第四十八話 自己紹介
明日は、頑張れば更新できそうです。
「あの二人は放っておいて、授業を始めます」
レイナ先生のため息混じりの言葉で、Sクラスの皆の意識が現実へと引き戻される。
「え……。あれって放っておいても良いの?」
「あれって言うなよ。学園長だぞ?」
学園長……。生徒にもこんな風に思われているとは。恐らく、今回の騒動で一気に学園長の評価が悪化したんだろうな。
「自己紹介ですが……。休み時間まで残り少しなので時短で行きます。名前、趣味、憧れ、そして得意技術を教えて下さい」
最後のフレーズで、先程まで緩みまくっていた皆の表情が緊張の色に染まって行く。
納得は出来る。自分を含む様々な天才の得意分野を知れるのだ。これは、今後の学園イベントでの策略を立てるのに丁度いいからな。
「では、コイル君を除き、計七人で自己紹介を始めます。誰から行きますか?」
「「「………」」」
やっぱり……。最初は気まずいもんな。ここでトップバッターを切ってくれれば勇者なんでけど。
「仕方ねぇな。俺が行くぜ!」
元気よく立ち上がったのは、明るい金髪が映える、高身長なイケメンだ。
「名前はレイ=ソードマスだ!趣味は剣を振る事で、憧れは……、とにかく強い奴だ!得意魔法は身体強化魔法と土属性だ!よろしく!」
「ソードマス……ね。私と同じか」
アーシャと同じって事は、魔導八家か。名前を聞くに剣を扱うのかな?
「一応、魔導八家でもあるが、立場関係なく接してくれよな!」
言い切って勢いよく座るレイ。人柄は良さそうだな。それに、剣か……。
「じゃあ、次は私ね」
と言ってアーシャが立ち上がる。髪を後ろへ払うと、自信に満ちた表情で話し始めた。
「アーシャ=ウィルドムよ。趣味は本を読む事で、憧れは賢者。得意魔法は炎系統の魔法よ。仲良くして貰えば幸いだわ」
(うん。普通だ。あと賢者って学園長なんだけど……)
そう言ってアーシャは俺を睨んで席に座る。まさか……。俺の考えていたことがバレた……?いや、それは無いか……。
「んじゃ、次は僕かな?」
立ち上がったのは、身長は控えめな、中性的な見た目をしている顔立ちの整った男?だ。
「名前はミスカ=エンペアだ。趣味は釣りで、憧れはーー」
「「「……はぁ!?!?」」」
皆(俺以外)が一斉に立ち上がり、信じられないものを見る様にミスカを見る。
俺自身、この世界に来たばかりだから王族っていう存在を知らなかったが、立ち上がった皆の反応を見るに、凄いんだろうな。
「エンペアって、あの?」
「王、族だな……」」
そんな皆の反応を他所に、アーシャと体格が小さい女の子が、エンペアに向けて丁寧な動作で跪く。
「ウィルドム家長女。アーシャ=ウィルドム」
「サーチャー家次女。リナ=サーチャー。ほら、レイも!」
リナに促され、先程まで観戦に徹してしていたレイが我に返ったようにミスカの前に跪く。
「遅れて、ソードマス家長男。レイ=ソードマス!」
「「「我々一同、殿下の偉大なるお姿を拝見でき、恐悦至極に御座います!!」」」
ほぼ同時に、一寸の狂いもなく三人が言葉を発する。
流石の俺もこの三人の行動で理解した。王族の存在がどれ程までに大きいのかと。
「なぁ、王族ってそれだけ凄いのか?」
俺は隣に座っている優しそうな印象を与える好青年に小声で聞く。
俺の言葉を聞いて、その男はとても驚いた様に俺に解説してくれる。
「凄いなんてものじゃないよ。王族と言うのは、神の言葉を天使が経由して伝えてくれるこの王国で最も大事な存在だ」
「じゃあ、何であいつら跪いてんの?」
「魔導八家を知ってるよね。その八家は、王族の近衛を任されているこの王国に優れた魔法使いを輩出する家だ。だからだよ」
成程ね。アーシャが跪いているシーンを想像できなかったが、思っている以上に様になっているな。
「そういや、名前を聞いてなかったな。俺はエイド。宜しく」
俺は右手を差し出す。その男は少し苦笑して、握手してくれる。
「ははっ。今かい……。君も大概変わってるね。俺はカイン=ウォールだよ。よろしくね。エイド」
カイン……。いや、カイン君と呼ばせてもらおう。この世界に来てようやくまともな人物に出会った気がする。
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