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-鬼仙歌(おうせんか)-  作者: 神楽 桜
19/21

憤怒の謳 嘆きの賛歌‐‐‐参‐‐‐


「真っ白でありんす~♫」


降り積もった灰が 屋敷の屋根や木々などを白く染め上げた。

一人興奮する命を眺めながら 蓮仙も 満足そうに笑う。



「やや。騒がしいのう~。」


「婆、どこ行ってた?」

肩に積もる灰を払いながら現れたのは麟仙で

もう片方の腕は何か白い物体を抱きかかえている。


「何だそれは。」


その白い物体を指差し 蓮仙は怪訝しそうな顔をする。


「…ふわふわの玉でありんすか?」

麟仙に近付き 白い物体を凝視する命。



「これはの。ほれ。顔を出さんか。」

麟仙の言葉に 白い物体はもぞもぞと蠢きだす。

ピコリと耳が飛び出したかと思うと

其れは少し遠慮がちに顔をのぞかせた。



「わっ…可愛いでありんす~!わんこちゃんでありんす~!」

目をパアアッと輝かせ

麟仙から差し出された其れを 愛おしげに抱き上げる。

ギュウッと抱きしめ 頬を寄せる。


ガシッ


「蓮仙さまッ!?」

だらしなく緩んだ表情で命に頬を寄せる其れの頭を掴み

ギリギリと引きはがそうとする蓮仙。


「あられもない姿だな、天悟丸。」


完全に命から引きはがされ、蓮仙に高い高いのような形で

抱き上げられているのは


『何故、分かった?気は消えているはずなのだがな。』


紛れもなくあの天悟丸であった。

屋敷を破壊するほどの巨体の面影はなく

研ぎ澄まされた鋭利な牙も 赤子の様な歯になっていた。


「ええええ!天悟丸様でありんすか?!」


「気を消した所で無駄だろ。天乱桜が鳴いてちゃあすぐ分かる。」


「どうじゃ?愛いであろう?あの巨体でウロウロされては

花仙も時期に倒れてしまからのお。」

がははと 笑う麟仙。


「まさか。それだけじゃないだろ。婆。」


蓮仙の言葉にニコリと笑う麟仙。


「やはり貴様(きさん)は鼻が利くのお。」

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