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灰色の空  作者: 灰色の猫
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過ち


 「さようなら」

 一日の終わりを告げる挨拶をやっと迎えられた。こんなもやもやとしたものを抱えだしてからやたらと一日が永く感じる。というか、この席にいる時間が永く感じる。


 カズとミナは相変わらず仲がよろしい。今日は俺のノリが悪いせいかほとんどカズに絡んでいた。

 ユリカは何も思わないのだろうか。自分が想っている人と友達が仲良くなって……


「ごめん、今日は先に帰ってくれる、ミナ」


「わかった、じゃあね」

 ミナは何事もなく明るい。むしろ前よりも明るいのではないか。そう思えてきた。ミナを先に帰すと、俺は朝の誰もいない大人しくなった教室でユリカを待った。


 自分でも下らないとは思うが、これはミナに対しての仕返しなのかもしれない。罪の意識を感じているのか何らかの理由付けをせずにはいられなかった。


――――――



「おまたせっ」

 ユリカが自分の机に大量のプリントを地響きと共に置いた。


 その音で虚ろだった俺の意識は教室に引き戻された。そして大量のプリントを見た瞬間、少なからずがっかりした自分がいた。と同時にほっとした自分がいた。どちらが本心なのか、今の自分には判断がつかなかった。


「お願い、手伝って」

 長い髪を申し訳なさそうに揺らし、ユリカが俺に対して両手を合わせている。


 そこまでされたら断る理由がない。


「いいよ」


 何種類かあるプリントをクラスの人数分にまとめるという依頼だった。プリントの内容を見ると修学旅行に向けてのプリントだった。


 気が早くないか、と思ったが事前に考えなきゃいけない事は多いからこんなもんか……

 どんな班になるんだろ……



「ソラ君、最近元気ないね」

 ユリカの一言で初めて俺の手が止まっていたことに気が付いた。


「そ、そうかな」

 明らかにそうだよと言っている発言をしてしまった。



 紙が擦れる音だけが教室に響く。



「……ミナちゃんがカズ君と仲良くなってるのが不安かな」

 ユリカの唐突な一言に思わず持っていたプリントを落としてしまった。

 慌てて落ちたプリントを拾おうとして不意に手と手が触れ合う……



 小説やドラマではよくあるシーンだが今の俺には対処できない。


 初めてミナ以外の女の子を意識してしまった。恥ずかしさと申し訳なさでユリカの顔を見ようと思っても見れずに、膝辺りを視点がさ迷っている。

 もう何がなんだか分からない……



 俺はこの時点でやっとユリカの頼みを引き受けた事を後悔していた……

なにこの昼ドラ


続きは今日の夜に更新します。

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