第五十五話 この世界の魔法とは③
今回の話は少し短いです。明日はできればいつもの通りの分量で出したいです。
カインが訝しんだ目で見て来るが、俺は軽く肩をすくめて視線を受け流す。
「……何故か怪しいけど……。話を戻すね。で、光魔法っていうのは、貫通や灯り等、様々な用途で使われるから一律に攻撃属性と決めつけるのは良くないかもしれないけどーー」
カインはそう言いながら、黒板へ“収束”という文字を丸で囲む。
「収束魔法だけは別格なんだ。光を一点へ集め続ける事で、通常の光魔法とは比較にならない破壊力を生み出せる」
「つまり、レーザーみたいなもんか?」
レイの言葉にカインは頷く。
「近いね。ただ、もっと厄介だ。収束率が高まれば高まる程、威力は指数的に増えていく。そして、理論上は際限がない」
その言葉に、アーシャが嫌そうに眉を顰めた。
「……何か嫌な予感しかしない説明ね」
「実際危険だからね。王国でも使用者は殆ど……いや、一人もいない。まぁ、似た様なことを出来る人はここにいるけど……」
ミスカの方を見ながらカインは言う。ミスカはわかってない様に目をパチパチさせて俺たちの方を見て来る。
「え?僕?」
「ミスカ……。さっきの話を聞いていたかい?」
カインが呆れ半分でそう言うと、ミスカは「うっ」と言葉を詰まらせた。
「き、聞いてたよ!?ちゃんと!」
「そう。じゃあ収束魔法の特徴は?」
「えっと……。光を集める?」
「合ってはいるけどざっくりしすぎ」
即答だった。教室の空気が少し和み、レイが吹き出す。
「ははっ、ミスカらしいな」
「笑わないでよっ!レイくん!」
ミスカは頬を膨らませながら抗議するが、カインは真面目な顔へ戻った。
「普通の光魔法と収束魔法の決定的であり唯一の違い。それは、光に質量を持たせれるかどうかだ」
「光に……質量を持たされるかどうか?」
皆の疑問を代弁するかの様にアーシャが呟く。
カインは無言で頷き、ミスカの方を見る。
「ミスカの光魔法は、暗闇を照らす灯りとしての機能や目眩し等の妨害系が主でしょ?でも、この収束魔法には、光に質量が含まれているからどんなに敵意のない魔法術式でも、質量を持った光としての攻撃が成立する」
そんな説明を聴きながら、俺はふと横にいるクラスメイトを見てみると、アーシャとコイルは納得した様に頷き、レイはなんとなくわかっている雰囲気を出す。ミスカは「ん?」みたいな絵文字が大量に出そうな空気を纏っているし、リナに至ってはひたすらにノートをとっている。
この教室で、1番まともなのはやっぱりレイなのかもな。
「そして、さっき言ったね。光には質量がないから無限の圧力を生み出せると。それに質量を持たせるとどうなると思う?」
「……爆発的なエネルギー量の放出ってことね」
「そう言うこと。矛盾しているからこそ成立する理論なんだ」
と、ここでカインは話を止めて、研究者の様な笑みを浮かべる。その笑みに少し嫌な予感を覚えながらも、口に出さず黙って話を聞く。
「そして、ここからが面白い所。雷魔法や空間魔法には生まれ持った適性が必要だけど、この収束魔法には、特別な適性が必要ないんだよ!」
「努力次第で習得できると言うことですか……」
「そう!そんな光魔法の極地である収束魔法にだけ、唯一二つ名がある。その名は、収束魔法とね」
何それ……。超かっこいいじゃん!ダークネームみたいにかっこいいな!
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