第六十六話 ミカエルの回想⑧
最近更新頻度が下がってきていますね。再度気合を入れ直さなければ!
今は街の中心部にある宿に向かって歩いている所です。
アイリスさんとガイド契約をした後、アイリスさんに案内されてベルグランの街を巡りました。
街自体は良かったです。美味しい食べ物もあり、質のいい魔道具も沢山置いてありました。ですが、それはあくまで街並みに限った話です。
街を私とアイリスの二人で歩いている時でも街では不快な発言がそこらかしこに流れていました。
『ハッ!お前まだ神とか信じてんのかよ!神なんてこのベルグランの敵じゃねーぞ!』
『そうだぜ兄弟。神なんざいねーんだよ。いたとしても俺らに勝てるわけがねーぜ!』
この様な声もかなりの数がありましたね。別にこの発言を否定する気はありません。エイド様も仰っていましたが、神に依存しているほど早く滅び去る世界はありません。ですので神界の事務的には大歓迎なのですが……。
「気持ちのいいものではありませんでしたね」
「そう、ですよね……あの意見を否定するつもりはありません。私は、神様は信じていません。私の両親が不炎ノ鳥に襲われて死んでますし……」
不炎ノ鳥……。一つの世界に四体しかない四帝獣の一匹ですね。
まさかその鳥に殺されているとは……。
「……心から謝罪を。アイリスさん」
「別にいいんです……辛い雰囲気になってしまいましたね……すみません。こんな話をするつもりじゃなかったんです。そうですね。今までも切り替えましょう!」
普通、人間は辛い記憶があっても簡単に切り替えることはできないのですがね……。よほど精神力が強い様です。
「もうすぐ着きそうです。最後に質問はありますか?」
「いいえ。ありませ……質問返しになる様で申し訳ないですが、明日、貴女が所属しているギルドとやらを見に行っても構いませんか?」
するとアイリスさんは私の手を掴み、首を何度も縦に振りながら満面の笑みで、
「こちらこそ、誠心誠意対応させて頂きます!」
「そう言っていただけると嬉しいです」
これで少しは人間の文化を知る機会になったでしょうか。
*
あれから5分ほどでしょうか。アイリスさんの足が止まり、ある建物に手を向けながら話し始めました。
「ここが私の中ではお勧めの一つである『銀泉亭』です!」
この宿。豪勢とまではいきませんが、眩しすぎない装飾にどこか落ち着く雰囲気です。
「気に入りました!」
「良かったです……!他の宿もあったんですけど、銀が似合いそうでしたのでこちらの宿にしました!」
宿のドアに手をかけ、扉を開けるとギギギと心地の良い音がしました。
入る直前、私はアイリスさんに御礼をしました。
「ここまでありがとうございました。この街のことについて全く知らなかったので助かりました」
「いえいえ。それが私の役割ですからね!」
ムフッと胸に手を当ててそう言いました。実に、可愛らしいですね。
「では、また明日会いましょう。」
「はい!また明日!」
手を振っているアイリスさんを見ながら私は扉をゆっくりと閉め、受付にいる男性に話しかけました。
「安眠の魔法がかかっている部屋にしてください」
キョトンとした顔で数秒かたまり、すぐに男性は話し始めました。
「わ、分かった。安眠ベッドか……。値段が高くなるが良いか?」
「おや、あるのですね。少し驚きです」
「たまーにだが、アンタみたいな客がいるんだよ。だからさ。肝心の部屋は……空いてるな。部屋は……23番だ」
「感謝します」
鍵を手渡され、私は木の階段をゆっくりと上がっていったのでした。
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