対面-4
――――その後、忍び込むルートを話し合い、作戦会議は終了となった。
マオウは外にいる二人を呼びに行ってくれと言った。
「なら、僕が行ってくるよ」
ルーナが名乗り出て、階段を上って行った。
「二人とも、マオウが呼んでるよ」
外に出て、ルーナは向かい合って立っている二人に声をかけた。
「ちょっと待ってて! すぐに行くから!」
クウサが答えた。
「いや、もう充分かと……」
孝太郎は弱音を吐くように言った。
「駄目よ! というかあんたの覚えた呪文は弱い! 沢山の呪文を覚えることも大事だけど、力をつけることはもっと大事! だから、もう一回、水の上に火の玉を浮かべてみなさい!」
地面のくぼみ(孝太郎が作ったのだろう)に溜められた水。その上に火の玉を浮かべろ。それがクウサなりの特訓の仕方だった。この水も孝太郎の魔力によって出されたものだから、水に火が勝てば孝太郎は自身の前の魔力に勝ったということになる。
「フィリア!」
孝太郎は火の玉を水に浮かべた。火は五秒ほど燃えて、力尽きたように消えていった。
「五秒か……せめて十秒は欲しいところだわ」
「無茶苦茶言うなよ! 大体火が水に勝てるわけないだろ!」
孝太郎は叫び、人差し指をクウサに向けた。
「確かにそうね。けど、これは魔力に勝つための特訓なの。最初の火がすぐに消えちゃう状態に比べたら強くなってるわ」
「あのさ」
ここでルーナが口を挟んだ。
「特訓はまた後でもいいんじゃないかな。とりあえず、マオウの元に向かわないと……。みんな待ってるし」
「……そうね。しかたないわ」
クウサは諦めたように言った。
「行くわよ、孝太郎」
「はぁ……やっと終わった」
クウサは先に行ってしまった。孝太郎はため息をついて、ルーナと共に中に入った。
マオウ達の所にたどり着くや否や、孝太郎は神の城へ侵入することについてマオウの口から聞かされた。
「ふーん……ルーナとシラキが……」
「で、早速だが今から行ってきてもらう!」
「はぁ!?」
いつのまにか、シラキは変身術を唱えていた。背は高くなり、髪も白っぽい金色になっている。顔付きもどこか大人っぽい。
「いくぞ、孝太郎、ルーナ」
シラキはナナメ掛けのかばんを手にして、早速外への階段を登りはじめていた。
「あ、まって!」
ルーナも後を追う。
「孝太郎、早くこい!」
「はぁ!? まじで行くのかよ!」
「ズベコベ言わずにとっとと来い!」
グズグズしている孝太郎を連れていくため、一旦戻ってきたシラキは彼の腕を掴み、全力で駆けて行った。
「え、ちょ、まて! うあぁぁ!! 飛ぶなぁぁぁ!!」
ドアを開ける音がし、孝太郎の悲鳴が響いた。




