青いソラ
圧倒的なエンジン。
確かな経験。
きめ細やかな機内サービス。
雲を抜けたらそこは無限の青。
窓から見える景色に目を輝かせ、優しく声をかけてくれるキャビンアテンダントに大人の魅力を感じる……
余裕はなかった。
どうやら俺は飛行機が苦手なようだ。
初めてだったからドキドキしていたが、離陸時の衝撃に俺の繊細な身体は地味な悲鳴をあげていた。
隣に座るミナが心配半分、面白半分でちょっかいを出してくる。
どうせならどっちかに偏ってくれれば良いのに。対応に困る。
あ〜、体調が良ければこの果てしない青に感動してただろうに。
今はなぜか不安すら抱いてしまう。
キャビンアテンダントのお姉さんの笑顔が眩しい。少しはミナも真似してくれよ。
うっ……
――――――
「しっかり〜、ソラ〜」
着いた先の空港でもまだダメージが残っている。さすがのミナも本気で心配している。
そんなミナもなんか良いな。
今日のこれからの予定はとりあえず団体行動だから安心だ。
この状態で班のリーダーなんてとてもじゃないが。
空港からバスでの移動してると、地元にはない規模の建物が並ぶ光景にクラス一同騒ぎ始める。
同乗しているバスガイドの慣れた口調で一般的な街の歴史を耳に取り込む。
まともに聴いている生徒は少ない。真面目に聴いているのは違う意味で興味がある男子くらいだ。
しばらくして古風な建物がちらほら目立ち、今日のメインの京都に着いた。
ド定番の観光地巡り。テレビでしか観たことのなかった観光名所に俺達はただただ呆然としていた。
人の多さもさることながら、建物の荘厳さに俺達は目を丸くしている。
日本に住んでいながら、初めて出逢った純な和に気持ちだけはタイムスリップしていた。
当たり前の様に着物で歩く通行人に目を奪われ、等間隔で並ぶ土産屋の玩具の刀に財布をひかれ、観光客に慣れきった兄ちゃん達のトークに圧倒されっぱなしだった。
俺達は和の異次元から離れ今日の宿となるホテルへと移動を始める。
さすがに疲れたのか、見慣れない景色に遠慮がちな驚きの声を何名かあげていた。
地元の祭りよりも多い都会の日常に少々飽きながらも、今日の夕飯の想像をしてお腹がなる。
なんだか、マヨネーズたっぷりのたこ焼きが食べたくなってきた。




