対面-3
「青の勇者の伝説って、どんな話?」
「んー、そうだな……。伝説というか、史実なんだがな」
マオウは簡単に青の勇者の伝説について説明をした。
「昔は神は善、魔王は悪とされていた。私の先祖である魔王はこの世の危機をもたらした。それを救ったのが、青い服の勇者だ。戦士と魔法使いを引き連れて魔王を打ち破った。その後勇者は、いつかこの世界に再び危機が訪れた時、必ず戻ってくると言って自分の住む世界に帰ってしまった。そして、再び勇者は現れた」
「それが……俺か」
「そうだ! だから孝太郎、お前が神を倒すんだ!」
「じゃあさ、もう一つ」
「なんだ?」
「なんで俺が青の勇者だって……」
「わかったのかって? 勇者は魔法書を持ち帰ったからだ。持ち主を失った魔法書は真っさらだが、勇者の残した魔法は残っていた」
「魔法?」
「代々自分の力を受け継ぐ者に魔法書が渡るよう仕向けた! だから見つけられた」
「なんとなく、わかったような……」
「そのうちわかる! あははは!」
マオウは孝太郎の肩を叩いた。
「そうだ、せっかくだルーナ! 石を持ってみろ!」
マオウは魔法で机の引き出しから石を二つ取り出した。それをルーナの両手の平に乗せる。
しかし、何も起きなかった。誰もこのタイミングで戦士か魔法使いが現れることを期待していたわけではないが。
「僕は赤の戦士でも緑の魔法使いでもないみたいだね」
ルーナは石をマオウに返した。
「まあ、可能性はないことはない」
マオウは石を青い石と共に元の場所に戻す。
「孝太郎の石は私が預かっておく。時が来たら渡すからな」
さて、とマオウは続けた。
「次は神の城に誰がどうやって忍び込むかだ」
「はぁ!?」
孝太郎が声をあげた。
「城に忍び込む!?」
「ああ。スパイとして誰かに神の城を調査してもらう。場合によっては他の神達に味方についてもらえないか交渉もしてもらう」
「誰か、って、誰が行くんだよ」
「そりゃあ、勇者の存在は欠かせないわな」
「はぁ!? 俺かよ!!」
「当たり前じゃない。勇者がいなきゃ話にならない」
クウサが孝太郎を睨むように見ながら言った。
「その為にはまず特訓よ。こんな空を飛ぶしか能がない勇者、神々に相手にもされないわ!」
「失礼だな! 俺だって基礎魔法くらい使えるようになったんだ!」
「基礎魔法くらい覚えて当然。今から特訓よ!」
そう言うと、クウサは孝太郎の腕を掴んで外へ引っ張り出そうとした。
「マオウ! 作戦会議は勝手にやってて!」
それを言い残して、クウサは孝太郎を引き連れ外へ続く階段を上がっていった。
「作戦会議の言い出しっぺが行っちまったな」
マオウは言う。
「まあいい、忍び込むメンバーを決めてしまおう!」
「ワタシは行く。変身術を使えばごまかせる」
今まで黙っていたシラキが前に出た。
「そうか。……まあ、確かに私の手下がいた方が都合はいいかもな。シラキ、気をつけるんだぞ!」
「ああ」
「なら、僕も行くよ」
次に名乗り出たのはルーナだ。
「僕は二人の補助をする。一応魔法使いだし、使える魔法はみんなより多いと思うから」
ここでシラキが口を出した。
「ワタシより、孝太郎に気を使ってくれ」
「なら、そうする。よく考えたら魔王の手下なら結構優秀なんだろうし」
「なら、決まりだな! 二人とも、よろしく頼むぞ!」
マオウはシラキとルーナの肩を叩いた。




