第五十三話 この世界の魔法とは①
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「では、今回の授業はここまでです」
机に手を置き、やや前のめりの姿勢となってレイナ先生は言う。
そして、黒板に明日の1限目開始時刻から終礼開始時刻を書き記し、もう一度俺たちの方向を向き、口を開く。
「明日の予定ですが、一限目はメリアード先生による魔術基礎及び魔力量検査。二限目から四限目までは、その結果に応じた実践。そして、五限目は王国とこの世界の歴史。六限目は私が行事説明をします」
「先生。歴史は誰が担当するんですか?」
と、アーシャは手を挙げて質問する。その質問に、レイナ先生は、少し顔を顰めるが、すぐにいつもの顔となり答える。
「それは……。会ってからのお楽しみです………」
その言葉を聞き、アーシャだけで無く、皆が胡散臭い物を見る様にレイナ先生を見る。
「その言い方をするときはさ……」
「絶対やばいわよね」
俺たちの間に流れる雰囲気をレイナ先生は感じとり、焦った様に言う。
「ですから、お楽しみです!以上で放課!では!」
早口で言って、急いで教室から出た行くレイナ先生。
絶対に、変な先生が来るだろ。恐らく、俺の予想が当たったいればーー
「エイド様」
ミカエルが手を振りながらレイナ先生と入れ違う様に入って来る。そして少しだけ喜んだ様に皆に向かって言う。
「そろそろコイルさんが来ますよ」
「「「「「コイルが!?」」」」」
それ同時に、Sクラスの扉が開き人影が姿を現わす。
「遅れました……。申し訳ございません」
声の主は、足や手首を包帯に巻かれてふらつきながら立っているコイルだ。
「放課後で申し訳ないんですが、皆さんの時間を少し俺に……」
ふらっと倒れそうになるコイルをミカエルが肩を持って支える。
倒した本人が何をやってるんだか……。
「大丈夫ですか?」
「問題ありません……。教卓まで運んでくれませんか?」
「わかりました」
ミカエルはコイルを教卓まで運んで、コイルは机に手をついて体制を整える。
「では、改めて自己紹介をーー」
「貴方!今、出来る状態じゃ無いでしょ!」
アーシャが心配そうにコイルの元まで駆け寄ろうとする。だが、コイルは手をアーシャに突き出しそれを制する。
「心配、ありません……。この程度で……」
「いや、担架案件だろ。コイル。休んだ方がいいぞ」
レイが警告するが、コイルは首を横に振る。
「……いえ。初日から自己紹介出来ない方が問題です」
包帯越しでも痛むのか、小さく息を漏らしながらもコイルは姿勢を正す。
そして、教卓に手を置いたまま、静かに口を開いた。
「皆さんは知っていると思いますが、改めて。コイル=ドレインです」
その名前が出た瞬間、空気が少し引き締まる。やっぱり、魔導八家の名前は重いんだな。
「魔導八家ドレイン家の次期当主候補です。よろしくお願いします」
そう言って軽く頭を下げるが、その動きだけで脇腹が痛んだのか顔が僅かに歪む。
「後は……何を言えばいいでしょうか?」
「趣味と憧れ、得意魔法よ」
アーシャが半ば呆れながらコイルに言う。
「趣味は戦闘研究です。憧れは……強者でしょうか。得意魔法は雷魔法です」
少しの沈黙の後。
「……この学園……。系統外魔法使える奴が多いんだよ!」
レイの叫びに近い発言に、俺は思わずカインに聞いてしまう。
「系統外ってそもそも何?」
「……。エイド。先ずはそこからか……」
苦笑しながらカインは立ち上がり、教卓まで歩いて行く。そして教壇に立っているコイルに言う。
「場所、借りるね」
「構いません」
コイルはミカエルに支えられて近くの椅子に座らされる。
カインはチョークを手に取り黒板に綺麗な六角形を描き、頂点に文字を書いて行く。
「今の時代は、六属性……。炎、水、風、土、光、闇の魔法が通常属性となっている。だけどーー」
そして、六角形のすぐ横に線を引き、小さな円を書く。
「この小さな円に含まれているのが、補助魔法や支援魔法と言われている魔法だ」
カインの説明はわかり易く、思わず拍手してしまう。そんなことをしていたらアーシャに呆れた様に見られた。
「貴方……。本当に常識がないのね……」
「失礼なっ!」
俺だって、黙っている間はミカエルから送られてたこの世界の資料を見ていたさ。だけど、多すぎるんだよ!量がさ!隙間時間に見れる量じゃないって!
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