1つの道
短めの2話ですがよろしくお願いします。
深澤晴希。彼は迷惑行為や犯罪行為により近隣住民の生活を脅かしているヤクザの元へと向かった。
煙草の香りと笑い声、そして嘲り声が充満する1室。扉が開かれるとヤクザは一斉にそちらを向いた。立っていたのは深澤晴希、夜に名を轟かせる正義の鉄拳。ヤクザは煙草の火をペルシャ絨毯の上で踏み消し、即座に戦闘態勢に入る。ある者は金目の物をかき集め、ある者は拳銃を抜く。あくまで深澤晴希は動じず左足から室内に入っていった。
あまりにも空気が重い。引き金に指をかけつつも、狼煙を上げるものは誰もいない。それどころか最初に引き金を引いたのは深澤晴希だった。オーダーメイドのハンドガンアダーラを用いた連続射撃。
1発銃声がなったかと思うと、6度、壁に影が刻まれた。半数近くのヤクザが倒れた。
若いヤクザ1人が恐怖に耐えられず叫んだ。
「投降だ! やめてくれ!」
他のヤクザは一瞬驚いた顔を見せたが、目の前の死神に恐れをなして武器を伏せた。
若いヤクザが怯え切った様子で口を開いた。
「もう……戻れないんスよ……」
ヤクザのボスが怒りに震えながら言った。
「お前、そんなこと…………」
深澤がハンドサインで制した。
「己の犯した罪はわかっているな」
若いヤクザは食い気味で話した。
「それも命令に従うしかなくて!」
「自分で考えろ」
深澤は背中を向けた。
「何も知らないくせ……に……」
男はそう言いかけて俯いた。
最後まで言葉にすることはできなかった。
深澤は倒れた花瓶を拾い上げた。
それを静かに置き直すと、そのまま去っていった。
残された選択だけが、彼の中で響いていた。
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