第十話 修業編⑥
自身作です!ぜひお読みください!
俺が転移した先はラファエルの私有次元ではなく、仕事部屋だ。ラグエルは男だからいいんだけど、女子の部屋に行くとは未だに抵抗感があるのは否めない。
最初に見た景色は、俺の身長の三倍ぐらいの書類の量を傍に置き、黙々と書類作業をしているラファエルの姿だった。
「よっす。ラファエル。久しぶりだね」
「え?エイド様!?」
俺の声で、俺が来ていることに気が付いたのか直ぐに椅子から退き俺の足元に跪く。
「お久しぶりですね。エイド様。定例会議以来でしょうか。本日はどのようなご用件で?」
こんな奴がラグエルに仕事を押し付けるのか?……まあいい。考えても仕方ないか。
「今から俺の休暇先まで連れていくから」
ラファエルは一瞬ぽかんとした顔の後で、
「……え?」
と一言。ラグエルよりは反応がマシだな。とか思ってたら、ラファエルが
「待ってください!まだ手付かずの仕事が多すぎて、とても外出できる状態では」
「いや、知らんし。ほら、早くいくぞ。こっちはせっかくの休暇が潰れそうになってんだ。お前らはまだ有給あるけど、俺はないんだよ。それにさぁ」
俺はニヤニヤしながら指を鳴らし、ゲートをラファエルの後ろに作成する。
「向こうで話したいこともあるから」
と言って、ラファエルの背中を押してゲートに入れようとするが
「待っ!待ってくださっ!」
「ごめんけど、お前らの仕事より、俺自身の休暇の方が大切なんだわ。堪忍したってや」
と言って、権能を使いゲートの中にラファエルを押し込む。
「先行っといてねー。直ぐ行くからー」
ラグエルの時みたく、同じようにラファエルが叫んでいる。最近の流行りは叫ぶことか?と思ってしまうほどである。
そんな時、背中に悪寒が走る。この感じはまさか……。
背後を恐る恐る振り返るとドアの窓に顔を貼り付けているミカエルが居る。
「まさか神界に戻っているとは!それもラファエルのところに!ラグエルの言った通りでした!」
俺は何も見ていない……。
無言で俺はゲートの中に入って行った。
※
戻ってきたら、この前のラグエルの様にはならなかった。
目の前にはラファエルとアンナとロッドが並んで立っている。
「お、みんな揃ってるな!」
みんなやけに疲れてる感はあるけど、まあ気のせいか!
「はぁ、エイド様。何が知りたいのですか?」
流石、ラグエルの同僚なだけあるね。話がわかる。
「えっとね。この横にいる女の子、アンナって子が因律の眼を使っていて、俺もよく知らないから教えてもらおっかなーって」
すると予想通り、ラグエルが見せた時と似たような反応をする。そして一言、
「人間がその眼を使うなんて……」
「だろ?」
俺は胸を張って言う。だがラファエルはジト目で、
「エイド様が得意げになる要素はないですよ」
まったく、最近の女の子の態度は厳しいねー。
「話を戻します。この女の子が因律の眼を持っていること自体は疑いません。ラグエル様の痕跡跡があるので」
「へー。たまにはいいことするじゃん」
呆れたようにため息をつきながら
「いいことってなんですか。それに、エイド様が言うことが間違っていても、私達はその間違いを正しくするので」
「ちょ、それはやらなくていいから。てか、それ、誰が言ったの?」
こんなに真面目な子がそんな怖いこと言うわけないじゃん。恐らくだが、俺の予想が合っていれば絶対に……。
「ミカエル様ですよ。エイザニア学院で、ご教授なさっていた時の座右の銘を知っていますか?『エイド様がカラスは白いと言った。ならば我々はすべてのカラスを白に染め上げなければいけない』ですよ」
…………は?思わずフリーズしてしまった。
てかあいつ学院でそんなことを教えていたのか?恥ずかしい以前に呆れてしまった。
だがまあ、不思議と嫌な気分にはならない。
「話を戻します。因律の眼は持っていても、普通に過ごしていれば基本は大丈夫です。あくまで使わずに過ごしていればですが」
「ラファエル様。それでは、これ以上アンナがその因律の眼とやらを使うのは危険ということですか?」
その問いにラファエルは頷く。
アンナは少しビクッとなっていた。
だけどさぁ……。
「でもさぁ、使わなかったら確実にアンナは負けるよ?だったらさぁ、俺封印されないといけないんだけど?」
俺の言葉を聞き、一気に青ざめるラファエル。
直後、直ぐに跪き、
「申し訳ありません!ご配慮が足りていませんでした」
と謝罪する始末。
「別にいいよ。冗談で言っただけだし」
跪いている状態で睨まれ一言。
「エイド様。耳が痛い話になると思いますが、他の女子から嫌われますよ?」
「ガハッ!!」
エイド。本日2度目の心核破壊。
「相変わらず、耳が痛いね。まあ、そんなことはいいとして」
話を戻そうとするとラファエルとアンナが声を合わせた
「「そういうところですよ」」
と言った。
「なぜラファエルを呼んだかと言うと、俺自身因律の眼の効果とかわかんないんだよねー。だから読んだんだよ」
すると、ラファエルの額に怒りマークができて、
「エイド様が神になられた時に、フリザエル様にたっぷりと教え込まれていましたよね?まさか、サボっていたとでも……?」
「ソ、ソ、ソンナコトナイサー」
俺の言った言葉を聞いて、ラファエルは呆れ気味にため息。
「もういいですよ。因律の眼の使い方でしたね?」
「ぜひ!よろしくお願いします!」
ここでアンナが食い気味にラファエルに詰め寄る。
「は、はい。貴方が1番聞いていないといけませんからね。よく聞いていてください」
と言うと、ある魔法を発動させた。
「神話魔法ーー幾千之知恵文書」
次の瞬間、眩い光がラファエルの手を覆い、その手には一冊の分厚い本があった。
「この本には、創世から現時点までの全情報が載っています」
ラファエルはその本をめくり、10ページほどめくった所で手を止めた。
俺は、昔から因律の眼が合ったことに少なからず驚きを感じてしまったのだった。
お読みいただきありがとうございます!
最初の方の書式を少し変えました。ご了承いただけるととても嬉しいです!
さて、改めまして、お読みいただきありがとうございます!
次の更新は22日の21時です!ぜひお読みください!




