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エンゲル係数

[ 大村 三郎 Lv.7

 筋:8

 魔:10

 抗:5

 技:11

 スキル:

 魔術適正:火、水

 チート:延爪(えんそう)、燃費下落

 ギフト:チート取得]



 なんか増えてた。


 燃費、下落?

 向上じゃないのか?

 というかそもそも燃費とは何のことを指してるんだ?

 疑問は絶えない。が、ロクなチートじゃないことは間違いない。


 延爪チートを見てしまうと、そんな気がしてならないのだ。


 しかし、どうも使い方がわからない。

 延爪の時は名前からも想像できたから良かったものの、こちらはただただ謎だ。

 なんとなくパッシブ(常時発動型)のような気がするが、常時燃費が下がるとか どう考えても地雷じゃないか。

 ……こういう時の勘ってよく当たるんだよな。


 でも、なんでそもそもチートが増えたんだ?

 確か、レベル3になった時はなかったから、一定のレベルに達するか、あるいは何らかの魔物を倒すことがトリガーなのだろうか。


 ……謎だ。


 とにかく、検証しようがないものはどうしようもない。

 一旦保留としておこう。


 そして検証といえば、魔ステータスの上昇による影響についても確かめておこうと思う。

 要するに、実際に魔法が使いたいのだ。


 やり方は以前に少し試そうとした時にわかっている。その時は魔ステータスが足りなかったらしくうまく発動できなかったが、レベルも上がっているのであとは技術を付随させるのみだ。


 早速、魔力を体内に循環させていく。


 集中――魔力の移動――火属性への変性――そして――顕現ッ!


 ――ポッ。


 爪に火が灯った。

 決して俺がケチになったわけではない。本当に火が灯ったのだ。

 ライター程度の火ではあったのだが――


 ひゃっはーーッ!

 成功じゃーーッ!


 なんだかんだ言って勉強の成果が一切出なかったことに対するフラストレーションは思いの外溜まっていたようだ、少し取り乱してしまった。


 やべぇ。まじやべぇ。

 こんな幼稚な感想しか抱けないくらいやべぇっすわ。


 魔力の供給を止めると、火も同時に消えた。


 もう一回!


 さっきよりすんなりと魔力を変化させ、再び火が灯った。


 目の前で揺らめくこれが、魔法だ。これだけでライターやマッチが不要になった。

 タバコなんかもこうやって火をつけられるだろうか。俺はまだ吸ったことはないんだけれど。


 と、そうして火を見つめていると脱水症状みたいに頭が少しクラっとした。

 ――魔力切れか。

 体内の魔力を用いているのでそれが枯渇すれば不調が発生する。下手すれば気絶や時に死亡事故も起こるというので、その辺りも気をつけないとならない。


「んー、好調好調」


 肩を回しながらそう呟き、宿屋へと戻っていった。



  ◆


 あの後もハリーさんと薬草を採集したり、例の男――ギークというらしいが、そいつにパワーレベリングに連れて行かれたりした。


 ギークのパワーレベリングはもはや奴の趣味道楽のようで、毎回「実践」という名目のもとオークや奴自身に嬲られる。こうすることが強くなることへの近道とは奴の弁だが、いたぶっている最中は本当に楽しそうに、時に卑劣な手で、またある時は力技で捻り潰してくる。


 明らかに規約違反だが、悟られてしまうのもなんか嫌だしギークも本当に俺のためを思ってやってくれているのかもしれないので『俺ドM説』を展開してあたかもなにも起こっていないような体(てい)でいる。


 週休が3日(流石にハリーさんにも仕事がある)のはずだがそれもギークによって露と消えていくのだ。

 そして肝心のパワーレベリングの成果だが、レベルが7に上がって以降うんともすんともいわない。

 オークは経験値が多い。その筈だが本当に【チート取得】が経験値を持っていってしまうのかレベルは全く上がらないし、きっとこれからもなかなか上がらないだろう。


 そうそれと、あの例の【燃費下落】についてだが。


 どうもあれの仕業で体力が減少しているようだ。正確には体力が下がったと言うより消費量も増えたのだがそんなに変わらない。

 それから、腹が減るのも早くなったし、なぜか俺が着火したランプも他に比べて光量そのままにすぐ燃え尽きてしまうようになった。


 ……効果は、以上である。


 メリットというメリットがない。現代女子ならいくら食べても太らないと喜びそうだが、あいにく俺はむしろこれ以上痩せたら死ぬと言われるほどに体重がなかったのでむしろデメリットになる。

 どうやら物が燃える時に燃料の消費が倍加するチートだったようだ。

 幸いと言うべきか魔力で火を作り出すこと自体においては燃費が落ちなかったので、魔力の面では問題なさそうだ。その火で物に着火するとすごい速さで燃え尽きるので、基準はよくわからないが。


 とにかく、また妙なチートが増えた。単純に食費が倍になったので俺の財布には大打撃である。

 ぜってー何か活用法を見つけてやるからな、首洗って待ってろよ!

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