憤怒の謳 嘆きの賛歌‐‐‐参‐‐‐
「真っ白でありんす~♫」
降り積もった灰が 屋敷の屋根や木々などを白く染め上げた。
一人興奮する命を眺めながら 蓮仙も 満足そうに笑う。
「やや。騒がしいのう~。」
「婆、どこ行ってた?」
肩に積もる灰を払いながら現れたのは麟仙で
もう片方の腕は何か白い物体を抱きかかえている。
「何だそれは。」
その白い物体を指差し 蓮仙は怪訝しそうな顔をする。
「…ふわふわの玉でありんすか?」
麟仙に近付き 白い物体を凝視する命。
「これはの。ほれ。顔を出さんか。」
麟仙の言葉に 白い物体はもぞもぞと蠢きだす。
ピコリと耳が飛び出したかと思うと
其れは少し遠慮がちに顔をのぞかせた。
「わっ…可愛いでありんす~!わんこちゃんでありんす~!」
目をパアアッと輝かせ
麟仙から差し出された其れを 愛おしげに抱き上げる。
ギュウッと抱きしめ 頬を寄せる。
ガシッ
「蓮仙さまッ!?」
だらしなく緩んだ表情で命に頬を寄せる其れの頭を掴み
ギリギリと引きはがそうとする蓮仙。
「あられもない姿だな、天悟丸。」
完全に命から引きはがされ、蓮仙に高い高いのような形で
抱き上げられているのは
『何故、分かった?気は消えているはずなのだがな。』
紛れもなくあの天悟丸であった。
屋敷を破壊するほどの巨体の面影はなく
研ぎ澄まされた鋭利な牙も 赤子の様な歯になっていた。
「ええええ!天悟丸様でありんすか?!」
「気を消した所で無駄だろ。天乱桜が鳴いてちゃあすぐ分かる。」
「どうじゃ?愛いであろう?あの巨体でウロウロされては
花仙も時期に倒れてしまからのお。」
がははと 笑う麟仙。
「まさか。それだけじゃないだろ。婆。」
蓮仙の言葉にニコリと笑う麟仙。
「やはり貴様は鼻が利くのお。」




