介 板皮類 学名:ニョロリマス・オパーイスキー】


 ばんぴるいと読む。美少女ゲーム業界で14年。

 その後、一瞬だけソーシャルゲーム業界にいた、元企画屋&シナリオライター。

 毎週、新作エロゲを300円で8週間連続発売するなど、コンフォートゾーンから飛び出す、変わり種企画が持ち味だった。

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