憤怒の謳 嘆きの賛歌‐‐‐四‐‐‐
「いやいや。鼻の利きは花仙似ではないのう。
亡き母の遺伝かのう。」
「お母様…?蓮仙様の…」
「無駄話はいい。さっさと本題に入れ。」
少し不機嫌そうに 蓮仙は話を遮る。
「ああ。悪いの。そうじゃ、貴様は
憤怒の森を知っておるかの?」
「あ?あの邪使の巣窟だろう、それがなんだ。」
憤怒の森 其れは蓮仙達の村から 北の方角にある巨大な森。
あらゆる気を遮る事から 邪使の巣となっている。
「其処にの邪使の巣となる前から 森を守る一族がおると
されておる、そこの長に会い、琥珀の骸を
貰って来てほしいのじゃ。」
「今は邪使だらけなのに生きてんのかよ、その一族。」
呆れたように蓮仙はため息を付く。
「分からん。じゃが、その一族は影の一族と呼ばれておる故
生きていてもおかしくはない。」
ニヤリ、自信げに微笑む麟仙。
『琥珀の骸…其れを使い、母殺しの実の解毒薬を作る気か。』
わんこ…ではなく、天悟丸は呟く。
「まさか。ホントかよ、婆。」
疑わしそうに蓮仙は麟仙を見た。
「ああ。やって見んとわからんがな、琥珀の骸は
その森に その一族の手にしかないからの。頼めるな?蓮仙。
その為に天悟丸を小さく目立たんようにしたんじゃからの。」
大きく盛大にため息を付く蓮仙。
チラリ命に目を向けると キラキラ目を輝かせている。
こうなっては 命は行きたいと言う、蓮仙は命には甘い。
なので
「わかった。」
こうなるのである。
「よし。頼んだ。留守はわしゃに任せるといい。」
さあ、
出発の準備を。




